札幌市が市民向けに、市公共施設に付いてのパネル展示会を開催しました。
2011年2月28日から3月4日までの5日間、市庁舎1階ロビーで、札幌市の公共施設の維持管理と今後の建物保全、省エネルギー化や耐震対策化の現状を広く市民に知ってもらう為の、市所有建築物のこれからを考える~「つくる」から「長く上手につかう」へ~と題した展示会を開催しました。
その様子を、写真で紹介します。
(札幌市役所1階ロビーの展示会場)
(テーマは、市所有建築物のこれからを考える~「つくる」から「長く上手につかう」へ~です。)
(市公共施設の運営を順を追って展示されていました。)
(市有建築物の現状パネル)
パネル内容:画像不良で読み取り出来ませんでした。
(市有建築物の抱える問題)
パネル内容:一般的に建築を建て替える目安は、建築後30~40年と言われています。市有建築物は、築後30年以上の建築が全体の40%を占めています。この全てを順番に建て替えるとした場合、総額1兆7千億円が必要となり、ピークを迎える2022年には、1000億円近いお金がかかってしまいます。厳しい財政状況の中では、全てを建て替えるのは難しいので、安易に建て替えるのではなく、建物をできるだけ長く使用することが重要となっています。
(40年経過した建物各部の様子を示すパネル)
パネル内容:30年~40年経過した建築の例 外壁の劣化、屋上防水の寿命、設備配管の腐食、ポンプやコンセントの寿命を写真で掲載。
(保全計画の例をパネル展示)
パネル内容:長く上手に使う!~壊れる前の「計画保全」へ。市有建築物のストックマネジメントを進めるために、こんな取組みをします。◎市有建築物の長寿命化(計画的な修繕、建物の耐震化):鉄筋コンクリート造:30年~40年⇒60年、木造:30年⇒45年
(市有建築物の耐震化)
パネル内容:何らかの耐震化が必要な施設は、市有建築物1460施設の内、耐震基準を満たさないものは、218施設有ります。それらの内、用途、耐震性能を考え優先的に耐震化を進める施設を選定します。
(耐震補強の考え方)
パネル内容:耐震補強の実施例を写真で展示しています。
(新しい役割を!~用途変更)
パネル内容:築50年の鉄筋コンクリート造校舎を改修し、文化芸術及び地域活動に貢献できる施設へのリノベーション例を展示。
(環境負荷低減技術 その1)
パネル内容:消防出張所の事例 地中熱ヒートポンプと外断熱工法を採用した事例を展示。
(「札幌版次世代住宅基準」策定への取り組み)
パネル内容:「札幌版次世代住宅基準」策定への取り組み。札幌市内に、「暖房をあまり使わなくてもあったかい建物」=高気密高断熱化を増やします。
このパネルには、当社の分室である北海道パッシブハウス(札幌市厚別区厚別南5丁目15-7)が、事例として掲載されました。
札幌市は、市独自の住宅性能基準として、「札幌版次世代住宅基準」の策定を進めています。
この取組は、環境問題やエネルギー問題に対応する画期的行動です。
日本の建築基準法には、建物がどの位のエネルギー消費で済むかを明確にした、決め事(強制基準)が有りません。
「札幌版次世代住宅基準」が、どの程度の強制力や市民の判断材料として活用されるのかは、今後の札幌市の動向によりますが、国が決めかねている住宅の性能基準を、全国に先駆けて進めている事は、大変期待の持てる行動だと言えます。
今回のパネル展示は、札幌市民に対し市の動向を分かりやすく説明する、大変良い企画だと思いました。