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パッシブハウス研究所所長ファイス博士の講演(2)

2014年4月18日開催された、パッシブハウス研究所所長、ファイスト博士の日本講演に付いて、その(2)です。

動画サイトへ
http://youtu.be/GriCw4RsImw


今回、動画の中で注目して頂きたいのは、ドイツ連邦環境基金が作成したと言う世界地図です。
最初の地図は、世界各地でパッシブハウスを建てる為に、必要な断熱性能を示した地図との説明です。
(1時間0.3分頃)


この地図を、説明したファイスト博士は、『スウェーデン、ノルウェー、ヒマラヤ、そして日本の北部では、高い断熱性能が必要です。』と述べています。
ここで言う日本の北部とは、当然北海道を示しています。


これは、大変重要な事です。
現状での、北海道の断熱仕様に対する、日本国内での認識とは大きく違うはずです。


つまり、寒い地域とされる、スウェーデン、ノルウェー、はたまたヒマラヤまでを対象として、日本の北部(北海道)を同類地域と言って事は、1990年代からスウェーデンの壁断熱厚さは270㎜が、一般的な住宅での仕様ですが、北海道では次世代省エネ基準でも、その半分程度の壁断熱厚さです。


これでは、余りにも矛盾ある、日本国内基準値ではないでしょうか。
同じ寒冷地と指摘されても、国の基準値の為、諸外国の断熱基準値の半分程度の断熱仕様で、新築住宅が次々と建てられている事は、国民に取っては不利益でしか有りません。


また、その事実を知らず、住宅建設を進めている道民は、不幸としか言えません。


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(パッシブハウスを建てるのに必要な断熱性能地図)


次の窓性能を説明した地図では、『日本の北部、中国の北部、スウェーデン、ノルウェーの中央部、アメリカの中西部、北部、カナダの殆どの地域では、Low-Eトリプルガラスか4層ガラス仕様の窓が必要です。』と述べています。


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(窓性能を説明した地図)


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(北海道の札幌市以北は濃い青色で、スウェーデンやノルウェーと同じ色)

この窓性能は、パッシブハウスを建設する為の基準性能ですので、全ての建物にトリプルガラスや、四層ガラスが必要な事では有りませんが、北海道、特に札幌以北はスウェーデン、ノルウェー、カナダと同じ気候分類であることを認識して頂きたいのです。
因みに、スウェーデンでは、住宅はトリプル3層窓が主流です。


緯度の違いから、スウェーデンやノルウェーよりも、北海道は暖かいと解釈され、その為か断熱基準もそれらの国々よりも低く設定されていますが、決して札幌以北は、スウェーデンやノルウェーと差がない気候なのです。


【世界の都市における最も寒い月の平均気温】を、見てもそれは示されています。


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画像を大きくする。


しかし、Low-Eトリプルガラスや4層ガラス仕様の窓が、必要と言われる北海道に於いて、その普及率はほんの数%です。


この違いは、何故何処から生まれているのでしょうか。
北海道は、今まで国の開発予算とか、特別の待遇処置をあてにしてきました。
その為、中央で決められた事柄に対し、独自の主義主張をせず地域に有るべき姿を形成してこなかった事が原因だと思います。


今頃に成って、地方創生とか言っていますが、自分達が住む地方於いて、どの程度の断熱仕様でなければ、快適な住まいや建物が出来ないのかを判断できずに、盛んに建設を進める愚行は、未来に向けた望ましい姿ではありません。
本来の、北海道の有るべき姿を、示して欲しいものです。


しかし、2020年度から新築建物に義務化される建物性能基準は、先程から言う次世代省エネ基準値が目訳基準値です。
これでは、省エネの名の通り、苦労や無理をしてエネルギーを節約する努力をしなければ、エネルギーを量は減らない基準値です。


何故、高効率設備ばかりを、声高に主張するのか疑問で有り、建物の性能を上げる事が将来に渡り、効果的で永続的な事は明らかです。


ヨーロッパでは、2020年度からEnev2020として、新築建物は全てパッシブハウス基準にすると聞きます。
日本との差は、歴然であり、今後のエネルギー政策や再生可能エネルギー推進、温室効果ガス削減対策等への、実行姿勢の差に表れています。


その様な中、現実的に私達は、手を拱いている訳にはいきません。
国の規準がどうあれ、現実にはスウェーデン、ノルウェーと同等の寒さである北海道に於いては、適正な断熱基準や窓性能を担保した建物を造って行くべきだと考えます。


日本の住宅の平均寿命が、26年程度と言われる中、富裕国意識を持つ日本国民として、そのアンバランスを認識して頂きたいファイスト博士の講演内容だと思います。

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パッシブハウス・無暖房住宅・外断熱の今川建築設計監理事務所: 2014年11月26日|ページの 先頭へ|