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国産高性能窓への疑問(その1)

建物の性能確保には、パッシブンハウスの5のポイントが、重要であることを先に書きました。
そして、建物の断熱を高めていくと、窓や玄関ドアの性能が如何に影響するかは、お分かりだと思います。


そうした建物性能で、重要なポイントである窓と玄関ドア性能への認識でしょうか、最近国内メーカーから高性能窓が発売されたました。
しかし、私はその性能値に疑問を感じています。


疑問視する点は以下です。


① ガラス性能が高くなったにせよ、僅かな窓枠の形状改良で、窓全体の数値がU=0.79前後に成っている様には見えません。
② 海外のPVCサッシU=0.78と、国産窓U=0.79の窓枠形状を見比べると、国産窓の窓枠が熱抵抗に脆弱なのが明らかに分かります。
③ 国産窓の取付けディテールを見ると、取付け方は旧型と変わらず、断熱ラインを外れた屋外側にガラス部が飛び出てしまう状態です。
④ 国産窓の取付けディテールは、将来の窓取替え時には、内外装両方を壊さなければ、取替え出来ない窓固定方法に成っています。
⑤ 海外窓では、窓ガラス構成は4㎜厚のガラスを使用していますが、国産窓では3㎜と成っています。窓の歪みを始め、強度不足が心配されます。
⑥ 国産窓では、製品の発売終了(窓シリーズ終了)から、6~7年間で、部材供給が無くなります。永く使用する建物に於いて、部材料の供給が短くて、お客様が安心して使用できる仕組みでは有りません。
⑦国産窓は、気密、水密、遮音、耐風圧等は、JIS規格での高位性能と書いてありますが、海外窓と国産窓を比較すると、その効果や耐久性が低い事が、国産旧製品を使用してきて実感しています。

それらの改善が、図られている様には説明書等からは見えません。


日本製品全般にも言える事ですが、高性能や世界最高レベルと謳っている高性能窓にしては、余りにも疑問点と旧材からの変化を感じないのです。
その様な内容で、性能値に疑問を持つのたのですが、以下により具体的に説いてみます。


まずは、疑問①と②の窓断面形状から見て下さい。
国産窓は、A社、B社、C社の3社が有りますが、形状や表示している性能の差は殆ど有りません。
下の写真は、A社とドイツ製品の断面形状を比較した写真です。
ご覧の様に、明らかに窓枠形状の違いが分かります。


窓枠断面の仕切り(チャンバー)数が、国産窓よりもドイツ製品の方が、多い事が分かります。
この仕切り(チャンバー)数を多くする事で、窓枠からの熱損失を少なくする事に成ります。
国産窓A社の説明書では、仕切り(チャンバー)数を旧来型よりも増やした事で、窓枠からの熱損失を減らし、更に窓ガラスを三層にした事でU値0.79を達成したと有ります。
しかし、U値0.78のドイツ製品よりも、仕切り(チャンバー)数は明らかに少なく、ドイツ製品とのU値が0.01程度の差には思えません。


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また、国産窓A社を始め、下のB社、C社共に窓の開き勝手は外開きですが、ドイツ製品は内開きである事も注目です。
実は、外開きの方が雨仕舞が良く、雨風には由利に成りますが、内開きはその点は難しく工夫が必要な窓作りに成ります。


では、何故ドイツ製品は難しい仕事に成る、内開き型にしているのでしょうか。
推測の域に成りますが、窓枠チャンバー数を増やす為と、外開き窓の場合、窓外枠と開き部が、外面に多く接する事を嫌ったからだと考えます。
A社、B社、C社共に、ドイツ製品と比べると、窓が開閉する部分と窓枠本体とが、分離されそのエリアが大きく外部にむき出し状態に成ってしまいます。
この状態では、外部に面する面積が多く成り、熱を損失する量を増やす事に成ってしまいます。
この様な理由を考慮して、ドイツ製品は内開きを選んだと私は考えます。
(その他、窓の維持管理上、内開きが有利な為、ドイツ市場では外開きは受け入れられていないのかもしれません。)


国産窓B社の窓枠断面形状です。
A社同様に、窓枠の熱損失対応が甘い感じが否めません。


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国産窓C社の窓枠断面形状です。
C社の説明書には、窓枠部材を2.5㎜以上にした事で、性能を高めたと掲載されています。
でも、窓枠樹脂材の厚みを増した程度では、熱伝導率向上にどれ程の違いが有るのか疑問です。
ドイツ製窓の窓枠形状と比べると、対策の違いを感じるます。


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ドイツ製品の窓枠断面形状です。
明らかに、国産窓A社、B社、C社の窓断面形状が違いが分かると思います。
この違いで、窓性能値U値差が殆ど無いのは、大変疑問です。


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国産窓B社は、窓枠に断熱材を入れる事で、窓性能値U=0.91からU=0.78に性能アップを謳っています。
しかし、下のドイツ製品の様に、確実な窓枠断熱処理が出来るのでしょうか。
また、国産窓の断熱方法はどの様に行うのかは、書かれていません。
どの様な断熱材を使うのか、そして製造方法も記載されていない製品が、高性能を有する製品になるのか甚だ疑問に思えます。


ドイツ製窓の枠断熱例-その1


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ドイツ製窓の枠断熱例-その2
窓枠内に、完全に入れられている断熱材の様子です。


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以上の様に、窓枠材の形状やその熱損失対策には、海外製品と国産製品には、まだまだ大きな差が有る様に思えます。
JIS規格とISO規格の性能検査の統一化が急務で、窓検体のサイズを決めた数値公表や、窓性能はガラス部、窓枠部、ガラスと枠部の接続部の、各部性能値の合計値で性能表記する様に厳格化しなければ、世界基準を謳うべきではないと考えています。


次回は、窓枠形状以外の点に付いての疑問点を書きます。
国産高性能窓への疑問(その2)へつづきます。

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パッシブハウス・無暖房住宅・外断熱の今川建築設計監理事務所: 2015年03月18日|ページの 先頭へ|