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パッシブハウス用熱交換換気装置セミナー(下)

ピーターさんから、ヨーラン社長に交代してセミナーは続きます。


パッシブハウスに付いて話します。
例えば、建物のエネルギーロスが0であれば、暖房は不要と成ります。
しかし、熱ロスが0では、空気の入れ替えが0とも言え、それは現実的に人間が使える建物では有りません。


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それで、換気と言う処置が必要となり、換気の際には熱交換が無ければ、大変大きな熱損失を伴う事に成ってしまいます。
その他に、熱伝導や施工不良部の隙間や、窓とドアの開閉や気密ロスから熱損失が起こります。


スウェーデンの壁断熱は、現在200㎜が普通レベルです。
しかし、壁断熱200㎜ではあまり良い家とは言えません。
1970年頃から、換気を重要視してきました。
しかし、その為には大きな熱源の暖房が必要でした。

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パッシブハウスの場合はどうでしょうか。
スウェーデンの、ヨーテボリ市近郊でのパッシブハウスの壁断熱は400㎜、屋根断熱500㎜、床断熱は300㎜が最低断熱厚さです。
集合住宅ならば、もう少し断熱厚さは薄く出来ます。
そうした、厚い断熱で出来たパッシブハウスに重要な事は、換気には熱交換が無いと効果少ないと言う事です。
熱交換換気措置は、パッシブハウスの必需品です。
快適な室温にした空気を、換気の為に簡単に屋外に捨ててしまっては、パッシブハウスには成りません。
そこで、熱のリサイクルが必要に成るのです。

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スウェーデンの建築基準法である、BBRでは1時間に建物全体の1/2の空気が、新鮮空気に成る様に決められています。
その規制に対し、建物をパッシブハウスにするには、熱のリサイクルが重要であり、最低でも80%以上がリサイクルされる必要が有ります。
室温のリカバリーで、換気による熱損失が20%以下で済めば、居住者の体温を始め、室内発熱や太陽熱取得で賄えます。
ヨーテボリ市の、真冬の最低気温-16℃でも、室温が20℃を保つ様に出来るのです。


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この写真は、ヨーテボリ市から少し離れた所にある、リンドースパークと呼ばれる団地のパッシブハウスの建物です。
スウェーデンで最初に出来たパッシブハウスです。


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この表は、スウェーデンの建物のエネルギー消費量を、規制化した年代別に表しています。
1995年には、1㎡当たり168Kwh/㎡年
2020年には、1㎡当たり134Kwh/㎡年
2050年には、1㎡当たり84Kwh/㎡年にする事が、決められています。
スウェーデンのエネルギー省が想定した、ヒートポンプを使った暖房などでの、省エネ想定した建物でも、124Kwh/㎡年の消費予想でしたが、パッシブハウスのリンドース団地では、68Kwh/㎡年の消費結果と成りました。
つまり、ヒートポンプを使った建物よりも、パッシブハウスの方が効果的だと言う事が分かったのです。
今後スウェーデンでは、建物をパッシブハウス化して、より高い省エネ規制が行われる事が予想されます。


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リンドースのパッシブハウスでは、竣工後5年間いろいろなデータを取りました。
この表は、2003年2月18日から2003年3月1日までの約2週間の温度記録です。
左縦は、温度です。
右縦は、熱交換機の熱交換率%を表しています。
下の横波線は、外気温度です。
中間部の横波線は、室温です。
20℃を少し上回る数値で安定しています。
上の赤横波線は、熱交換機の熱交換率です。
2003年2月19日の、青い丸部分の外気温度は-9℃位を示し、熱交換率を示す上の青い丸は95%位に成っています。
外気温度が低い時は、平均83%の熱交換率を上回る熱回収率と成っています。
2003年2月21日の赤い丸部分の外気温度は+8℃位を示し、熱交換率の赤い丸は58%位に成っています。
これは、バイパス機能が働き、外気を直接室内に入れ室温の安定を図った為です。
これは、全て自動運転で行われた事です。


