パッシブハウス・無暖房住宅・省エネ環境住宅・RC外断熱、北海道・札幌市・北広島市の株式会社 今川建築設計監理事務所サイト へようこそ

 
●トップページへ ●初めての方へ ●住まいの相談 ●お問い合わせ ●アクセス ●リンク ●サイトマップ 

偽りの世界1位基準

2014年7月25日夜10:00放送の、テレ朝、報道ステーションで、フィンランドの原発に付いて放送されていました。
核廃棄物処理で有名な、オンカロの有るオルキルオト原子力発電所の事でした。


内容は、オルキルオト原発の安全への取り組みと、現状日本の原発安全基準に対し、疑問を提示したものでした。
放送を見て、日本の原発に対する安全基準は、世界1位だと政府は言っていましたが、どうやらそれは嘘だった様です。


例えば、オルキルオト原発には、メルトダウンの際、格納容器下に設置されている、コアキャッチャーと呼ばれる装置が有るそうです。


%E3%82%B3%E3%82%A2%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E5%9B%B3-2.jpg

大きい画像を見る。
(図の格納容器下に、コアキャッチャーと言う、受け皿みたいなスペースが有ります。)


コアキャッチャーとは、原発がメルトダウンした際、格納容器の下部にあるその部分で、溶けた核物質を受け、冷却する役目を果たす装備です。
オルキルオト原発は勿論、全てのヨーロッパに有る原発には、装備されているそうです。
ところが、日本ではコアキャッチャーを、装備した原発は一基も無いそうです。

これって、どんでもない違いだと思いませんか。
今回の福島第一原発でも、もしもコアキャッチャーが装備されていれば、メルトダウンは防げたでしょう。


もう一つの違いは、原子炉上屋を含めた、格納容器の2重構造です。
これは、外部からの衝撃を、内側の原子炉に及ぼさない様にした対策です。
テロ対策を含め、外的要因から格納容器を守る事が、海外での常識であると言うのです。
しかし、この2重構造も、日本の原発では1基たりとも、装備されたものは有りません。


日本には、54基もの原発があるそうですが、日本地図でその54基の配置をみれば、万が一テロ攻撃を受ければ、日本全体が放射能汚染となる事は、予測出来る事です。


こうした対策無しで、世界1位の安全基準と言えるでしょうか。
原子力規制委員会審査が、川内原発の合格を出してから、この放送は流されたので、私は時期的に不満を感じますが、他の放送局ではそうした情報は全く無く、まだテレ朝はマシな方かもしれません。
料金を徴収している、NHKでは、その様な放送を私は見ていません。


この放送で分かる事は、安倍首相がテレビで胸を張って、『世界1位の安全基準に則り、川内原発は審査を終えた』と語りましたが、この言葉は嘘だったことがはっきりしました。
オルキルオト原発と国内の原発との違いは、知らなかったとは思えず、確信犯的発言は、国民を馬鹿にした発言と言えるのではないでしょうか。
世界1位の安全基準には遠く及ばず、安全対策不備の原発しか国内には存在しないのです。


でも、こんな世界1位や、世界基準を自負する言葉の嘘は、他にも有ります。
例えば、日本住宅性能です。


ある、行政機関の建築担当者は、北海道の住まいは、ヨーロッパ並みの性能を持つまで、向上したと言っていますがこれも嘘です。
この言葉は、まさか北海道と南ヨーロッパを、比較して言っているとは思えませんので、中央ヨーロッパ当たりを指して言っていると思います。
つまり、ドイツ国の位置する当たりです。


現在ドイツを始め、中央ヨーロッパの各国では、パッシブハウス基準の建物が主流に成りつつ有ります。
更に、2020年にはEnev2020により、そのパッシブハウス基準以上の性能建物でなければ、新築出来ない様な法律規制が予定されているのです。


EnEV2020%E3%81%BE%E3%81%A7.jpg

大きい画像を見る。
(Enev2020基準では、新築建物は全てパッシブハウス以上の性能を求められる。)


しかし、日本では2020年の建物性能の法規制(省エネ基準適合義務化)は、現状で使われている目安基準である1999年に出来た次世代省エネ基準と、殆ど変らない程度で行われる事に成っています。

この違いを見ると、北海道の住まいは、ヨーロッパ並みの性能を持つまで向上したとは、間違っても言えないと思います。
しかし、恰も北海道の住宅は、高性能で住宅先進国と言える様な、表現で話しています。


こうした公言が、メディアや建築業界内で行われれば、業界人は自ずと信じ、そして消費者へと伝わります。
結果的に、日本の住宅は低性能化が進み、それに高効率設備を沢山装備した、日本版スマートハウスが出回る事に繋がって行きます。


これでは日本に於いては、エネルギー削減や環境改善への道筋は閉ざされる一方です。
地球温暖化対策や環境問題対策は、何処に行ったのでしょうか。
これらの問題は、解決も改善もしていないのです。


少なくとも、現状北海道の断熱仕様が、東京地域で標準採用され、北海道は現状の2~3倍の断熱厚さの仕様を法制化するべきです。
更に、窓や玄関ドアの性能も、数段高い性能を有する仕様にすべきです。


世界1位や世界基準の性能発言には、くれぐれもご注意下さい。

トップページへ > いろいろな疑問トップへ

パッシブハウス・無暖房住宅・外断熱の今川建築設計監理事務所: 2014年08月21日|ページの 先頭へ|