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プラスエネルギーハウス(その2)

2009年3月5日(木)

【プレゼンの続き】


(XIV)
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気密テストは、50Paで実施しました。
0.3L/㎡・S以下でした。
窓は、エリート社のエクストリュームと言う製品です。
U値は0.8W/㎡・kです。
(この製品は、日本でガデリウス社が取り扱っています。ガデリウス社での話しでは、U値0.9W/㎡・k
の製品と聞いていましたが、プラスエネルギーハウスのプロジェクト用に性能を上げた製品で納入したのでしょうか。)


(XV)
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換気装置は、REC社の熱交換換気装置を採用しています。
過去に私が手掛けた、ランックローナー団地の無暖房住宅プロジェクトでは、他社の製品を採用した事が有ります。
しかし、その製品は70%以下の熱交換率で、無暖房住宅では、その熱交換率の低さから、室内が寒く入居者から多くの苦情がでて、それをマスコミ取り上げた為に、非難を浴びひどい目にあいました。
ランックローナー団地では、その後、REC社の製品に取替えてからは好評です。
ですから、私はREC社の熱交換換気装置以外は、その後のプロジェクトでは使用していません。
REC社の熱交換換気措置は、スウェーデンでは一番良い機械です。
トータル平均値で、87%の熱交換率があります。(REC社では、平均値で84%と公表しています。)
短期間では、90%以上の性能です。


(この話は、2006年のランックローナー団地視察で、私達は知っていました。その時の説明者は、カーリンさんではありませんでしたので、カーリンさんがランックローナー団地に、関わっていた事を今回知りました。スウェーデンでは、製品の品質を偽ると大きなペナルティーが有るようです。日本の国内で販売されている、熱交換換気装置の性能にも、公正な基準測定での熱交換率で、公表される事を期待する限りです。)


このサイトを作成中に、旧ランックローナー団地の竣工間際の写真が手に入りました。
カーリンさんの話しが良く分かる、旧熱交換換気装置が取り付けらている写真です。
更に分かり易くする為に、問題発生後に取り替えられた、REC社の熱交換換気装置の写真も載せました。


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(竣工時期の熱交換換気装置、機械本体のサイズは小さく、熱交換率は70%以下だった。)


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(ランックローナー団地、取替え後のREC社製熱交換換気装置。2005年3月15日現地視察した時の写真)


ランックローナー団地の、熱交換換気装置入れ替え記事を読むには下記リンクへ。

バーナー・ストローク氏(スウェーデン・ランツクローナー市・ノルマン団地)
http://imagawa-k.jp/2006/08/no2.html

ランツクローナ市の自己暖房住宅題(その3)
http://imagawa-k.jp/2007/10/833.html


(XIX)
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これは排水熱を採取する管の写真です。
グレーウォーター(台所、洗面、浴室の排水)、ブラックウォーター(トイレの排水)二つの排水を、ステンレス2重管の中に通し、その外側にシャワー水と成る水道水を通して、熱を採取する方式です。
今まで、単に捨てていた、排水の約20%の熱を回収できます。


(XX)
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南面に取り付く、ソーラー発電と給湯パネルに付いてです。
ソーラー発電パネル32㎡、給湯用パネル18㎡が装備されます。


(XXⅠ)
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アキュミレータータンクの全景写真です。
給湯用ソーラーパネルで暖められた液体は、このアキュミレータータンク内の水を温めます。
このタンクは、2000Lの容量があり、給湯と一部暖房用に使われます。
このタンクは、厚い断熱材で覆われますが、夏にはそれでも給湯水内部からの発熱で、余剰熱がタンク室を暖めてしまいます。
その為、タンク室は厚い断熱材で遮蔽します。


(XXⅡ)
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この表は、この家の使用電力を表しています。
この家の暖房と給湯で3000KWh/年使用し、18㎡のソーラー給湯パネルで、年間1900KWh/年の電力消費分のお湯を作り出します。
普通場合は、その差分の1100KWh/年の電気を購入する事に成ります。
この家の、生活電力は2500KWh/年使いますが、36㎡のソーラー発電パネルから、4200KWh/年の電力が発電されます。
その差、1700KWh/年の電力が残ります。
従って、1100-1700=600KWh/年の電力が、この家では余る事に成ります。
年間600KWhの電力が、+プラスに成る家、プラスエネルギーハウスの名前の由縁です。


(XXⅢ)
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工事中の写真です。
この様に、工事中は、建物をシートで覆い施工しました。
木や断熱材を濡らさない様にするためです。
これにより、雨の日や冬季間の工事中、作業する人達は良い条件で作業が出来ました。

(視察した日も、建物内には電気式温風機が可動していました。スウェーデンでの、他の視察の時も、その様な温風機で室内を暖め、床のコンクリートの含水を少なくし、木材などへの工事中に起きる湿気吸収などを考えて、処置している光景を目にしています。パッシブハウスや無暖房住宅の様な、高性能な建物では、建材の余剰水や天候での材料濡れは、竣工後のカビや結露に繋がります。そうした事を理論で心得ているからこその、シート養生上屋や温風機対策だと理解しています。)


(XXⅣ)
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工事中の写真です。
工事に使う材料等が、雨などの影響を受けない様にと考えて準備しました。
でも一番喜んでくれたのは、作業をする工事の人達でした。
しかし、シートの一部から雨が漏れて、内部を濡らしました。
次回からは、もう少し性能の良いシートを使う考えです。


以上までが、プレゼンテーションの内容です。


Karin Adalbart(カーリン アダルバート)さんの、話しを聞きながら思った事が有ります。
知識は、実践して初めて生かされると言う事です。
カーリンさんは、建築物理学上の実践を、今回のプロジェクトで行っています。
パッシブハウス+未知の建材+持論の実行です。
知識を持っている人でも、言葉だけでは何の意味も有りません。
実践を通して、初めてその知識が生かされます。


例えば、カーリンさんのプレゼンの中に、Micronal PCMボードと言う蓄熱するボードの採用に付いて触れた時に、私達が昨日ドイツのBASF社で、その説明を受けた事を話すと、『それでは、私以上にPCMボードに付いては、詳しいのですね。私はこの材料の事を知り直ぐに採用を決めました。私はその材料を見ていませんし、そのボードはまだ現場には到着していませんが、近日中に入荷する予定です。』と話しました。


このやり取りで、材料の特性を知り即断で作用を決める行動力は、知識の多く持つ学者の行動力とは違う様に感じました。
また、自身の知識をひけらかす素振も無く、謙虚に自身の決断までの状況を話す点は、好感が持てました。
知っている事が最良の状態では無く、決断する事が最良の事だと教えられました。
真空断熱材やエアーガラスの採用も同じ様な経過があったのかも知れません。


そして、一番感心した事は、工事中建物外郭を囲った、仮設上屋の設置です。
スウェーデンに於ける冬季間の施工とは言え、建物全体を覆う様な仮設設置は小型工事では少ないと思います。
しかし、建築物理学上、工事中に材料が雨水に濡れたり、湿気などの影響は、建物に取って有害で有る事を理解しているからこその実施だったと思います。
自身の持論を実践する事は、中々出来ない事だと思います。
この決断と行動力が、スウェーデンのパッシブハウスや無暖房住宅などの省エネ住宅を、更に前進させる事に成ります。

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