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原発事故から見えてくるもの

大震災から19日が経ちました。
亡くなられた方々の、ご冥福をお祈り申し上げます。
また、被災された人達のご苦労を自分の痛みの様に感じる日々です。


震災後に、ホームページの記事を書くのには、大変勇気がいりました。
この時期に、不適切な表現や刺激する様な記載があれば、大変失礼な事に成るからです。

しかし、伝える事も大切と思い書きました。
それは、原発事故か見えてくるものです。

今回の原発事故が最悪の方向に成っているのは、技術大国を自負したいた日本の驕りが招いた事と私は見ています。
それは、事故後18日も経ってから、原発先進国と言われるフランスやアメリカからの協力を得る対応に、転換した事から分かります。
以下は憶測の域も有りますが、報道から得る内容からも余り外れていないと思います。


①想定が甘い。
福島原発の津波想定高さは、5.0~5.5mと報道されています。
明治からの東北地方の津波では、今回の津波規模が2度程有ったと聞きます。
政府が後から認めていますが、津波高さの想定が甘く、その対策強化が無かった事が大きなミスです。


②初動対応の遅れ。
津波への想定が甘かった事は、津波への準備を怠る事に繋がりました。
電気の供給が命と言う、原発のバックアップが不十分だった事です。
予備電源や発電機が、津波で使い物にならなくなる想定が無かったミスです。
装備室の防水壁など、水に対する対策が甘かったのは事実です。
原発で電気の供給が、無くなる様な想定が無かった事が伺えます。


また、全国から発電機など電力供給を行える設備機器を、事故後1~2日以内にかき集める様な対応が無かった事も、報道を見て分かります。
更に、山側に有る東北電力の送電線から敷地内に電力を引く作業は、事故後7日位経ってからの事です。
電力供給なしでは、成り立たない原発なのに、行動が遅すぎます。


一つの対策ではなく、複数の対策を同時進行で行う様な、行動を取っていません。
今回の事故は、安全に原発を止める事が最優先です。
しかし、現場や東電内部には、打算が働いていたと思います。
更に、指揮命令、判断が途切れる組織形態だったことが伺えます。


③水素爆発の想定。
最初の1号炉水素爆発は、想定に有ったのでしょうか?
建屋には、水素ガスを抜く設備は無かったと聞きます。
水素ガスの発生は、起こり獲ない事を前提に、建屋を建設している事に成ります。
そもそも、水素ガスが発生する様な事態が無いのだから、ガスを抜く設備は不要と考える、バックアップ体制とか、危機管理体制が甘いミスだったと思います。


その後の、放水作業の手順、原子炉格納容器は絶対に安全だと主張した事はウソだった事、3号炉でのプルサーマル公表は3月29日のプルトニューム検出まで公表しなかった事、作業員各位に放射能の危険性を周知していない事、放射能計器の不足状態で作業させていた事、トレンチ内の放射能汚染水の発見遅れと出所場所が今だ特定できない事、終息手順を公表しない事などその後の対応も目に余る状態です。


④報道規制の限界。
今日の様に、インターネットが発達し、情報がテレビ、新聞以外から得られる時代に、曖昧で判断を遅らせる様な報道のみでは、国民が不安に成るだけです。
また、軽い判断で今後過ごせない事態である事は、周知の事実です。
この負の事実を、重く受け止める意味でも、正確で的確な報道を望みます。


以下からは、私見を交えて原発事故から見える建築に付いて書きます。


今日のTVニュースで、フランスのサルコジ大統領が日本に来て、原発事故対応に協力する事を表明したと報道されました。
フランスは、震災後の支援物資に、放射能対応服(2000着)やマスク、手袋(10000枚)を、震災3~4日頃に日本に送っています。
その時、手袋数が多く、使い捨てに成るのだと思いました。
そして、状況は悪く成る事が予測出来ました。
フランスは事態の重大さが分かっていたのかもしれません
他国の支援物資と異なる品物だったので、覚えていますが、フランスや他の国々は、今回の原発事故が重大であり、その為には何が必要か判断していた事が伺えます。
正しく、その様に成ってしまいました。


