2010年2月4日、多忙な中、上田札幌市長が無暖房住宅PROJECTを視察されました。
昨年、11月27日NPO外断熱推進会議として、上田札幌市長を表敬訪問した際、工事中であった無暖房住宅PROJECTを紹介しました。
上田市長は大変興味を示され、翌年2月の視察を約束されました。
それが、実現し視察の運びと成ったのです。
当日は、市の建築関係者、環境部の方々も来られ、札幌市のパッシブハウスへの関心の高さを感じました。
また、HBCテレビが、2年前から無暖房住宅、パッシブハウスへの取材を続け、今回の完成までの足取りをまとめた形で、当日の夕刻ニュース番組で流す為、撮影に来ました。
当日と前日は、ここ数年間に無かったと言われる様な寒気が入り、大変寒い日に成りました。
外の温度計は、市長訪問時の9:00でも、-10℃を表していました。
昨年市役所の市長室で、『是非一番寒い2月に訪問して下さい。』の私との約束通り、一番寒い日を訪問日に決められた上田市長の『強運』を感じました。
(熱心に、無暖房住宅PROJECTの説明を聞く上田札幌市長。)
(最大の特徴である、各部の断熱厚さ、窓性能に付いて説明をしました。)
(窓の断面サンプルを使い、無暖房住宅PROJECTの窓性能を説明している様子。)
(上田札幌市長は、将来のエネルギー不足や温室効果ガス削減問題を考えると、建物のパッシブ化は不可欠である事を話されました。)
(HBC北海道放送のテレビ取材を受ける上田札幌市長)
(上田市長と、中央は総合施工会社福島工務店の樋口課長)
(市長が帰られた後も、市の職員の方々は熱心に質問をされました。)
翌日の北海道新聞には、2月4日に発表された、札幌市の2010年度予算案の内容が掲載されていました。
その中で注目したのは、環境の項目に、『無暖房住宅普及へ調査』の言葉が載った事です。
以下、北海道新聞2010年2月5日朝刊の記事の一部を記載します。
札幌市が4日に発表した2010年度予算案は、「新しい札幌を創(つく)る」として、本年度予算に引き続き、福祉の充実、環境を重視するまちづくりなど五つの柱を立て、事業を打ち出した。経済・観光分野では札幌観光を外国にPRする「シティプロモート」、子供・教育分野では公私立保育所定員の820人増などを打ち出した。(100万円未満は四捨五入)
【途中略】
■環境
無暖房住宅普及へ調査
環境分野では、環境負荷低減へ向けた建築物の整備事業として2億3100万円を計上。高気密・高断熱仕様の「無暖房住宅(パッシブハウス)」の普及に向けた調査を始めるほか、中央図書館や中島児童会館などの市有建築物の太陽光発電、発光ダイオード(LED)整備を加速する。
【以下略】
この記事内容の様に、公の予算内に『無暖房住宅』と言う言葉が使われた事は、大変大きな意義があります。
2003年スウェーデンのリンドース団地に建っていた、無暖房住宅を見てから7年あまり経って、北海道の公の場で、その言葉が使われたのです。
北海道に、無暖房住宅を建てたいと考え、7年掛け漸く完成の日の目を見た建物が誇らしく見えました。
そしてそれは、余りにも遠かった、スウェーデンやドイツとの距離が、近づいた様に思える事でもありました。
今回のPROJECTが、札幌市のパッシブハウス(無暖房住宅)推進に、役立てばと考えています。