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国産高性能窓への疑問(その2)

疑問点①と②は(その1)に載せましたので、③~⑦に付いて書きます。


③ 国産窓の取付けディテールを見ると、取付け方は旧型と変わらず、断熱ラインを外れた屋外側にガラス部が飛び出てしまう状態です。
④ 国産窓の取付けディテールは、将来の窓取替え時には、内外装両方を壊さなければ、取替え出来ない窓固定方法に成っています。
⑤ 海外窓では、窓ガラス構成は4㎜厚のガラスを使用していますが、国産窓では3㎜と成っています。窓の歪みを始め、強度不足が心配されます。
⑥ 国産窓では、製品の発売終了(窓シリーズ終了)から、6~7年間で、部材供給が無くなります。永く使用する建物に於いて、部材料の供給が短くて、お客様が安心して使用できる仕組みでは有りません。
⑦国産窓は、気密、水密、遮音、耐風圧等は、JIS規格での高位性能と書いてありますが、海外窓と国産窓を比較すると、その効果や耐久性が低い事が、国産旧製品を使用してきて実感しています。
それらの改善が、図られている様には説明書等からは見えません。


以上の、疑問点③~⑦に付いては、海外製品ではクリアーされているのが実情です。
各疑問点を、海外製品と比較しながら説明していきます。


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1. 国産窓は、ガラス厚さが3㎜仕様に成っていますが、大きい窓では強度不足が心配されます。
 (海外窓は、4㎜厚さが普通です。)
これは、PVCサッシ窓枠部材の強度の関係と、熱損失が大きい窓枠部の面積を小さくする目的で、ガラス重量を小さくする必要があったからだと思います。
しかし、ガラス強度は安全上、軽視出来ない部分です。
4㎜厚さのガラスを使用しなかった事から、問題が発生しなければ良いのですが気に成ります。


2. 窓本体の殆どが、壁断熱ライン線(赤い破線)から、外側に位置している為、窓性能を100%発揮出来ません。(窓枠からの熱損失が大きくなります。)
この点は、のちほど図で説明しますが、窓性能を高めたと言う割に、熱損失を招くディテールが旧型と変更の無いまま、発売されている事に矛盾と無責任さを感じます。


3.窓枠を、多層構造にしていると言っていますが、海外の高性能PVCサッシから見ると、その構造はチャンバー数が少なく大変脆弱に見えます。
これは(その1)で説明済みです。


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A社の窓枠断面を見て、次の疑問点が有ります。

1. 窓ガラス荷重位置が、外部側に成っている為、窓のダレ下がりが心配です。
また、窓枠からの熱損失が大きく成る原因にも成ります。(断熱ラインと窓取付けラインを一直線に取付ける事が、熱橋を最少する方策です。)
2. 窓ガラスの荷重が、片持ち形の取付けに成っています。(窓全体が構造体に載っていない。)


1と2は重複する内容ですが、窓の固定方法が旧型と統一化する目的で、窓性能を高めた意味が半減しています。
窓は、断熱ライン(断熱材の部分)と、一直線に縦並びするのが理想的な取付け位置です。
しかし、A社、B社、C社の取付け方では、ガラス部が外に飛び出てしまいます。
この取付け方では、断熱ラインと窓ラインが一直線に成らず、熱ラインが屈曲します。
屈曲したカーブ部分は、熱損失の大きい部分で、それは窓枠全周で起きる事に成ります。
高性能窓を、要求する建物では熱橋対策が必要です。
パッシブンハウスの5のポイントでは、熱橋値は0.01w/mk以下と記されています。
国産高性能窓メーカーが記載するディテールでは、その様な数値は確保出来ない取付け方です。


ガラス部が、外部に飛び出ている為、窓全体の荷重が窓下地に完全に支持されていない状態です。
躯体への支持寸法が、36㎜の窓枠の一部では、前だれの虞すら感じます。
この点も、永く使う建物に於いては、疑問の有る所です。
単に、旧来型の継続で物事を進めているだけの事であり、製品開発の目的と矛盾するディテールだと思います。


