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世論調査

2009年6月16日(火)の朝刊に、共同通信社が実施した、全国緊急電話世論調査の結果が出ていました。
内閣支持率他の内容でしたが、その中で気になった調査結果がありました。
先ごろ政府が出した、2020年までの温室交換ガス排出削減の中期目標を、2005年比15%減とする数値目標に対しどの様に考えるかの問いで、『削減幅が大きすぎる』が最も多く57.6%もの回答が有ったとの事です。
約60%の人達が、2005年比15%減の数値目標に対し、難色を示していると言うのです。
この数字には、正直驚きました。
私の考えとは、正反対の意見数だったからです。
私は、1990年比の6%減を達成した後の数値で、更に二桁位の数値を掲げて欲しいと思っていたので、大きな差が有りました。
先の意見の人達は、裏を返せば京都議定での数値目標は、約束を守らなくても良いとも聞こえます。


私は、2008年1月28日に下記の文を掲載しています。
(緊急主張掲載文)約束を破る国、日本
http://imagawa-k.jp/2008/01/post_44.html

上記サイトの記事は、削減基準年を2000年比に置き換える動きのある政府に対しての掲載でしたが、今回では2005年比に成ってしまいました。
こうした、基準年の変更は、目安数値の変更で削減率を自分達にとって有利になる計らいに他成りません。
そうした、政府や業界のトリックに惑わされているのです。


そもそも、京都議定書での約束数値1990年比6%減は、2012年の達成年度に削減は可能でしょうか?
現状では、6%+8%=14%の数値を達成しなくては成らない状況です。
それを、削減設定年を1990年から2005年にすり替え、数値を多く見せる様にしたトリックです。

私は、この60%近い回答者の方々に聞いてみたい事が有ります。
①日本は省エネ先進国だと思いますか?
②日本は温室効果ガス削減の努力をしていると思いますか?
③日本は温室効果ガス削減では最善を尽くし、現状ではこれ以上の削減が難しいと考えますか?


政府や経済界では、乾いた雑巾から水を絞り取る様な努力とか、省エネ技術が世界一だとか、これ以上の温室効果ガス削減数値を上げると国民負担が増えるとか言っていますが、本当でしょうか。

①日本は省エネ先進国だと思いますか?
に対する私の考えは、日本は省エネ先進国では有りません。
むしろ後退国です。
確かに、自動車や家電品の省エネ技術は高いレベルに有ると思います。
しかし、全ての分野にそうした省エネ技術が有るわけではありません。
特に、建築分野の省エネ技術は、遅れているのが現実です。
例えば、省エネ住宅のレベルは、世界的に見ても大変低いレベルの取り組みです。
住宅の省エネレベルの向上への取り組みには、業界も学会も積極的では有りません。
従って、民生部門のエネルギー消費量は年々増えています。
生活レベルの向上を理由にしていますが、その生活レベルに家の性能が追いついていないのです。


②日本は温室効果ガス削減の努力をしていると思いますか?
この問いに対する答えは、何の努力をしていたのか私には見えませんでした。
クールビズ、オームビズ、室温20℃キャンペーンなど、昨年まで新聞に掲載されたのは見ましたが、どれも効果的な対策には思えません。
生活に於ける、具体的な対策を示さず、小手先の事柄では効果は上るはずがありません。

ドイツを始め、EU諸国や北欧スウェーデンなどの省エネ対策は、素晴らしものが有ります。
特に建築分野では、既存建物の断熱改修に力を注いでいます。
築50年から100年近い建物を、外断熱化や高性能窓の取替えなどにより、近年の建物以上の性能のある建物に変えてしまいます。
新築建物は、年間暖房エネルギーを15KW/㎡年以下にするパッシブハウスや、更には0エネルギー住宅にして行く動きです。
最近では、プラスエネルギー住宅と言い、建物内で使用するエネルギーよりも、ソーラー給湯や発電で得られるエネルギーが多くなり、トータルプラスに成る建物までもが造られています。
ドイツやスウェーデンの住宅エネルギー基準は、どんどんレベルを上げていますし、そのレベル以上の建物に建築業界は取り組んでいます。
建物の性能表示義務、いわゆるエネルギーパス制度が導入され、国民の建物性能値への関心が高まっています。


③日本は温室効果ガス削減では最善を尽くし、現状ではこれ以上の削減が難しいと思いますか?
この問いも、①と②で分かる様に、日本の温室効果ガス削減対策の方策が手薄であり方向性も間違っています。


例えば、以下の様な方策をした場合の効果を考えてみました。

実験的に、北海道にパッシブハウスか無暖房住宅を1棟建てたとします。
パッシブハウスや無暖房住宅建物は、エネルギー損失を少なくして、その省エネ効果を発揮するだけでは有りません。
省エネな建物を利用する人達は、建物内でも節電や環境に拝領した行動を必然的に取ります。
それは、建物を利用する人達が、その効果を体験しその必要性を理解する場所に成るのです。
つまり、体験学習の効果が有るのです。
その体験学習した人達の行動や発言が、未体験の人々に伝わり、更に環境や省エネに対する必要性や方向性を理解する輪が広がります。
こうして、一つの省エネ建物が建つ事で、その建物を利用する人達から多くの効果が出ます。
パッシブハウスや無暖房住宅を、1棟建てる事での波及効果が、大きい事が分かると思います。


しかし、政府は建築物の省エネ化への関心が有りません。
建物の省エネ化には、イニシャルコストが掛かりますが、ランニングコストは大きく改善します。
エネルギーの費用対効果の試算ではなく、屋外環境への影響低減、室内環境の改善、建物耐用年数の延長、LLCO2の大幅な削減など、多くの存在メリットを計算に入れる事が忘れられています。


環境配慮向上と石油への依存度を下げる工夫が無ければ、地球上の平均気温上昇は止まりません。
そして、エネルギー危機が頻発して起こります。
それは、経済危機を引き起こす事に繋がります。
そうした原因である、現状の石油依存度を下げる事を前提に、EU諸国ではあらゆる省エネ対策を高じていて、その一つに建築分野での動きが有るのです。
日本では、建物への省エネ化方策を活用していません。
一番身近で、一番確実に成果の上る建築物の省エネ化を進める事が、温室効果ガス削減への確かな動きに成ると考えています。


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パッシブハウス・無暖房住宅・外断熱の今川建築設計監理事務所: 2009年06月21日|ページの 先頭へ|