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自販機1台は、我が家の年間暖房費86%に相当(パート2)

先に、自販機1台は、我が家の年間暖房量の、86%に相当すると書きました。
この自販機1台の、年間消費電力量は、ラジオ放送で聞いた値です。
3月11日の震災後、エネルギー問題の番組が多くあり、4月にあるラジオ放送で聞いた数字でした。
自販機1台は、我が家の年間暖房費86%に相当


最近、別な内容でサイト検索した際、2005年度の自販機データに行き当りました。
下に有るのがその表ですが、ご覧の様に自販機に於ける区分で多いのは、飲料水関連自販機で、その構成比は89.6%です。
更に1台の、年間消費電力は、2,224Kwh/年と有ります。



先のラジオ放送で聞いた、全自販機の年平均電力消費量は1,533Kwh/年でしたが、2005年のデータ(上表)では、平均は1,288Kwh/年です。
しかし、89.6%が飲料水関連自販機で、その電力消費量平均が2,224Kwh/年ですから、他の自販機との平均を、自販機全体の平均電力消費量とするのは、整合性が無いと思います。
構成比から言えば、飲料水関連自販機を対象に、論じる事の方が、実態に即していると考えます。
ラジオ放送での、自販機メーカーの方が、平均電力消費量を1,533Kwh/年と話したのは、現状での全平均値の様で、その値も1288Kwh/年から1,533Kwh/年に増えた数字を、述べています。
さすがに、震災直後の節電ムードの中での放送であり、飲料水関連自販機の構成比89.6%は、放送では言えなかったのでしょう。


でも、9割の自販機の年間消費電力は、2005年度でも2,224Kwh/年で、北海道パッシブハウスの年間暖房消費エネルギー量、1,777Kwh/年と比較すると、2,224÷1,777=1.25となり、1.25倍の電力を消費している事に成ります。
つまり、「自販機1台は、我が家の年間暖房費125%に相当」と、言う事に成ります。


2011年度の、北海道パッシブハウスでの冷房消費電力は、51.5Kwh/年でした
北海道パッシブハウスでの、暖冷房合わせた年間電力消費量は、1,777+51.5=1,828.5Kwh/年です。
商店の店先や、歩道脇にある自販機の殆どが、北海道パッシブハウスの年間暖冷房で、消費する電力量の、1.22倍もの電気を消費している事に成ります。


これって、どちらの数字に対して、「すごい」と言えば良いの?
北海道パッシブハウスの性能が、「すごい」か。
自販機の消費電力は、そんなに「すごい」量を、消費してるの、と言うか。


上表では、全自販機の消費電力は、6640(百万Kwh)つまり、66億4000万Kwhです。
これは、6,640,000,000Kwh÷1828.5Kwh=3,631,391世帯(北海道パッシブハウス)分の電力消費です。
または、原子力発電所1基、閉鎖出来る位の電力ではないでしょうか。
自販機そんなに必要でしょうか。
別に不便も無いと思いますが。


スウェーデンでは、自販機を見たことがありません。
何を基準に、豊かさや利便性を測るのか、考えて見る必要があると思うのは、私だけでしょうか。
東京に行くと、街灯や電車の内の照明を消しています。
モノレールに乗ると、トンネル内以外は、昼間は照明を消しています。
車掌が、「ご不便をお掛けします」と、車内アナウンスしますが、何の不便も不都合も有りません。
慣れた事柄が当たり前に成って、それで不便や不都合を感じる様に成った事が、多いのではないでしょうか。


2005年、スウェーデンのパッシブハウスを設計した、ハンス・エーク氏が来日し、日本の4都市(東京、長野、京都、札幌)で講演をしました。
その講演先の一つ、長野県の老舗ホテルに宿泊した時、夕食の時間になり別室に向かう際、彼は室内の照明を全部消してから出てきました。
そのさり気ない行動が、印象的でした。
スウェーデンでは、幼い時から環境に関する授業があり、環境に良い行動を取る事が、体に染み込んでいる様に思えました。


省エネ住宅を造る人達や、その建物に住む人達は、必然的に環境・省エネに関する事柄に関心を持ち、行動する様に成ります。
パッシブハウスは、快適な住環境を造り、最小のエネルギー消費でLCCO2を減らします。
更に、ランニングコストを下げ、建物の耐用年数を延ばします。
欧米諸国が、建物のパッシブハウス化を、進めている事は、正しい選択だと私は考えます。

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パッシブハウス・無暖房住宅・外断熱の今川建築設計監理事務所: 2011年10月05日|ページの 先頭へ|