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捨てコンクリートの手抜き

捨てコンクリートの手抜きとは、工種自体を行わない事です。
本来行うべき工種を中止して、コストダウンだと言っている設計や工務店が沢山います。
本当に行わなくて良い工種なのでしょうか。


名前は捨てコンクリートですが、実は大変重要な役目をする工種です。
でも、土の下になり、永久に見る事が出来ない部材のため疎かにされたり、コストダウンの触れ込みで、捨てコンクリート工事を省く新築工事が多いのです。


捨てコンクリートを行わない事が、何故問題なのかを述べます。


捨てコンクリートの役目は以下の様になります。


①基礎の位置を正確にマーキング(墨出し)して、鉄筋や型枠の位置を分かりやすくします。
②鉄筋の位置を正しく保つスペーサー(サイコロ型)が下にめり込ませないで、鉄筋の位置を正しく 保ち、コンクリート中に有る、鉄筋を錆びさせない、かぶり厚さを確保する役目をします。
③基礎型枠を固定する役目をします。
④基礎工事中に雨が降っても基礎内に入るゴミや土を清掃しやすい状況をつくります。
⑤基礎コンクリート施工の際、基礎下にコンクリートが行きわたりやすい役目をします。
⑥更に、捨てコンクリートを行わない場合は、砕石の上に直接施工されたコンクリートは水分を砕石側に奪われ、コンクリートの品質に影響する水とセメントの比率を変えてしまう為、基礎の強度低下をまねきます。


以上の様に、捨てコンクリートは、建物を支える基礎工事に於いて、大変重要な役割をしています。
捨てコンクリートのネーミングから、工事でもその存在が薄い工種で、捨てコンクリートを重要視しない、設計者や工事店、そして業者が多いのが現状です。

しかし、上記の様に捨てコンクリートが有る無しで、建物を支える基礎に大きな影響を与えるのです。

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(1)上の写真は、ある工事現場です。
この現場では、鉄筋と砕石の間に有るはずの、捨てコンクリートが有りません。
鉄筋組立は完了していますが、鉄筋の下は砕石しか有りません。
この様な作業方法では、鉄筋の組立ては、遣り方から糸を張り、鉄筋の位置を確認しながら行うのでしょうが、それでは正確な鉄筋組立には成りません。
基礎型枠を取付けた時には、鉄筋が片寄りが出がちで、鉄筋のかぶりが薄いなどの施工不良が出ることが多い施工方法です。


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(2)基礎配筋の一部を拡大していきます。


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(3)基礎配筋と砕石の間には、スペーサーと言うモルタルで出来た、サイコロ状の物が見えます。
良く観ると、スペーサーは6㎝のサイズでは無い様です。
スペーサーを砕石の上に置き、鉄筋のかぶりと言うコンクリートが鉄筋をくるむ役目をさせようとしていますが、規定のサイズでは無く、更にスペーサーは鉄筋の重みで砕石の中に沈み込んでいます。
本来は、土に接する部分で有る為、6㎝のかぶりが必要です。
これでは、基礎の下部から鉄筋の腐食をまねき、耐久性を大きく損ねる事に成ります。
見えない部位こそ、丁寧に正確な施工に成る様に、設計で考慮しなければ成りません。


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(4)見ての通り、サイコロはサイズ不足で、砕石に沈んで更にかぶり6㎝は明らかに有りません。
サイコロの有る部分以外の鉄筋は、自重でますます砕石に近い状態(かぶり不足)に成っています。
これでは、将来的に鉄筋を錆びさせ、耐久性を落とす事に繋がります。
これは、手抜き工事です。
また、鉄筋を組み上げる際は、水糸で鉄筋の位置を確認して組むのですが、その作業は正確性を欠き、コンクリートの被覆(かぶり)が片寄るおそれが多い作業方法です。
建物を支える基礎工事段階から、この様な工事を行う設計者や施工会社の仕事程度が疑われます。


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(5)こちらは別な現場ですが、やはり捨てコンクリートが有りません。
前工事と同様に、基礎工事の精度が低下する進め方です。


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(5)先の現場と同じく、鉄筋下のスペーサーは6㎝よりも小さく砕石の上なので不安定で、沈下した部分も有りました。


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(6)この絵の様に、一番下の鉄筋は6㎝のかぶりが義務づけられています。
そしてその下には、捨てコンクリートが有ります。


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こちらの写真は、当社の設計監理の現場です。
捨てコンクリートが施工され、基礎配筋との間には6㎝のスペーサーが配置されています。
この状態で基礎コンクリートが施工されると、鉄筋の下にはコンクリートが回りやすく、確実なかぶりが確保されます。


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基礎配筋の下に置かれた、6㎝のスペーサーです。


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拡大した写真です。
基礎配筋に必要な6㎝の、鉄筋かぶりが確保されています。


この様に正しく施工された建物は、耐久性を持ち地震時にも設計通りの耐力を発揮出来ます。


基礎工事は完成時には殆どの部分は見えません。
建物が完成してから、表面上に見える手抜き工事も有りますが、実は見えない部分の手抜き工事方が大きな問題を発生させます。
永く使用する建物に取って、見えない部分の手抜き工事を無くす事が大切です。
品質や耐久性に与える影響が大きい工種を省く事は、品質ダウンで有り、決してコストダウンでは無い事を知っておく事が大切です。
安易なコストダウンの言葉に騙されない様、注意が必要です。


見えなくなる部分対し、正確で確実なる設計と施工が重要です。
設計と監理の両方がなくては、その実現は難しいのが建設業界です。

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パッシブハウス・無暖房住宅・外断熱の今川建築設計監理事務所: 2019年07月12日|ページの 先頭へ|