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基礎からの熱損失を防ぐ

無暖房住宅PROJECTの基礎は、熱損失0.158W/㎡k(土間下EPS300㎜、基礎外側EPS125㎜、基礎中央部XPS75㎜、基礎内側EPS50㎜)です。
基礎施工時の重点目標は、厚い断熱材の位置保持と躯体寸法精度です。


EPS断熱材は、岩倉化学工場での指定サイズカットで、寸法精度を高めました。
この工場カットで、カット廃材のリサイクル率も100%達成できました。
小さな試みですが、断熱材のリサイクル率の低さを考えると、無暖房住宅PROJECTの試みは大きな意義が有ると考えます。
断熱材の省エネ効果と相反する、断熱材のリサイクル率は、建設業界の大きな課題であると考えています。


また、断熱施工と基礎型枠工事の施工精度は、基礎工事を施工した叶躯建の技術力によってその目標値をクリアーする事が出来ました。
工事を担当した、叶躯建の笛吹(うすい)さんの前向きな仕事ぶりは、工事精度を高め上質な品質の基礎を造り上げてくれました。


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(現場内に搬入された基礎用断熱材の一部、今回は岩倉化学のEPS材を、工場で指定サイズにカットして現場搬入した。)


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(基礎外周EPS125㎜から施工開始している状況)


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(土間下、EPS300㎜施工完了の全景、今回の工事は総合施工を小樽の福島工務店が行い、基礎工事は叶躯建が施工しています。)


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(基礎と耐圧版の配筋全景)


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1階床下は、給排水管の維持保全の為、ピット形式にして点検出来るスペースとしています。
その条件として、室内温度に出来るだけ、同調出来る事が必要と成ります。


2009年3月に訪問した、ドイツのパッシブハウス研究所では、今PROJECTの図面を見せた際、『このスペースを無くせないか』と指摘されました。
暖房設備が無いこの様なスペースは、結露を起こす危険が有る事、熱負荷を高める原因に成る事が理由です。
この指摘は想定内の事でしたが、長期優良住宅の指針には、給排水管の維持保全の為スペース確保が条件とされています。
また、実際に日本の給排水管の材料性能や、その他の配管接続機器などの事を考えると、維持保全の為のスペース確保が必要と考えます。
さらに、多雪地域特有の1階床高さを高くする利点も、そのスペース確保の条件と成っています。


そこで、どの様に基礎からの熱損失を少なくするか、検討しました。
今回の壁断熱は、断熱厚さ確保の為、軸組みを2層にしています。
この構成や構造上への異論は今後の課題として、耐震性、外装材や断熱層保持の意味から、今考えられる方策として軸組み2層構造としました。
壁2層構造に対応する為に、基礎断熱も2層構造としました。

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(基礎外側EPS125㎜、中央部EPS75㎜、内側EPS50㎜の断熱状況。耐圧版コンクリート施工後の基礎立上り部の写真)


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(基礎立上りコンクリート打ち前のアンカーボルトと断熱材状況)

基礎への充分な断熱施工で、基礎からの熱損失は大きく改善できると考えています。
今回はEPS断熱を採用しましたが、断熱材の加工厚さの最大が125㎜の為、断熱材をより厚くする事が出来ませんでした。
今後は、更に厚い断熱材を使用する事で、基礎からの熱損失はより改善出来ると思います。
1階床下スペースの温熱環境対策は、今PROJECTの工事進行掲載で、今後に触れる事とします。

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パッシブハウス・無暖房住宅・外断熱の今川建築設計監理事務所: 2009年10月15日|ページの 先頭へ|