無暖房住宅PROJECTでは、気密測定を2回実施しています。
2回目の仕上げ完了時では、台所にあるレンジフード換気扇の気密測定を行いました。
その結果は、サイト『気密測定2回目』にある通り、当初取り付けていた同時給排気型レンジフード換気扇では、気密不足で可動していない時でも、建物全体からの空気の漏れと同等数の空気が出入りしている結果でした。
http://imagawa-k.jp/2010/02/2_19.html
(当初取り付けていた、同時給排気型レンジフードの内部の様子)
このレンジフード換気扇の性能不良は、今回の無暖房住宅PROJECTにとっては、大きな問題でした。
折角、苦労して行った気密工事の性能が、2倍も違う結果と成る事に大変なショックを受けました。
そうした中、レンジフード換気扇メーカーの富士工業販売㈱が、室内循環式レンジフードを開発した事を知り、同社札幌支店に連絡を取り早速採用してみました。
今回の採用機種は、NSR-RK-901タイプです。
別機種ですが、下の絵で臭いを取るフィルタの構造が分かると思います。
工事の様子を順を追って載せます。
(重量が44㎏も有るため、前吊ボルト2本、背面壁付け2ヶ所の固定が必要です。)
(各部のフィルタと正面、側面パネル)
(油分解フィルタの取り付け)
(脱臭フィルタの取り付け)
(取り付け完了。正面から)
(取り付け完了。全体)
【無暖房住宅PROJECTでの循環型レンジフード換気扇のメリット】
①レンジフードから気密値を阻害する空気の出入りが無くなり、熱損失が減る。
②外部からの遮音性が増す。
③外部からの塵や埃の侵入が減る。
【メーカー推奨のフィルタの交換時期と価格、メーカーカタログから】
油分解フィルタ(マグセライド)¥33,000円 交換サイクル約12年
脱臭フィルタ(活性炭)+除塵フィルタ ¥20,000円交換サイクル約3年
交換費用(レンジフードの簡単な清掃込み ¥13,000円 3年毎
先日、エコ・トランスファー・ジャパンのノルベルト・バウマン氏と会いました。
バウマン氏の自宅の話しになり、台所レンジフード換気扇はどの様な機種を使っているのか尋ねると、循環型レンジフード換気扇である事が分かりました。
ドイツではかなり前から市場にあり、最近は一般化しているようです。
気密を重視するパッシブハウスの先進国では、建物性能を総合的に高める基盤が出来ている様です。
日本では、この富士工業販売が近々に発売する、循環型レンジフード換気扇が、パッシブハウス建設の問題箇所への解決策を出してくれた事に成りそうです。