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温暖化対策と建築技術

先日、設計監理中の、高性能住宅工事関係者を対象とした、設計ポイントと工事要点に付いて、講習会を行いました。

講習内容は、本設計の重要事項である断熱・気密に付いての施工ポイントを中心に、スウェーデンの無暖房住宅を手本にした最新の技術説明です。

さらに、カナダの高性能住宅R-2000の教本も加え、より具体化したものです。

説明を進める中で、北海道の建築と次世代省エネルギー基準との関連や、将来に向けた地場工務店とその協力業者はどの様に考えるべきかなど、建築業界全体の話に成りました。


その中で、地球温暖化と建築技術に関する説明をしました。

京都議定書COP-3の締結から実施を来年に迎える今年2007年8月に、政府関係機関から目標排出規制数値の達成が、困難である事が発表されました。

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これが、事実ならば大変遺憾な事で、自国開催の京都会議を無にする事に成り、如いては日本が世界に発した公約に対し、違反をした事を意味します。

この意味は大きく、日本一国の公約違反では無く、温室効果ガス問題に対する、先進国への連鎖的『ギブアップ』に成るおそれも有ります。

では、何故、日本は『ギブアップ』に至ったのでしょうか?

1997年の京都議定書締結から今年2007年まで、政府は何をして来たのでしょか。
私の目には、今までに効果的な対策や方策は、少しも見えませんでした。
前総理や現総理が、子供達と手を継ぎ、クールビズ、ウォームビズの宣伝広告を新聞で見た記憶しか有りません。


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こんな事で目標値をクリアー出来ると考えていたのでしょうか。
対策や方策に、大変疑問を感じます。


こうした日本を他所に、EU諸国は京都議定書の数値目標をクリアーして、更に高い目標値公約を発表しています。

2007年6月の、ハイリンゲンダムサミットの際にも、ドイツのメルケル首相は、アメリカ、カナダ、ロシア、日本に対し、その実効性を前面に出し、会議を主導しました。

このEU諸国の自信と裏付けは、何処から来ているのでしょうか。

その一つに、建築技術が大きなポイントと成っているのです。

先に、『無暖房住宅』の記事を載せていますが、民生部門に措ける建築物の省エネ技術は、EU諸国が突出している事実が有ります。


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http://imagawak.jp/2006/08/nonheat1.a.html

石油依存からの脱却は、エネルギー輸入国であれば、どこの国でも考える事です。

それは、現実的に難しく困難とも思える事です。

しかし、そうしないと石油枯渇は何れ訪れる事であり、逃れる事が出来ない事です。

そうした現実を、真っ向から受けて起っているのが、EU諸国なのです。
彼らの考えは、『少ないエネルギーを有効に、長く使用する』が基本です。
そして、その間に代替えエネルギーへの転換を図るのです。

EU加盟国である、スウェーデンだけで2007年現在、400戸の無暖房住宅が建てられています。
そして、2008年には、700戸に増加する予定です。

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EU加盟国全体での、建設戸数は分かりませんが、ドイツ、ベルギー、オーストリア、ノルウエー他の国の、ウェブ上でのPassive Houseサイトは沢山有り、無暖房住宅が推進されている事が分かります。

彼らは、現在の技術で無暖房住宅が、充分建築可能な事実を知り、それを実行させているのです。

この無暖房住宅が出来るまでには、技術的な試行錯誤があったと思いますが、人間が住む器に対し真剣に取組んできた、EU諸国の対応が有ったから実現出来た事だと考えます。

特に、ドイツと北欧諸国の先導で、その波及効果がEU諸国の建築技術財産と成り、開花した結果が世界に対し、温室効果ガス削減目標のレベルアップを宣言出来る事と成ったのです。


然るに、日本は具体的な対策方法も示さず、小手先の対応しかしませんでした。

建築分野で考えても、私達建築関係者には、具体的な対策も方策も示されませんでした。

そして、民生部門での温室効果ガス増加が、目標値達成の障害に成っている事実から、住宅やオフイスビルの省エネ化の遅れは明らかです。

無策の日々は、結局『ギブアップ』の結果に成りました。

現在の、住宅性能基準であ次世代省エネ基準は、法的拘束力の無い単なる目標数値です。

その次世代省エネ基準よりも、数段高い省エネ数値を掲げ、更に法律的な拘束力を持って取組んでいるEU諸国では、その結果の違いは見えていました。

その動きで特記すべきは、2006年1月4日からEU加盟国で始まった『エネルギーパス』と言う、建物性能表示制度です。

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『エネルギーパス』制度は、新築、中古建物を問わず、その建物の性能(エネルギー性能)をシール表示し、公開する制度です。

これにより、その建物の持ち主を始め、入居者や購入者はその建物の性能レベルを事前に知る事と成ります。

シールには、その建物をどの様に改修すれば、どの位性能向上が図れるかも記載されています。


窓やドアなどの機器類にも性能表示があり、消費者は購入品の正しい性能が分かり、その選択が出来ます。

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更に、建物の性能を上げる研究機関の活用などを通し、建物の問題発生を事前に回避出来る体制も、進んでいます。

結果、無暖房住宅が早期に実用化し、建物の真のPassive化が進められる建築技術が出来上がったのです。

こうした事で、EU諸国からは、どんどん引き離されるばかりです。

この現実は、日本国民に取って有利な事ではないと思います。

日本はエネルギー生産国ではなく、輸入大国である事を再認識すれば、どの様な行動を取ればよいかは、理解出来る事だと思うのですが?

皆さんは、どの様に考えますか?

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パッシブハウス・無暖房住宅・外断熱の今川建築設計監理事務所: 2007年08月31日|ページの 先頭へ|