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3Lハウス

2009年3月4日(水)
ドイツ、ルートヴィヒスハーフェン市、BASF社グループ、LUWOGE社訪問。


年間の暖房用エネルギー消費量が、㎡当り30KWh(オイル換算3L)と、10KWh(オイル換算1L)の、共同住宅がドイツに有ります。
ドイツのBASF社の社宅がそれです。
BASF社は、ドイツのルートヴィヒスハーフェン市にある、世界最大の化学メーカーで、その不動産部門であるLUWOGE社が管理している建物です。
LUWOGE社は、賃貸8000世帯、分譲2000世帯を扱っています。


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LUWOGE社社屋。


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LUWOGE社の広報担当、Jasmin Haile(ジャスミン ハイレ)さん。


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LUWOGE社の建築家、Andre Zaman(アンドレ ザーマン)さん(左)と、通訳をして頂いたアンドレア・クーラーさん(右)。


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LUWOGE社内に有った、社宅配置模型。
社宅は、3L、1L、5L、7Lと、造り方や年代で性能の違いが有るようです。
また建物は、BASF社の製品(断熱材、蓄熱建材等)性能実験にも使われています。


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写真は、旧社宅街の全景です。
この頃の社宅は、日本的な下駄履き住宅で、造り、性能、機能面で社員には人気が無かったそうです。
そこで、住宅の性能や設備の充実を図り、団地内の道路も車が余り入り込まない工夫をなどを施しました。


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現在の団地上空写真。


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3Lハウスの上空写真。
市内の幹線道路に面する側に、道路と平行する細長い社宅を造り、他の社宅の遮音効果を高める工夫をした建物配置としている。
勿論、道路に平行している社宅は、道路面を社宅の廊下として、その建物内も音の対策を講じています。


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絵は、上の写真と同じ方向から、各建物の性能(L数)値を表したものです。
3Lハウスの他に、5L、7Lハウスなどが有ります。
絵の下側、赤く左右に長い建物が、遮音用社宅棟。


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幹線道路と平行する社宅。
団地内の遮音効果を高める役目をしている。


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逆方向の写真。
長さは、200m以上ありそうです。


3Lハウスは、1951年の建てられた建物を、8年前に改修したものです。
3Lハウスは、名前通り暖房用オイルが㎡当り、3Lの消費で済む共同住宅です。
3階建て、地下1階(機械室)、9世帯が住むBASF社の社宅です。


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妻側から見た3Lハウス。


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妻壁に掲げられていた、3Lハウスの性能概念絵。


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性能概念絵の拡大写真。
3Lハウスは、外壁をNeopor断熱材(BASF社開発の高性能EPS断熱材)厚さ200㎜を外張りして、屋根にもNeopor断熱材厚さ200㎜を外張り、窓は樹脂サッシU=0.85W/㎡kに取替える事で改修している。
また、一部の部屋には、蓄熱する建材PCMを使った漆喰材が使われています。


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こちらは、バルコニー面からの3Lハウスです。
地下の機械室は、バルコニー面から入ります。
またバルコニーは、単独自立型で本屋とは、断熱区分されています。


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バルコニーの写真です。
スチール製の柱と、アルミ性の手摺で構成されています。
窓には、太陽熱の遮熱対策と窓の断熱効果を高める、外付け横引き戸が全窓に取り付けられています。


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外断熱の建物では、熱橋対策が必要です。
特に、バルコニーは熱橋対策上、この様に単独して本体と切り離す構造とするのがベストです。


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改修工事の3Lハウスに措いても、バルコニーの処理が大きなポイントです。


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改修前の、3Lハウス建物。


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外壁の外断熱化工事中、200㎜厚のNeopor断熱材を外壁に貼り高断熱化を図る。


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同じく、Neopor断熱材の施工。


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屋根にも、Neopor断熱材200㎜厚を外張りした。


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窓は、U値0.85W/㎡kのPVCサッシに取替えた。


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屋根裏スペースには、セントラル型熱交換換気装置を設け、9世帯の室内換気を行っている。
熱交換率は80%。


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小屋裏機械室の写真。
1929年代の屋根小屋梁がそのまま残されて、屋根を支えていました。


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共用玄関ドアの様子。
複層ガラス入り、気密性能を高める為に、気密ゴムは2層に成っていました。
防犯上、ドアは電気錠です。


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この様にして、1951年の建物が、㎡当りの暖房エネルギー消費が、僅か3Lですむ高性能な社宅に変身したのです。


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3Lハウス向かいの、7Lハウスの窓に取り付けてある鎧戸です。
太陽熱を外部で遮断する為の処置です。
他の5Lハウスにも、鎧戸が装備されています。


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5Lハウスの、窓遮熱様の鎧戸。


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同じく、5Lハウスの窓鎧戸。
各窓は、内開き窓の為、室内から鎧戸の操作が可能です。


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表は、上から、暖房用燃料消費量、CO2排出量、暖房コストの順で、ドイツの古い建物(左端)と、3Lハウス(左から3番目)は、全てで1/7の量又は削減になる事を表しています。


3Lハウスは、1951年築の建物を改修して出来た建物です。
今から58年前に建てられた建物が、現在の建物以上の性能を持つ物に変ったのです。
この様な改修工事は、ドイツを始めEU諸国では盛んに行われいます。
毎回話す様に、時代は省エネと環境改善を求めています。
温室効果ガスの削減数値を、世界の中でも厳しい数値を掲げる、EU諸国を代表するドイツの姿勢がこの様なプロジェクトに現れていると思います。


3Lハウスに改修された事により、旧建物で年間ヒーティングに費やしていたオイル量、㎡当り25Lが、3Lに減りました。
これにより、ヒーティングによるCO2排出量が、80%も減った事に成ります。
しかも、この改修工事例は、一企業が行っている事であり、国や市の工事ではないのです。
企業の福利厚生の目的と、自社製品の実証試験を兼ねてはいても、結果的には環境改善と省エネ化の実践を行い、良質な環境製品を作りだす事に繋げています。


日本では、築30年前後の鉄筋コンクリート造建築物が、どんどん解体され建替えられています。
その建替えられている建物も、ドイツなどから比べると、決して省エネ効果の高い建物では有りません。
日本の現状との違いを、大きなギャップとして見る事が重要です。
BASF社が行う様な改修工事を日本でも行えば、建替えに要する費用の削減、新築工事で発生するCO2量の増加を抑え、性能の良い建物を造る事で更にCO2が削減できる事は、誰にでも予測できる事だと思います。


1Lハウスへ続く。

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