北海道パッシブハウスに、事務所を移して1年が経過しました。
移転後、各室の温湿度測定と、暖房用エアコンと熱交換換気装置の電力測定を行っていました。
2011年3月4日で丸1年を経過し、その累積暖房エネルギー消費量を出してみました。
実は、エアコンの電力消費のデータ整理は終わっていない為、エアコン暖房を使用していない夏季の5月~10月の電力消費量(平均値185.0Kwh)を、その他の月から差し引いた数字で暖房エネルギー消費量を出し、暖房面積で割り1㎡当たりの消費Kwhとして出しました。
10月から翌年4月の間は、暖房の需要以外に日の短さで、照明用電力の消費も増えますが、今回の数字ではそれを有利側と考えて出してみました。
ご覧の様に、暖房を使用した各月の合計は、1777Kwh(灯油消費換算約178.0L)に成りました。
暖房床面積は127㎡ですので、1777÷127=13.99Kwh/㎡と成ります。
つまり、北海道パッシブハウスでの、年間暖房エネルギー消費量は建物1㎡当た13.99Kwhである事が実証されたのです。
それは、ドイツのパッシブハウス基準である、年間暖房エネルギー消費量15Kwh/㎡をクリアーした事に成ります。
ドイツのパッシブハウス基準では、建物の内寸法を床面積にしての年間暖房エネルギー消費量15Kwh/㎡など、算出方法が異なる所は有る様ですが、北海道札幌市に於いて、厳冬期も室内温度を21℃~22.0℃に保ちながらの年間暖房エネルギー消費量である事は、北海道の住宅として、また日本国内の住宅として画期的な性能数値です。
また再三ホームページでも述べていますが、北海道札幌市は、ドイツの中央ヨーロッパ気候よりも、平均気温は低く厳しい気象条件です。
札幌市は、北欧スウェーデンのⅢ地区(スウェーデンは北からⅠ~Ⅲ地区に区分されている)と同じと考えます。
その北欧スウェーデンのパッシブハウスでは、年間暖房エネルギー消費量を20~30Kwhの範囲に設定している様です。
それと比較すると、北海道パッシブハウスの暖房エネルギー消費量は、驚異的な数字である事が理解出来ると思います。
各部位の熱貫流率や窓・玄関ドアの性能を、スウェーデンのパッシブハウスと同等以上にした効果と、同機種の熱交換換気装置を、取付けた結果によるものと考えています。
また、タギ建築環境コンサルタントによる、熱損失計算結果で出された暖房エネルギー消費量数値と実測値が正確に一致した事は、今後の住宅性能計測に良い影響を与えると考えています。
北海道パッシブハウスでの計器計測と実体感を通して、北海道に相応しいい高性能住宅をリーズナブルな価格で提供できる様、更なる追及を進めたいと考えています。