パッシブハウスでは、室内が熱く成りすぎる事への調整が重要に成るのです。
この時、バイパス機能が大変役にたちます。


スウェーデンでは、リンドース団地完成以降、パッシブハウスが次々に建てられています。
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これから、どの様な事が起こるのでしょうか?
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スウェーデンで、最初のパッシブハウスであるリンドース団地は、2001年に建てられました。
その後、5年が経ち急速に、パッシブハウスの需要が伸びだしました。
最近は、パッシブハウスを希望するお客さんが大変増えています。
それは、環境に優しく省エネで、快適な住まいを求める志向が強く成った為です。
また、行政機関もそうした省エネ建物を誘導しています。


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2009年、スウェーデンの南部地方に、プラスエネルギーハウスが出来ました。
使うエネルギーよりも、作るエネルギーの方が多い家です。
年間1700Kwも、プラスに成ると言われています。
勿論、この建物にもREC Indovent社の、熱交換換気装置が採用されています。


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アーリングソースと言う市では、1960年代建てられたブローゴデン団地が有ります。
現在、この団地の大規模修繕が行われています。
しかし、その大規模修繕は、普通の修繕では有りません。
建物を高断熱化し、高性能な窓を付けます。
更に、熱交換機を各戸に取付け、省エネ家電や節水設備機器に変えます。
こうした事で、従来の消費エネルギーよりも、60%も少ない消費エネルギーで済むアパートにリノベーションしたのです。
つまり、古い建物をパッシブハウス化する事が、今後の道筋であると言えます。


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この表の様に、ブローゴデン団地では、15120Kwh/年の建物を6440Kwh/年のエネルギー消費量に変えたのです。
既存の建物を高性能化する事は、大変な省エネ効果をもたらし、環境や温室効果ガスの削減に貢献する事が出来ます。


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こうしたアパートが、スウェーデン国内には100万戸有ります。
その全部を、ブローゴーデン団地と同じ様に、パッシブハウス化すると8.68Twh/年の電力が節約出来て、スウェーデン国内にある10基の原子力発電所の内、1~2基位を閉鎖しても国内の電力が補える効果ある試算に成ります。


REC Indovent社は、安心、安全、使い易さ、シンプル、そうした製品を提供して行きます。
ご清聴ありがとうございました。


以上がセミナーの内容です。
熱交換換気装置のセミナーでしたが、スウェーデン国の省エネ政策を始め、環境対策など幅広い取り組みから、良い製品が生まれる土壌がある事が分かると思います。
日本と比べると、GDPも少なく、人口も少ない。
国土は北に位置し、決して気候風土に恵まれているとは言えない国が、こうした取り組みをしている事に対し、日本人は謙虚に見習う事が必要ではないかと思います。


今回のセミナーを拝聴して思う事は、
パッシブハウスは時代の流れで、遅かれ早かれ日本でも、本腰を入れて取り組まなくては成らない時期が来る事。
環境、エネルギー問題の解決策は、高効率設備機器の導入よりも、建物のパッシブハウス化が先である事。
パッシブハウスには、高性能な熱交換換気装置が不可欠である事。
日本の換気に対する取り組みは、20年位遅れている事。
また、性能に対する理論や観点の見直しが必要であり、それを北欧やドイツから学び、飛躍(リープフロッグ)しなくては追いつけない事。
国内市場にある、熱交換換気装置の性能比較を行い、公表する必要がある事。
性能テストの基準も、EUや北欧に倣い、早急に体制整備が必要である事。
フィルターには、EN-779基準があるので、日本製品もその性能値比較を公表すべき事。
などです。


熱交換換気装置の内容以外に、いろいろと考えさせられたセミナーでした。

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パッシブハウス・無暖房住宅・外断熱の今川建築設計監理事務所: 2010年12月28日|ページの 先頭へ|