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1.地球温暖と省エネに対するEU諸国の試み

皆さんは、暖房の要らない住宅が有る事をご存知ですか?
究極のパッシブハウスには、暖房設備が有りません。


太陽熱を室内に取り込み、室内から発生する熱源(家電製品、人体発熱等)を、暖房エネルギーとする住宅が、無暖房住宅です。

このカテゴリーでは、スウェーデンの無暖房住宅から得た事柄や、インターネットサイトからの情報を基に、『無暖房住宅から見える北海道住宅』を考えてみます。


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私は、2003年、05、06年の3回に亘り、スウェーデンの無暖房住宅を視察しました。
無暖房住宅の視察は、その性能に対する驚きと同時に感動を覚えるものでした。
そして、北海道住宅の現状を考えると、その大きな差の克服が急務だと思いました。


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上の写真が小さいと思いますので、下に記載します。


報告内容目次


1.地球温暖化と省エネに対するEU諸国の試み
      (エネルギーパス・窓の性能表示・性能基準公表)
2.EU諸国のパッシブハウス
3.熱移動と、スウェーデン・ドイツの建築物理学
4.スウェーデンの住宅と日本の住宅の現状(何が違うか)
5.スウェーデンの無暖房住宅
6.リンドース団地の無暖房住宅(2003年視察)
7.スウェーデンの無暖房住宅の性能設計ポイント
8.ノルマン団地の自己暖房住宅(2006年視察)
9.オックストリエットの無暖房住宅(2006年視察)
10.White設計の無暖房住宅(2006年視察)
11.アーリングソースの団地再生
12.スウェーデン無暖房住宅から見た住宅造りのポイント
13.北海道の住宅に措ける課題
14.課題その1-窓の例
15.次回への問題提起


今回は、1の題、『地球温暖と省エネに対するEU諸国の試み』を記載します。


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この写真は、環境や温暖化問題の講演で、よく使われるものです。
地球全体の夜間に措ける、エネルギー使用の状態です。
エネルギーの使われ方が、如何に偏っているかが分かります。


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こうした、背景の中、温暖化対策に積極的な、EU諸国の現状から見ていきます。


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この表は、温室効果ガスの増加と、地球の平均気温を現したものです。
表は、アイスホッケーのスティックに表現される様に、右側で大きく上昇しています。
その上昇は、1900年頃からで、この100年間での上昇が激しい事が分かります。
また、今後の予想推移を見ると、地球の平均気温の歯止め無しに、地球に住む我々にとって、深刻な問題になる惧れが充分に読み取れます。

アメリカの前副大統領である、アル・ゴア氏がプロデュースした『不都合な真実』の映画を、ご覧に成られた方々も大変多いと思います。
この映画は、大変ショッキングで、その脅威が差し迫っている事がよく分かるものでした。


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この地図は、京都議定書に批准している国と、そうでない国を色分けしているものです。
赤色の、アメリカとオーストラリアは、未批准です。
特に、温室効果ガスの排出量が世界一のアメリカが批准していない事と、温室効果ガスの問題を題材にした『不都合な真実』のプロデュースが、アメリカの前副大統領アル・ゴア氏であるチグハグさは、問題の大きさと難しさを象徴している感じがします。


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そした中でEU諸国は、2007年3月9日、二酸化炭素の排出量を2020年までに1990年比20%減を公約宣言しました。
また、イギリスは2007年3月13日に、二酸化炭素の排出量を2050年までに1990年比60%減を宣言しています。
こうしたEU諸国の自信と裏付けは、どこからくるのでしょうか?


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その一端が、この『エネルギーパス』の導入です。
『エネルギーパス』は、2006年1月にEU諸国で実施されました。
この『エネルギーパス』は、新築、改築、既存の建物に対し、その年間使用エネルギー量をシールにより掲載する事を義務化したものです。

これにより、新築購入者や賃貸の入居者は、その建物が年間どの位エネルギーを使用するか、自分の建物が他の建物と比べるとどの位の性能なのかが、一目で分かる様に成ったのです。

また、『エネルギーパス』には、どの様に改修したらどの位の性能まで改善されるのかと言った、将来に向けた記載まで有ります。


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また、スウェーデンでは、窓製造メーカーが張る性能シールも有ります。
窓の性能表示で、使用する窓の性能が一目で分かる仕組みです。

因みに、A~Gまである性能ランクの内、日本の次世代省エネ基準に措ける北海道Ⅰ地区での窓性能基準である1.51W/㎡Kは、記載のある最低のGランクに該当します。

北海道住宅で、一般的に普及している窓は、更に低い数値で2.3W/㎡K程度の性能です。
如何に、北海道の窓基準が低いのかが分かります。


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スウェーデンの、窓の性能検査結果を載せた、雑誌のコピーです。

スウェーデンでは公的監査機関が、メーカーの掲げている性能値が正しいのか、検査した結果を消費者に公表しています。


以上の様に、EU諸国では省エネルギーに対する取り組みを、積極的に行っています。
この他にも、EU諸国では凄い取り組みを行っています。


次回は2の題、『EU諸国のパッシブハウス』を記します。

http://imagawa-k.jp/2007/10/post_30.html

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パッシブハウス・無暖房住宅・外断熱の今川建築設計監理事務所: 2007年09月30日|ページの 先頭へ|