フランスは、原発大国です。
しかし、その原発に対する取り組みは、日本と同じなのでしょうか?
一つの違いを書きます。
原子炉から圧力を抜く「ベント」と言う作業が報道されました。
原子炉から、水蒸気など圧力を抜く事の様ですが、この際勿論、放射能も一緒に出ます。
日本では、簡単なフィルターを通す様ですが、フランスでは「サンド」と言う砂のフィルターを通すと聞きました。
この「サンド設備」は、大変お金が掛かる設備で、福島原発には有りません。
福島原発に携わった、東芝の元社員が告白しています。
進言したが、上司に失笑され取り合ってくれなかったと。
フランスの原発と日本の原発は、根本的な事から違う事実がある様です。


東電の失態は、沢山有りますが、政府も東電の言葉を最初に信じていた事が、事態を遅らせ悪化させる事に成りました。
これほど、東電が無能だったとは、当初政府は考えていなかったと思います。
また、日本政府は原発の海外受注を目指す観点から、海外の技術支援を当初拒否していたと聞きます。
日頃から言っていた、技術大国とか省エネ技術世界一の自負が、頭に有ったからでしょうか。
誤審は過信に成り、大きな判断ミスを誘発し、ギブアップ状態でフランスやアメリカの支援を受け入れたのが、今日31日の出来事です。
これが事実だとすると、大変な大失態です。


自国の技術力を、大きく見誤り過信していた事は事実です。
政治家は原発の専門家では有りませんが、海外視察など多くの費用を使い、その違いを見る機会は有ったはずです。
世界の国々では、目的の視察先以外にも、日本との違いや優れた所を見る事が出来ます。
しかし、政治家の目では、その違いに気付かず、無能集団(東電、保安院)の言葉を信じた結果が現状です。
この一連の流れを見て、日本の縮図が見えます。


建築業界に反面すれば、現在の避難所や仮設住宅は、海外と比べると劣悪なものです。
断熱材の無いか、あるいは薄い建物では、避難者の苦痛が分かります。
避難所の公共建物を外断熱で100㎜位に施せば、劇的に建物内の温熱状況が変わり、寒さを凌ぐ事が楽に出来ます。
また、窓や出入口の建具の改造や、ガラスの複層化で更に改善します。
バルコニーや庇も断熱材で絶縁し、熱橋対策を施すべきです。
高断熱、高気密には、太陽熱の遮熱対策も重要です。
この様な工事費アップが、どれ程の負担になるでしょうか。
事業を行う際に行えば、その性能は建物の有る限り発揮されます。
建物が本来持つべき、温熱性能を考えていない建物が大多数です。


仮設住宅も、普段の準備不足や性能無視の為、数年使用に耐えれる住環境に無い様に思えます。
少しも、断熱工夫や窓・ドア性能を良くした、プレハブ住宅の準備が成されていない事に、毎回疑問を感じます。
何故、災害に対する準備が、行われていないのかが分かりません。
仮設住宅は、使い捨てでは無いと、私は思っているかです。


建物の性能は、造る段階で確定してしまいます。
造る時に行えば、永続的にその性能を続けてくれます。
しかし、低い性能で造れば、その建物は人を入れる用途には成りません。
体育館を、避難所にする事が想定されているのであれば、その使用に適した対策を講じておくことが必要です。


まとめは、原発事故の技術力と避難所や仮設住宅の技術力は、日本の技術力を表しています。
観点を見誤ると、その用を成す力が半減します。
有っては成らない事を起こした原発事故と、避難所や仮設住宅を引き合いにする事が、適切とは思いません。
震災で起こる現実の問題を、復興を目指す日本に取って、再度繰り返す事は愚かな事だと思います。
問題点を明確にし、それを改善する復興を期待します。
復興で建てられる公共建物や住宅が、建物内部環境が良い建物に成る様に、建築業界が取り組んでほしいと考えています。
それが、復興を待ちわびている人々への、建築業界が出来る最大の貢献だと私は思います。


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パッシブハウス・無暖房住宅・外断熱の今川建築設計監理事務所: 2011年03月31日|ページの 先頭へ|