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無暖房住宅視察2006年連鎖する無暖房住宅(1)

連鎖する無暖房住宅(1)


現在、スウェーデンでは、各地に無暖房住宅が建ち始めています。
2001年、ヨーテボリ市のリンドース団地に、無暖房住宅第一号が完成しました。
別ページで紹介している、ハンス・エーク氏が設計した建物です。
http://imagawa-k.jp/2006/08/nonheat1.html(無暖房住宅とは)


それから5年が経過し、各方面でその成果を踏まえた、新たなプロジェクトが興されていました。
2006年3月のスウェーデン視察で、その現状を見る事が出来ました。


まず最初に紹介するのは、ヨーテボリ市から南へ300㎞程下った港町、ヘルシンボリ市に近いランツクローナー市に建つ市営住宅です。
市営の賃貸住宅が、無暖房住宅として建てられていました。


この無暖房団地の、設計者バーナー・ストローク氏は、これらの建物を自己暖房住宅(セルフヒーテイングハウス)と呼び、その自己暖房タウンハウス住宅の一軒に、私達を案内してくれました。
新しい言葉、『自己暖房住宅』を、私は始めて聞きました。


ランツクローナー市の、ノーラン団地に建つ、自己暖房住宅(無暖房住宅)です。
平屋と2階建ての、2タイプがあります。
この団地には、2件、3件、4件式11棟の連棟タイプの、自己暖房住宅(無暖房住宅)が建っています。

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訪問した、平屋建て連棟タイプの、自己暖房住宅(無暖房住宅)のです。

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訪問したお宅は、3連戸中央のお宅でした。

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バルコニー側(南面)の写真です。

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窓周りです。
外壁は、断熱材に塗り仕上げ塗装の、湿式断熱工法でした。
(風除室横の寝室の窓)

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玄関側の庇です。
日除けを兼ねて、深い庇寸法です。
奥に見えるのは、風除室側面です。

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バルコニー側の庇です。
こちらも、深い庇です。

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室内を、見学させて頂きました。
リンドースの、無暖房住宅と同じく、風除室が有ります。

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通常は1枚のドアが、2枚のドアを介して、室内に入る事に成ります。
風除室の、ガラスはトリプルガラスでした。


室内側から見た、玄関ドアです。
スウェーデンの、一般的住宅には、このドアが1枚のみです。

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自己暖房住宅では、熱の流失を防ぐ、徹底した手立てが必要です。
高性能なドアを、2枚にする風除室は、無暖房住宅には不可欠の様です。
ドア横の温度計は、入った時室温21℃を、示していました。


訪問宅のご主人です。
奥様と2暮らしです。

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奥様は、写真に撮られるのが、嫌と言われたため、映像は有りません。
右の2人は、熱交換換気扇メーカーの方です。
換気装置の、感想を聞いています。


自己暖房住宅の、名付け親、設計者のバーナー・ストロークさんです。
現地で、設計上のポイント、特に熱交換換気扇に付いて、説明を頂きました。

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バーナー氏は、『今は室温21℃ですが、これだけ大勢の人がいると、間もなく1~2℃室温は、上がるでしょう』と話しました。


食堂側から見た、居間の様子。
平屋勾配屋根の、傾斜で天井を造り、天井高さを確保して広がりを見せている。

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このお宅は、平屋の小さいタイプで、述べ床61.6㎡です。
居間の他、食堂、台所、寝室が1つ、洗面+トイレ+UTの1室、物置(熱交換換気扇があるスペース)です。
無暖房住宅では、室内気積が大きなポントと成ります。
暖房気積が大きいと、当然その必要熱量が増えます。
室内気積を、不必要に取らない、住空間設計が必要なのです。


食堂スペースです。
居間と台所の間にある、4帖位の広さです。

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台所です。
4帖間位の、スペースでした。

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換気装置です。
物置兼用の、細長いスペースに有りました。

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小さなお宅には、大きく見える熱交換換気扇です。
フルオートの為、熱交換換気扇には鍵が掛けられ、居住者が勝手に制御を変えない様に、管理されていました。


熱交換換気扇からの配管です。
換気ルートを、管に表記しています。

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換気は、1~2シーズンを見て調整する事が、有効な効率に繋がると、設計者のバーナー氏が話していました。


この窓は、トリプルガラスで、U=1.0W/㎡Kの性能です。

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ご主人が、いろいろ答えてくれました。

以下、ご主人の無暖房住宅入居の感想です。


玄関ドアが、二重に成っているのが重要だ。
10分もたっと、室温が22℃になるだろう。(現在21℃です)
今年は、大変寒い年でした。
しかし、この家にいると、それを感じ無かった。


近くの、持ち家に住んでいたが、年金生活者の65歳になり、小さな家を探していた。
住宅の性能については、リンドース団地の無暖房住宅を見て、同じ性能なら良いと思い、申し込んだ。
家が、近くだったので建設中よく見に来た。
この団地建設には、1年半もかかった。


燃料を買う必要が無く、夏も涼しかった。
熱交換換気装置を使っているが、花が長持ちして丁度良い気温と湿度だ。
借家で家賃を払っているが、家に問題が出ると電話1つで修理してくれるので、持ち家より良い。


この団地は、給湯や電気の料金が、個別料金で使用した分だけの、支払いなので節約出来る。
(スウェーデンは、集中料金制で一律料金が多い)
『寒い時は、近所の人を呼び、熱源にしているよ』と、最後は冗談まで飛び出した。


スウェーデンでは、無暖房住宅(自己暖房住宅)が、あちこちで建てられています。
そして驚いた事は、その設計やプロジェクトが、いろいろな人達の手により行われている事です。
それは、無暖房住宅(自己暖房住宅)は、スウェーデンにおいては、もう特別な建物では無いとも言えます。


私には、スウェーデンで、何処にでも、誰にでも、無暖房住宅(自己暖房住宅)が建設可能な建物に成っている事が、大きな驚きでした。
そして、スウェーデンを訪問すると、日本との差を何時も感じるのです。


次回は、連鎖を呼ぶ無暖房住宅(その2)
        自己暖房住宅の設計者です。

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パッシブハウス・無暖房住宅・外断熱の今川建築設計監理事務所: 2007年01月01日|ページの 先頭へ|