3.参考図の取付け方では、窓の取替え時は、内外装を壊さなければ、取替えが出来ない取付け方です。
A社、B社、C社共通する事ですが、窓の取付け方(固定)が、Г型アングル部に上と側面からの2方向から留める方式です。(旧型も同じ)
これでは窓取替え時には、内部の窓廻り全周と、外部の窓廻り全周を壊さなければ、取替えは出来ません。
しかし、海外の窓は、固定方法が窓枠内側から留める為、窓取替え時には、内側か外側の何れか一方のみの解体で取替えが可能です。
また、窓枠と壁下地材間には10~15㎜程の緩衝スペース(通常断熱材が入る)が有る為、取り外しが容易に成ります。

 

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フレームチャンバーを増やしたと言っていますが、APW330とAPW430では温熱的効果は余り大きな変化が見られません。

1. 窓ガラスの位置は、外部に成っている為に、窓枠からの熱損失が大きく成ります。
フレームチャンバーを増やし、窓枠からの熱損失を減らす目的と、取付け方が理論上一致していません。
窓枠形状(チャンバー数)が、海外のPVCサッシほど、熱損失を小さく出来る形状(数)とは思えません。
この点は、海外のPVC窓と比較すれば一目瞭然です。
チャンバー数の違いや形状は、研究の差や歴史の違い(建築物理学)から来ているのでしょう。


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窓の取付け位置が、窓枠からの熱損失を大きく変える事に成ります。
折角の高性能が、100%発揮出来ないのでは、開発の意味が有りません。

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外断熱建物の、窓取付け位置違いによる、窓廻りの熱損失差の絵です。

・窓の取付け位置が正しいのは、中央の絵です。
・温熱ライン(太い黒線)が、左絵、中央絵、右絵と、それぞれ屈曲する状態に成ります。
・左絵と右絵は、温熱ライン(太い黒線)は、特に大きく屈曲してUw値が示す様に、熱損失量が大きくなる事が分かると思います。
・中央絵の様に、温熱ラインが真直ぐに近づく様な位置に窓を取付ける事が、熱損失を最小にする方法です。


国産高性能窓A社、B社、C社共に、最良の窓取付けである、中央絵の状態に成らない温熱ラインが、大きく屈曲してしまう取付け方と製品形状です。
数値上は、小さな熱損失の様に見えても、高性能な建物では大きな問題点と成ります。
また、本来の目的である、無駄な熱損失を少なくする高性能窓の開発からすると、大変矛盾している事に成ります。
日本製A社、B社、C社の窓の取付け方は、左絵よりも更に外部に出した取付け方で、窓ガラスの位置は完全に外部側に成っています。

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・A社の窓枠形状は、躯体掛かり代36㎜にした事で、旧型と外観を変えない配慮をしたとの説明ですが、窓全体の性能を高めた理由からすると、ガラス部を躯体掛かり代から外部に飛び出させる事は、熱損失上大変不利に成る事を理解している様に思いません。


・Uw値=0.79窓の販売目的は、性能が高い建物への使用が前提のはずです。
その際には、窓枠の形状や取付け方、取付け位置は大変重要で、その研究や対策が海外では多く発表されています。
そうした資料や報告内容と、国産窓の考え方は大きく異なります。


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青い線は、外部に面する部分です。
この面が、真冬-10℃以下にさらされた場合、この窓枠形状で果たして熱移動を最少に出来るでしょうか。(熱移動は薄青両矢印)
窓開閉部と外枠部は、ご覧の様に大変薄い空間状態です。
両矢印のエリア程度しか、熱を止めるスペースは無いのです。
幾ら、チャンバー数を増やしたと言っても、弱いエリアへの対策が無ければ目的は半減してしまいます。


窓と玄関ドアは、外部と内部を仕切り、建物使用上不可欠な出入り口等に活用する部分です。
使用目的と使命は背反するもので、窓と玄関ドアの性能を重視しなければ、性能の良い建物は出来ません。


日本の建物の性能が向上しないのは、国が長期的な展望に立って、エネルギー使用を小さくする建物造りに目を向けないからです。
ドイツと日本の首相官邸を比べると、その違いから長期的展望の差が分かります。
単に、窓の違いだけが、存在している訳では無いのです。
国の政策が、窓の違いを生んでいます。


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パッシブハウス・無暖房住宅・外断熱の今川建築設計監理事務所: 2015年03月19日|ページの 先頭へ|