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家の中にある外(半外)

家の中に外(半外)が、存在する家が沢山あります。
「家の中に外(半外)」て、なに?


例えば、玄関部です。
断熱ドアで、仕切られていない玄関は、半外状態です。
熱貫流率の低いドア、材質が金属で熱伝導率の高いドア。
冬には玄関内で、ドア枠廻りが、氷つく様な状態。
ドアと枠の気密が悪く、隙間風が入ってくる玄関。
ドアのガラス部分が、1枚ガラスかペアガラス程度で、ガラス表面が10℃以下に成るような状態等は、建物内に、外が存在する住いです。
多分、殆どのご家庭が、その様な状態でしょう。

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(玄関ドアの敷居廻りの熱逃げ。この様に、殆どのドアは、敷居側や枠の上下は、気密が悪く外気が侵入し、内部の熱の逃げ場になっています。また玄関ドア本体も熱を通し易い材質や断熱性能が低いモノが大方です。)


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(こちらは、別宅の木製の断熱ドアです。-15℃を下回る厳冬期では、写真の様に成ります。
注意:最初の写真と青色部分の温度は異なります。色は同じでも温度は断熱ドアの方が、高い温度です。)


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(断熱ドアの敷居側。敷居廻りは断熱補強が難しく、熱の逃げが大きく成ります。)


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(断熱ドアの上部映像です。気密ゴムの性能にも、限界を感じます。)


この様に、玄関が、家の中の外(半外)に成っている住いが、大変多いのが現状です。

この他にも、家の中の外(半外)状態の所は、使用頻度が少ない部屋の暖房温度を低く抑える事やスイッチOFF状態にしている場合、勝手口付近、ガラスの大きなテラスドア付近、ベランダへの出入り口付近など、沢山家の中の外(半外)を作りだしている場所が考えられます。


この家の中の外(半外)を存在させると、当然省エネの住宅にはならず、快適性、耐久性などを損う事に成ります。
ですから、家の中に外(半外)を造らない住い造りが必要です。


その他にも、家の中には外(半外)への予備軍が存在します。
家の中を、熱画像で見ると、良く分かります。


下の写真は、床下が開放型の1階床の様子です。
幾ら断熱を丁寧に施工し、気密処理をしても、木の熱橋は防げません。
基礎断熱で、床下を室内と考える設計をするか、土間コンクリートによる床下空間無しにしなければ、北海道ではこの写真の様に、木下地が画像で分かる状態に成ります。

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(床下有りの床断熱した、1階床を写した映像。床下地が分かる。)


次の写真も、床下開放タイプでの壁と床取合い部分の熱画像です。
やはり、壁と床の取合いが、熱を逃がしているブルー色に成っています。
床の断熱と壁の断熱の取合いが正しく施工されていないようです。
また、床と壁の断熱材間に木をハサミ、床部と壁部を防湿気密化しなくては、断熱効果は半減します。

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(壁と床の取合い部の熱損失部分)


次の写真は、トイレ内の便器廻りと壁際の熱画像です。
壁と床取合いは、上の説明と同じです。
便器廻りは、排水配管の施工時に、設備業者が断熱材の後始末を怠った為だと思われます。
工事関係全員が、断熱、気密、防湿に対する知識を、共有出来ているわけではありません。
この場合、工事監理者の指導不足が、大きな原因です。

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(トイレの便器廻りと、床壁取合い部分。)


次は、床下収納庫廻りの熱画像です。
この床下収納庫は、床下で木下地を組んで、断熱材を廻していますが、完璧にはならず、熱漏れが少し起きています。
一般的には、床下収納庫は、断熱処理されずにいますので、この写真以上にブルーの濃い色で覆われる状態になるでしょう。

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(床下収納庫の縁廻りの熱損失状態。)


次は、引き違いの外樹脂サッシの、内側に付けた内窓の、敷居を撮影したものです。
内窓は、窓の熱損失補強に成りますが、可動部分は熱が逃げやすい事が、写真で分かります。

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(内窓の敷居も、完璧な状態では無い。)


次の写真は、洗面所の窓上に付いている、換気扇を写した熱画像です。
換気扇は、三菱のロスナイ換気扇ですが、この状態ではロスアリ換気扇と改名です。
国産の換気装置は、過大な性能値を謳い、実態はこのような状態です。
消費者は、メーカー数値を、あまり信用しない方が良いとの教えです。

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(換気扇からの熱逃げ状態が分かる。)


次の写真は、壁付けのガスコックBOXと、電気コンセントを写した熱画像写真です。
BOX裏の、処理をしていないガスコックBOXと、壁際の熱逃げが大きい事が分かります。
気密コンセントBOXを付けた、電気コンセントBOXは、少しましなようです。
しかし、完璧にはならず、内側に配線スペースを確保し、配線、配管スペースとすることが、ベストであることが良く分かる写真です。


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(左:ガスコックBOXと右:電気コンセントBOXの、熱画像写真)


次は、台所のレンジフードです。
このレンジフードは、同時給排気タイプです。
停止時は、給排気口を蓋で覆いますが、やはり隙間を通って外気が侵入しています。
建物の気密も大切ですが、各設備機器の気密も無視出来ません。
-10.0℃が続く北海道には、より精度の高い製品が求められます。
この様に、設備機器の寒冷地仕様は、低レベルな状態です。

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(同時給排気換気扇の外気侵入画像)


以上の様に、家の中には多くの外(半外)が存在します。
皆さんの、ご自宅はには、家の中に外(半外)は存在していませんか?
確認してみてください。


それらの処理を行う事で、大きな省エネ効果が生まれます。
また、現状よりも快適性が増し、建物は長持ちする方向に成ります。
熱の逃げ場を知ることが、省エネ化への第一歩です。

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パッシブハウス・無暖房住宅・外断熱の今川建築設計監理事務所: 2012年02月18日|ページの 先頭へ|