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スウェーデンと日本の違い(1)

過去3度のスウェーデン訪問で、日本とスウェーデンの違いを、いろいろな場所で見かけます。
このページでは、両国の違いを、5回に分けて紹介します。


先ず、どうしても紹介しなけらば成らない大きな違いは、鉄筋コンクリート造や組積造建物への、断熱材取り付け位置が、スウェーデンでは壁や屋根の外側に取り付けられている事です。
いわゆる外断熱です。
日本では、殆んどの建物の断熱は、内断熱で行われています。

外断熱と内断熱の効果の違いは、外断熱工法のページをご覧頂きたいと思います。
http://imagawa-k.jp/2006/08/exins1.html(外断熱工法とは)


その他の、違いに付いて続けます。


木造建物の、断熱材の厚さが違います。
これも、無暖房住宅、海外情報のレクチュアでのjページで触れていますが、スウェーデンの断熱基準は、1990年からは、壁が270㎜、屋根が500mm(ルンド大学のレクチュア)の仕様厚さです。

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http://imagawa-k.jp/2006/09/1_6.html(ルンド大学でのレクリュア)


更に、建物に措ける、暖房空間の考え方の違いも有ります。
スウェーデンの共同住宅(日本で言うマンション、アパート等)では、建物の最初のドア(共用玄関ドア)を開けると、そこは暖房空間です。

共用玄関ガラス越しに見た共用部にある暖房パネル。

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日本の共同住宅の様に、共用部分(共同玄関、ホール、共用廊下、共用階段、エレベーターホールなど)は、暖房が無い空間ではありません。
個人住宅も、玄関ドアの内側から暖房エリアです。
住いにおいて、暖房の行き渡らない場所(非暖房室)は、スウェーデンには存在しません。
スウェーデンでは日本の様に、内か外かの区別がつかない、曖昧な空間を造りません。


窓も違います。
どの窓を見ても、ペアガラス(2層)か、トリプル(3層)ガラスです。
共用玄関の窓も、商店のショーウインドウも、レストランも、オフイスの窓も、全ての窓がペアガラス(2層)か、トリプル(3層)ガラスです。
驚いたのは、工場作業場の折り戸に付いた窓も、地下鉄車両の窓ガラスも、ペアガラス(2層)でした。


地下鉄車両の窓。ペアガラスでした。
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日除け対策用の庇やオーニングが目に付きます。

ストックホルムの集合住宅の窓。
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http://imagawa-k.jp/2006/08/awning.html(海外情報:オーニングのすすめ)

これも、日本には少ない風景です。

夜に成ると、窓辺には、スタンドの明りが見えます。

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6~7割の家が、カーテンを閉めず、窓辺をスタンドで灯しています。

こんな違いを、写真を交えながら紹介します。


この建物は、ヘルシンボリ市にある熱交換換気扇の製造工場です。

熱交換換気扇の製造工場。
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換気装置を、視察する為に訪問しましたが、驚いた事に正面に見える、工場内に機材を搬出入させるドアや窓も全てが、ペアガラス(2層)でした。

この工場の中央にある、資材搬出入の折り戸の窓ガラスが、ペアガラス(2層)です。

資材搬出入の折り戸。
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この建物は、換気装置会社がレンタルしていて、別な業種の会社も棟続きの建物に入っています。
この扉の窓だけが、特別にペアガラス(2層)ではなく、スウェーデンの建物の窓は、全てがペアガラス(2層)かそれ以上の性能を有した窓ガラスが取り付けられています。

ご覧の様に、ペアガラス(2層)です。
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折り戸の、開閉部分の気密ゴムも、気密性が高い作りで、工場内では自社開発の大型熱交換器による、換気暖房で作業環境に良い温度と空気の入れ替えが行われていました。
さすがに、換気メーカーらしく、工場内は適温で快適でした。

事務所用の外部ドアです。

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アルミ製のドアですが、ガラスはペアガラス(2層)です。
気密性は良いようでした。
日本のドアと比べると、同じアルミ製でも、熱の絶縁加工などがあり、断熱性はかなり良い様です。
また、防犯用の鍵は、かなり強固な物でした。


このドアは、バルナモ市にあるbsv設計事務所の玄関ドアです。

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このドアの内部に、もう1つドアがあるのですが、そのガラスもペアガラス(2層)です。

ご覧の様に、ペアガラス(2層)です。

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スウェーデンでは、ペアガラス(2層)が標準仕様です。
その効果で、ガラスからの熱損失が小さくなります。
つまり、熱が逃げない事で、内部環境が損なわれません。


昼食のため、バルナモ市内にでました。
小さな街です。

駐車場際の民家です。

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窓には、オーニングが取り付けられています。
大きな窓が対象の様です。


同じ駐車場から見えた別の建物の窓に付いている、オーニングです。

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グリーン色の部分です。
各窓に付いています。

バルナモ市内です。

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平日の昼間のせいか、人通りが少なかったです。

レストランに向かう途中に、通り抜けた商業ビルの通路です。
このドアは、一重でしたがスレンレス製のドアには、ペアガラス(2層)が入っていました。

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この様な場所でも、ペアガラス(2層)が使われています。
ある意味、エネルギーを逃がさない、また別の意味では、暖房空間を大切にすると言えるのかもしれません。
この窓ガラスの違いは、建物に対するスウェーデンと日本の考え方が、決定的な違いを表していると思います。


冬に、日本のレストランなどの窓際の席に座ると、冷気を感じて不快に思う経験をされた方が、多いと思います。
また、夏場は日差しが入り、その内側のブラインドなどの日差し除けがあるが、暑い思いを経験されていると思います。
これらを防ぐ手立ては、ガラス性能を高める事が効果的です。


窓からの、視界や開閉による換気効果など、建物には窓が必要ですが、一方では壁の1/10以下の熱貫流性能で有る為、寒さや熱さを室内に取り取り込む不利な部分でも有ります。
その様な、窓の有効性と欠点を、補うのがガラス性能なのです。
この熱逃げに対する、理論通りの対策を行っているのがスウエーデンで、無対策なのが日本なのです。


また、窓の太陽熱を遮断するのに効果的なのが、オーニングです。

朝日を遮るオーニングの例(ストックホルム市内のビル)

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これは、外部のオーニングでは太陽熱が、70~80%遮断出来るのに対し、日本でよく行われている室内ブラインド式では、逆に70%余りの太陽熱が室内に入り込んでしまいます。


このプラス、マイナスの差は、大きなエネルギー消費の差と成ります。
たかが、ガラスの違いと思われる事が、建物への影響が全然違う事を、知る必要が有ります。


スウェーデンと日本の違い(2)へ続く。
http://imagawa-k.jp/2007/03/2.html

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パッシブハウス・無暖房住宅・外断熱の今川建築設計監理事務所: 2007年03月01日|ページの 先頭へ|