パッシブハウス5つのポイント(その2)
①床、壁、屋根断熱のU値(熱貫流率)を、0.15w/㎡・k以下にする。
床、壁、屋根断熱の、U値が0.15w/㎡・k以下とは、どの位の性能を言うのでしょうか。
日本の省エネ基準、次世代省エネ基準I地区(北海道)では、屋根(天井)で0.17w/㎡・k、壁で0.35w/㎡・k、床で0.24w/㎡・k(最上値で)です。
パッシブハウスの0.15w/㎡・k以下と、次世代省エネ基準I地区(北海道)を比較してみると、屋根で1.12倍、壁で2.3倍、床で1.6倍と成り、パッシブハウス基準よりも各部性能が劣る事に成ります。
次世代省エネ基準I地区(北海道)をクリアーするU値で断熱厚さを算出すると、屋根断熱厚さは約260㎜、壁断熱厚さは130~140㎜、床断熱厚さは、150~160㎜必要です。
それを、パッシブハウス基準にするには、屋根断熱260×1.12=290㎜、壁断熱140×322㎜、床断熱160×1.6=260㎜に増厚する必要が有ります。
パッシブハウスにする為には、断熱材の性能やどの様に断熱層を形成するか、この他の4ポイントとの関連などが有りますが、単純に考えると、床、壁、屋根の断熱材厚さは、300㎜以上必要と言えます。
屋根の断熱厚さが、もう少し必要と考えますが、取り合えずU値0.15w/㎡・k以下にする事を考えると、その様な断熱厚さに成ります。
下の絵は、ドイツのパッシブハウス関連サイトに有ったものです。
ご覧の様に、左半分はノーマルな家を表した、床、壁、屋根のU値は0.15w/㎡・k以上数値です。
ノーマルな住いから、省エネなパッシブハウスにするには、床、壁、屋根の各部のU値が、0.15w/㎡・k以下にする事から始まる事をここでも表現しています。
U値0.15w/㎡・k以下を簡単に見る事が出来ないのか調べてみると、スウェーデンの断熱材メーカーのカタログには、床、壁、天井、屋根各部の断熱厚さとU値が載っていました。
(壁の断熱厚さ(㎜)とU値の表示例)
(天井断熱の厚さとU値の表示例)
また、パッシブハウス用に、断熱厚さを表示した掲載も有りました。
(パッシブハウス用壁断熱厚さ例、U値0.09w/㎡・k)
(パッシブハウス用屋根断熱厚さ例、U値0.07w/㎡・k)
この様な、簡単に性能が分かるカタログ記載は、日本メーカーには有りません。
床、壁、屋根断熱のU値性能は、断熱材の多層化により、その効果を上げます。
パッシブハウスのU値0.15w/㎡・k以下は、今後の断熱基準としての目安になると考えます。
次回、②熱橋(ヒートブリッジ)部分のψ値を0.01w/m・k以下にする事に続く。
http://imagawa-k.jp/2009/04/001.html