パッシブハウス・無暖房住宅・省エネ環境住宅・RC外断熱、北海道・札幌市・北広島市の今川建築設計監理事務所サイト へようこそ

 
●トップページへ ●初めての方へ ●住まいの相談 ●お問い合わせ ●アクセス ●リンク ●サイトマップ 

真のゼロエミッション住宅とは

最近、無意味な実験住宅が多く見受けられます。
また、言葉だけた先行し、本来の方向性を間違えたコメントも、沢山有ります。
例えば、


「セロエミッション住宅」とは、住宅におけるCO2排出量を、躯体・設備の省エネルギー性能向上や、敷地内での再生可能エネルギー活用などにより削減し、年間でのCO2排出量が正味(ネット)でゼロ、または殆どゼロになる住宅だと言います。


LCCM住宅=住宅の長い寿命の中で、建設時、運用時、廃棄時においてできるだけの省CO2 に取り組み、かつさらに太陽光発電などを利用した再生可能エネルギーの創出により、住宅建設時のCO2 排出量も含め生涯でのCO2 収支をマイナスにする住宅として提案されたものです。



(LCCM住宅:自然の光、風を取り込むと言うが)



(LCCM住宅:裏手にある設備機器、如何にも重装備)


COMMAハウス(別名:スマートハウス):いえ・もの・情報・ライフスタイルを統合して、快適性・省エネ性を実現し、持続可能エネルギーの最大導入に貢献する住宅を、2020年に広く普及させることを目指し、さまざまな実験を行なうための住宅。気密・断熱・耐震機能に優れた構造体に、風・光・熱をコントロールする開口部材や、太陽光発電・太陽熱利用機器・省電力照明(LED・有機EL)・HEMSを備えている。



(COMMAハウス:こちらも自然光と自然通風を提案している。この様な案では、春、夏、秋、冬の各季節に室内環境は快適性を保てるとは思えない。)


このCOMMAハウスには、窓が68ヶ所も有るそうです。
風通しを良くする為の様ですが、窓は壁の1/10性能が落ちます。
それだけ、熱損失する部位なのです。
風通しの為に、窓の量を増やすと云う、その発想に呆れます。



(COMMAハウス:ダブルスキンにするならば、その予算でドイツ製の電動ブラインドを付けて方が四安いし性能が良い。20年遅れの遮熱案です。)


(COMMAハウスの仕様内容:中段位にエアコン3台と有ります。COMMAハウスは延坪28坪と有りました。28坪の建物に何故、エアコンが3台も必要なのでしょか。その他の設備機器も重装備です。因みに北海道パッシブハウスの冷暖房は、6帖用のエアコン1台です。この差は躯体性能が原因です。)


こうした、方向性は正しいのでしょうか?
これらの実験住宅の躯体性能は、次世代省エネ基準か、それをベースにして少し割増した程度の性能です。
果して、その位の躯体(外郭)性能で充分でしょうか。
答えは、NOです。
少なくても、実験住宅の3倍以上の、躯体(外郭)性能が必要です。


何故、躯体性能を次世代省エネ基準や、その僅かなアップ程度で、造るのか理解に苦しみます。
躯体(外郭)性能の、断熱・防湿気密性能は、建物の建設時から廃棄になるまでの間、無償で性能を発揮してくれます。
まずは、躯体(外郭)性能を高めて、設備機器は簡易で軽微にすべきです。


何故、最新の設備機器を、重装備するのか理解出来ません。
メディア受けや、家電機器メーカーへの優遇以外考えられません。
それだけの、設備機器を設けるのであれば、断熱や窓、玄関ドア、遮熱対策等に、費用を当てるべきです。


設備機器は今後も進化し、更に高性能で小型化して行くと思います。
これは、誰でもが予測する事です。
ならば、どの様な設備機器にでも対応出来る様な、躯体(外郭)を造る方が、将来に向けて順応性持ちます。
今現在の、最新鋭機器を備え、それらをアピールする様な、実験住宅には未来を感じません。


最新鋭機器よりも、躯体性能を高める事に、予算を割いた方が良いのです。
機器は取替えられますが、後から躯体(外郭)の性能を高める事は、多くの費用を有し、大仕事になるからです。
その場合は、大抵建て替えを選択してしまいます。
それだけ、後の躯体(外郭)性能アップは、大変手間と費用を要する仕事なのです。
建て替え促進が、目的かと思われる様な、デコレーションハウスばかりです。


自然光を入れ、外気による自然換気と言えば聞こえは良いのですが、そんな事で果して室内環境は快適な領域と成るでしょうか。
それも、やはりNOです。
太陽光の遮蔽だけでは、外気温の調整が出来るはずも無く、単にダブルスキンなどと称して、可変するルーバー等の採光調整や遮熱対策では、コントロール出来ませんん。
過大な効果を期待しても、その程度では失敗が見えます。
ダブルスキンとか、縁側とかを造らず、その費用で、ドイツ製の遮熱ブラインドでも付けた方がが、コストが安く、フィンの可変可動で、採光と遮熱の両方に効果あり、有効だと考えます。


断熱、防湿・気密、窓、玄関ドア等の躯体(外郭)性能無しに、対処方法的部位対応では、効果半減は目に見えています。
何故、ドイツ、スウェーデンの良い見本があるのに、20年遅れの実験住宅が造られるのかが、理解できません。
国民は、こうした馬鹿げた実験住宅にも、事業仕分けの目を向ける必要が有ることを、知ってほしいと思います。


スマートハウス(賢い住宅)と称していますが、全く賢く無いと思います。
内部機器の、コントロール(スマートハウス)を、言う以前が問題なのです。
世界から、笑われています。
その認識が、関係者には全く無い様です。
真のゼロエミッション住宅とは、パッシブハウスと再生可能エネルギー源を、融合させた住宅です。

トップページへ > パッシブハウストップへ

パッシブハウス・無暖房住宅・外断熱の今川建築設計監理事務所: 2011年09月28日|ページの 先頭へ|