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パッシブハウスで採用の熱交換換気装置(その1)

パッシブハウスで採用の熱交換換気装置(その1)
2009年3月5日(木)


ドイツのパッシブハウス研究所を創設した、ウォルフガング・ファイスト博士は、1991年にダルムシュダッド市に、ドイツ初のパッシブハウスを建設しました。
そのドイツ初のパッシブハウスには、REC INDOVENT社の前身である、Temovex社の熱交換換気装置が取り付けられています。
当時、熱交換換気装置への関心も認識も薄く、製造する会社も殆ど有りませんでした。
そうした時代からREC INDOVENT社は、一環した熱交換部への拘りを貫き、現在ではその性能、品質の安定、熱交換率の高さから、スウェーデン国のパッシブハウスでの熱交換換気装置シェアーは90%を超え、更にヨーロッパ各国のパッシブハウスに採用される様に成っています。
スウェーデンREC INDOVENT社の、熱交換換気装置に付いてのレクチュア内容を掲載します。


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REC社の会議室内で、換気の目的などに付いてレクチュアする、ヨーラン社長と通訳する友子・ハンソンさん。


(1)
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REC INDOVENT社。


(2)
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REC INDOVENT社の歴史に付いて。
1954年から換気関係の仕事をしてきました。
30年まえから、AHU(エアーハンドユニット)を造っています。
パッシブハウス用の換気装置は、18年前から供給しています。
ドイツ、ダルムシュタッドにある、世界初のパッシブハウスには、当社の熱交換換気装置が今も動いています。
スウェーデンのパッシブハウスでの、REC熱交換換気装置シェアーは90%です。


(3)
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この表は、人が生きる為に必要な物の割合です。
人は、1日に1㎏の食べ物を食べて生きています。
人は、1日に3㎏の水を飲んで生きています。
人は、1日に30㎏、約25000Lの空気を吸って生きています。
重さでの比率は、88%を空気摂取量が占めます。
食べ物にも、飲み物にも高いお金を払っているが、一番多く体内に入れている空気に対しては、お金を掛けていません。


(4)
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この表は、人はどんな所で空気を吸っているかを示したものです。
多い方から見ると、16000L(63%)の空気を自宅で吸っています。
その次に、7000L(29%)を、仕事場や学校、その他色々な出先の建物内で吸っています。
一番少ないのは、屋外です。
新鮮で大量な空気が存在する屋外では、2000L(8%)の空気しか吸っていないのです。

この表が何を示すのか、一番少ない屋外の空気は、新鮮でクリーンな空気と言えます。
二番目に少ない、各施設内の空気は、空調設備が有るフィルターを通した比較的クリーンな空気と言えます。
しかし、一番多い自宅の空気は、限定された屋外からの空気出入り口から、簡単なフィルターを通って、室内に限定された箇所か限定された量の供給が行われています。
また、室内に居る人から出た二酸化炭素や、建材から出る化学物質などを、限定された量だけ排出しています。
つまり、一番多く体内に取り入れている空気は、一番悪い条件の空気と言えるのです。
適正な濃度の、新鮮な空気を供給する仕組みが、現状の建物には装備されていないと言えます。
そして、室内で快適に過ごせる温度にした空気を、そのまま屋外に排出しているのです。


(5)
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高気密な住いに、何が必要かを考えなくては成りません。
現状の住いは、どんどん高気密化される傾向に有ります。
それは、省エネ上からも高気密化の必要性が有るからです。
高気密化しなければ、建物を快適な室温状態に保つ事は出来ません。


(6)
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完成された住いには、換気設備が不可欠です。
高気密化された建物には、計画された換気ルートを確保する事が必要です。
それは、計画的に限定された大きさの換気ルートから、適正な空気の出入りを行うシステムです。
しかも、室内で快適な温度にされた空気が排気される際に、熱だけ受け継ぐ仕組みを持つ熱交換換気システムが最良です。
熱交換換気システムは、入居している人のとって良いのは勿論の事、建物にとっても良い事に成ります。
つまり、家の素材にとっても、腐食や劣化に対しそれらを遅らせたり無くしたりする働きをしますから、家の価値を高める事に成ります。


(7)
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換気装置は、家から出る色々な問題を解決する役目をしています。
家の中から出る臭いを無くします。
二酸化炭素を外に出します。
家具などから出る、VOCや有毒な室内汚染物質を排出します。
湿気を排出する事で、カビなどの発生を防ぎます。
余分な熱を排出したりもします。


(8)
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この絵は、換気システムのいろいろです。
左上の絵は、自然排気、自然吸気のシステムです。
昔はこの様な換気システムで換気を行っていました。
しかし、このシステムでは、屋外の風の強さで換気量が変ったり、屋外の気温がそのまま室内に反映する事に成り、快適な室内環境を維持出来ない、省エネな住いに相応しい換気システムでは有りません。
右上の絵は、機械で強制排気し、窓のスリットや壁を貫通させた吸気口から、室内に屋外空気を供給する換気システムです。
この場合も、機械で排気する量を、スリットや貫通口から空気を取り入れる為、取り入れ口のフィルターが重要に成ります。
また、吸気量は屋外の風の強さで変化するため、吸気量管理が出来ません。
その上、吸気される空気は、屋外の温度そのままで室内に入ってくるため、室内温度への影響が大変大きく成ります。
下の絵は、機械により入排気するシステムです。
しかも、入排気する際熱を交換して、室内に入る空気を適正な温度にして、供給するシステムです。
高性能なフィルターを付ける事で、室内に供給される空気はクリーンな状態で供給されます。


(9)
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この換気システムは、日本で多く採用されていると聞きます。
機械で排気し、吸気は窓のスリットや壁の貫通部から供給する仕組みです。
このシステムは、スウェーデンでも多く使われていて、現在も主流です。
しかし、今後の住いが省エネやパッシブハウス化する事を考えると、このシステムでは室内温度を快適な状態に保つ事は出来ません。
屋外の温度のまま、外気が室内に入ってくるのですから、冬の室内温度管理が出来ません。
また、適正な量の空気が出入りするシステムとは言えない方式です。


(10)
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一方こちらの、熱交換装置を採用した換気システムでは、外気導入と室内汚染空気をと入れ替え時に、熱だけを熱交換部で受け継ぎます。
この様な装置を取り付けると、室内の温度管理が出来ます。
また、外気が入る際、高性能なフィルターを通る為に、各室に供給される新鮮空気は大変クリーンな空気と成ります。
外部の風や温度に影響を受けない、健康的な住い造りの典型と言えます。


パッシブハウスで採用の熱交換換気装置(その2)に続く。


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