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窓の重要性

省エネ建物には、高性能な窓が不可欠です。
窓からの熱損失量は大変大きく、窓の性能確保は建物を省エネ化する上では、重要ポイントとなります。


スウェーデンの無暖房住宅でも、熱貫流率U=0.8W/㎡Kクラスの木製窓が使われています。

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しかし、日本の市場には、U=1.0W/㎡Kの性能を越える高性能な窓が市販されていません。
最近、日本のPVCサッシメーカーから、K=1.23W/㎡Kの窓が販売されました。
窓ガラス3層(LE3+9+3+9+LE3)とPVC枠の構成から、枠を含む窓全体の性能値が、K=1.23W/㎡Kであれば、そこそこの数値ですが、メーカー公表には詳細が無く分かりません。
近々に使用する予定ですので、性能を見てみたいと考えています。


日本国内の木製窓メーカーの製品は、スウェーデンなどの窓から見ると、熱性能や気密性能を比べるとまだまだ性能が低い状態です。
何故、もっと窓を重視しないのか、理解に苦しみます。


前にも述べていますが、日本は、ペアガラスの普及率が大変低い状況が有ります。
電車の窓も、ショウウインドウの窓も、レストランの窓も単板ガラスです。
窓際に座ると、日差しの強い日は熱を感じ、寒い日には冷気を感じ共に不快な状態に成ります。
この様な建物が大方を占める日本の建物は、省エネには程遠く、パワーエネルギーにより、建物内の快適性を保持しているのが現状なのです。
こうした窓を、ペアガラスに取り替えると、省エネ化が格段に進むと考えます。


窓の性能に付いて話を戻します。
無暖房住宅の窓は、先程話した通りU=0.8W/㎡Kの性能です。
しかし、420㎜の高断熱な壁のU=0.08W/㎡Kと比べると、窓は壁の10倍性能が劣る事に成ります。
日本国内の一般的な住宅でも、窓と壁の熱損失比は、この比率に近く、窓は壁の10倍~15倍程度、熱を逃がしています。


こうした窓の問題解決の為、省エネ住宅やパッシブハウス用に、ノルウェー製の窓では、熱貫流率U=0.7W/㎡kの窓まで、海外市場には出ています。

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この窓枠(木製)には、木材間にポリウレタンを挟んで、窓枠からの熱橋を防ぐ手立てをしています。
現在では、窓はガラスの性能よりも、窓枠からの熱橋対策が必要な事が常識と成っています。
しかし、日本のPVCサッシは、PVC枠の中は空洞で、その空洞の仕切り数を多くする事が枠性能を上げる手立てだと考えています。

海外のPVCメーカーでは、枠の熱橋を防ぐ為には、仕切りだけでは不足であると結論付け、枠内にポリウレタンを封入する処置を取っています。


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PVC枠にポリウレタンを封入した断面。


この様に、窓枠からの熱橋対策を取った窓は飛躍的に性能が上がります。


窓は熱を逃がし易い部位であると同時に、気密の劣る場所でも有ります。
壁や屋根の気密を幾ら上げても、窓などの開口部で気密が劣ると熱が逃げる場所に成ります。
工事現場で気密試験を行うと、日本製のPVCサッシの気密性能が劣る事が良く分かります。
特に、ハンドルの付根や開閉部の気密ゴムの性能が悪い事が分かります。
幾ら、壁、屋根、床の気密を考えも、建具の気密が悪いとその意味が有りません。
しかも、建具の気密は将来的にも、その性能値は下がっても、良くなる事は無いのですから、メーカーは
改善の処置を講ずるべきです。


以上の様に、窓は建築物にとって、機能上からも性能上からも大変重要な部位である事が分かります。
こうした、重要な部位の窓に対する日本の製品は、海外製品から比べると大変脆弱です。
雨水の進入を防ぐ事は最低限度の機能で、その他の機能と性能面では、余り良い製品が無いのが現状です。


特に、寒冷地用の窓は国内製品では、PVCサッシが主流ですが、ペアガラスとPVC枠の性能では、寒冷地用には役不足です。
しかし、市場にはこの位の製品しかなく、輸入の木製サッシではPVCサッシの3~4倍の価格差が有ります。
省エネ住宅を造るには、日本の住宅機器市場は余りにもその手立てが揃わない状況である事を認識して取組む必要があるのです。


こうした中、ノルウェー製の高性能窓(U=0.7W/㎡K)が輸入可能に成りました。
札幌市内のビール輸入会社が、ビールと混載で、ノルウェーから輸入する手立てが出来たのです。
しかも、ノルウェー国内の工務店価格である上に、混載コンテナーを利用する事で、大きなコストダウンが可能と成ったのです。
数量や輸入時期の制約が有りますが、高性能な住宅には無くては成らない高性能窓が、入手可能に成った事は大きな前進です。


ノルウェーの窓に付いて詳しくは、下記をご覧下さい。

http://imagawa-k.jp/2008/09/post_62.html

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パッシブハウス・無暖房住宅・外断熱の今川建築設計監理事務所: 2008年09月23日|ページの 先頭へ|