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基礎コンクリートの手抜き

住宅建設に良い季節があるのをご存じですか。

春から秋にかけての、適度な温度のある時期なんです。
でも、そんな時期の短い北海道では、住宅建設の施工時期を真剣に考える必要があります。

特に基礎工事は、外気温が低いといろいろ問題が出ます。

注意が必要なのは、基礎工事のコンクリート材です。
いわゆる生コンクリートですが、水とセメントと砂利と砂を混ぜるのですが、水分を含むために気温が低いと凍害する事が有ります。

その為、地域により寒中コンクリートと呼ばれる期間が決められています。
札幌市の場合は、毎年11月1日~翌年3月20日に成っています。
この期間のコンクリート施工は、特別な養生等が必要です。

コンクリートは、圧縮強度が5.0N/mm2以上になって、凍結融解に耐えられるようになります。
この強度に達する前に、コンクリートの温度が0℃以下になると、初期凍害を受ける可能性がでてきます。 


寒い時期の10月末~3月下旬頃に掛けて基礎工事を行っている現場を見かけます。
その時期に基礎工事を行うには、コンクリートを凍らせない養生が必要に成ります。
養生方法には、基礎工事エリアをシートで覆う方法と更にそのシート内を暖め5℃以下に成らない対策が必要です。
初期養生と呼ばれるこの対策は大変重要です。
5℃以上の温を3日以上保ち、そのシート内に置いていたコンクリート供試体を、生コンクリート工場での試験結果で、圧縮強度が5.0N/mm2以上を確認する必要が有ります。
さらに、基礎型枠の解体には、養生内温度が5℃以上で、通常5日間以上の養生期間が必要です。


しかし、相した施工や養生を行わない現場が多いのが現状です。
そうした手抜き工事例を幾つか紹介します。

【事例-1】
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上の写真は、手稲区のある現場写真です。
撮影日は、ある年の11月29日で積雪のある寒い日でした。
基礎コンクリートは施工された直後で、シートを掛けた養生のみでした。
シートも風で剥がれ、ほどんどの基礎部は寒風にさらされていました。
養生とは名ばかりで、コンクリートは0℃以下の状態です。
コンクリート表面は氷ついていました。

【事例-2】
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この現場は、ある年の1月16日の基礎工事中の写真です。
基礎コンクリートは施工済み(1週間前の施工)で、基礎の埋戻し作業前の様でした。
基礎コンクリート作業中も、シートで覆っていましたが、コンクリートが5℃以上に保たれる様な養生では有りませんでした。
その後の工事でも、基礎の内外は雪で埋もれ、土工事を行う様な状況ではありません。
雪混じりの施工では、安定した状態にはならず、沈下部が出たり、決して綺麗な作業には成りません。
建て主様が、床下を見る事は無く、一生その状態は分からないでしょう。

【事例-3】

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この写真は、2019年2月8日のある現場の基礎コンクリート施工です。
この現場は冬施工をしていたので、気になっていたいました。
『寒い中で大変だろうな』
しかし、さすがに驚きでした。
2月8日当日は、最大級の寒波で、テレビでは注意を呼び掛けている程の気候でした。
しかし、シートを被せただけの養生で、一部は風で剥がされている状態でした。
コンクリートは大丈夫なのか、心配になりました。
なにも、今日の様な寒い日に、コンクリート施工を行う必要は無いと思うのですが。
余りのも無神経すぎると言うか、重大な手抜き工事です。


コンクリートは低温の影響を受け、強度が低下した状態で固まります。
基礎コンクリートには設計上指定された強度が有りますが、そのままでは、その強度が出る事は有りません。
つまり、寒い時期の基礎工事は、大きな手抜き工事に成る恐れがあるのです。


日本建築学会の寒中コンクリート施工指針には、以下の文面が有ります。
『もし初期材齢で凍結すると、強度低下、その強度の増加不能、透水性の増大、耐久性の損失など、コンクリートに重大な結果を生ずることが多い。
特に、凝結中の凍結は重大な被害を受けるから、打ち込んだ第一日目の凍結を起こさないように、
養生しなければならない。』


寒中コンクリートの施工には、多くの対策が必要であり、その結果コストを掛けなければ成りません。
そのコストは、建て主様が出費する話になるので、中々納得できない状況に成るでしょう。
従って、造る側は寒中コンクリート施工は、ある程度の養生とコンクリートの製造時は、温水を使いますとか、生コンクリート内に、耐寒剤を入れる方策も有りますとか言葉巧みに説明するでしょう。

しかし、その様な方策も完璧では無く、一長一短が有り、後戻りの出来ないコンクリート工事では、不完全な対策です。


どうしても、寒中施工の場合は、私は生コンクリートの設計強度を増す温度補正強度とシート囲い養生、さらに採暖方式で対応しています。


当社の現場では以下の様にして、冬季施工を行っています。

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撮影日は、11月13日です。
寒中コンクリートの期間ですので、その対策を事前に行っています。
現場試験と、工場試験の供試体を採取し初期強度の確認を行う準備です。
供試体は、基礎の近くに置き、基礎と同じ状態で強度を確認します。

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写真は、基礎内部の土間コンクリートの養生です。
この現場は、1階床下全面が土間コンクリートの為、出来上がった基礎に、シートで囲い採暖し防寒対策しました。
基礎の養生は、基礎内外に断熱材50mmと100㎜を打ち込んだ為、外周からの寒さは防げました。
基礎上部をシートで覆い、基礎内部には熱源を各間に入れて、採暖し内部が5℃を下回ない様に、
夜間も巡回して確認します。
これを、3日間以上続けます。
3日目に供試体を生コン工場で試験を行い、5.0N/mm2以上の強度確認して、土間コンの表面が乾いてから、養生を撤去し次の作業を進めるています。

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パッシブハウス・無暖房住宅・外断熱の今川建築設計監理事務所: 2020年01月07日|ページの 先頭へ|