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蓄熱するボード(PCMスマートボード)

2009年3月4日(水)
ドイツ、ルートヴィヒスハーフェン市、BASF社グループ、LUWOGE社訪問


ドイツ、BASF社のMicronal PCM-SmartBoard(スマートボード)は、蓄熱放熱を繰り返すボードです。
そんな夢の様な材料が、ドイツでは2003年から市場に出ています。
また、スウェーデンのプラスエネルギーハウスでも、天井材に採用されていました。

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ボード構成材の中に、蓄熱する素材が含まれています。


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ボードのサイズは、2.0m×1.25m、厚さは15㎜、重量は11.5㎏/㎡です。


PCM=Phase Change Materials(段階的に変化する材料)の略語で、今後注目される材料です。
Micronal® PCM は,ワックス(パラフィン)を特殊ポリマーでカプセルに閉じこめた白色微粉体(直径約5μ)で,以下のような特徴のある相変化材です.


PCMスマートボードは、どの様な仕組みで蓄熱するのかと言うと、材料に含まれるそれぞれのコア内に、極めて微細な小さなプラスチックの球に入ったワックス状の記憶媒体が入っています。
その記憶媒体特性は、温度が上るとワックスは溶けて、相変化材料は熱を吸収します。
温度が低下すると、ワックスは固まり、相変化材料は熱は放出します。
相変化の間、温度は一定のままで残っています。
この繰り返しを行うPhase Change Materials(段階的に変化する材料)を、動作のメカニズムから製品名にしています。
また、この媒体の量などの加減で、用途とする製品の希望する温度設定が可能です。


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Micronal ®PCMsは、ホルムアルデヒドを含まない高純度storers潜熱ワックスから作られたマイクロカプセル化されています。


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室温が22°を超えると、ボード内の特殊カプセルに熱を蓄えだして、26°に成るとその蓄積を止めます。
室温が26°を下回り、室温が更に下がると、蓄積させた熱をどんどん放出させ、その蓄熱放出を続けます。
BASF社では、10000サイクルの繰り返し実験により、蓄熱効果は30年以上保つ事を確認しています。


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ボードの他、漆喰塗り壁材、ブロック建材にPCM材を含ませ、その効果のアップや用途を広げています。

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左から、熱を蓄える状態 ⇒ 蓄熱開始 ⇒ 所定の蓄熱量に達する ⇒ 室温が下がると放熱
以上を繰り返し行う。


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室内に、PCMスマートボードを貼ると、ボードが蓄熱する事で日中の室内温度の上昇を和らげます。
夜になり、室温が下がりだすと蓄熱ボードは、熱を放出して室内温度の安定を保ちます。
この繰り替えを毎日行う為に、室内温度の安定に寄与します。


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1.5cmのスマートボードは、厚さ9.0cmのコンクリート、厚さ12.0cmのブリックの蓄熱容量に匹敵する。


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この例は、天井材にPCMを取り付けた熱給放出システムです。
日中に熱を蓄え室内温度を安定させ、夜間にベンチレーション部から蓄えた熱を放出する事を繰り返し行います。
これにより、室内温度の安定を計る仕組みです。


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この例は、床暖房パネルにPCMを使ったものです。
余熱を蓄えて、床暖房効果の継続性を保つ事に役立てます。


日本では、三菱製紙がサーモメモリーと言う名で、商品化を進めている様です。
理論的には、PCMスマートボードと同じ様です。


三菱製紙サーモメモリー


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また、2001年度の日本建築学会計画系論文集、第540号に『潜熱蓄熱壁体蓄熱システムに関する研究』と題し、近藤武士先生他の連名で研究発表されています。
研究発表から8年以上経過していますが、国内製品としてはまだ市場には出ていません。
BASF社では、2003年からドイツや他の国々へ製品出荷されています。
蓄熱ボード材などの省エネ建材を、早く日本市場に出してほしいものです。


日本建築学会計画系論文集、第540号に『潜熱蓄熱壁体蓄熱システムに関する研究』
PDFは、下記で見れます。
『潜熱蓄熱壁体蓄熱システムに関する研究』

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パッシブハウス・無暖房住宅・外断熱の今川建築設計監理事務所: 2009年06月01日|ページの 先頭へ|