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1Lハウス

2009年3月4日(水)
ドイツ、ルートヴィヒスハーフェン市、BASF社グループ、LUWOGE社訪問。


今回は、1Lハウスを紹介します。
1Lハウスは、年間の暖房エネルギー消費量が、オイル換算で1.0㎡当り1Lで済む住宅です。
3Lハウスは、築58年の建物を断熱改修工事他で性能を上げた住宅でしたが、1Lハウスは旧建物跡の建替え新築の住宅です。
構造は、ドイツに多い組積造(メンソンリー)です。
BASF社の社宅として、LUWOGE社が管理しています。


また、1Lハウスの性能値は、ドイツのパッシブハウス研究所(PHI)が開発した建物性能診断ソフトである、PHPP(Passive House Planning Package)の計算で出された数値です。
ドイツでは、パッシブハウスの認証を取らずに、PHPPでの計算だけを行うケースも有ります。
PHPPを使用する事で、その建物の性能値の信頼性を得る結果に成っています。
それは、ドイツのパッシブハウス戸数が10,000戸を超え、その実測データーがPHPPでの計算結果と差異がない事で、信頼性が高まった事がその理由でも有ります。


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上空から見た、LUWOGE社、3Lハウス、1Lハウスの配置。


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1Lハウス(写真手前)と、LUWOGE社(写真上)。


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写真当時は、1Lハウスは竣工間際の外構工事中の様です。


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1Lハウスと団地内道路の様子。
1Lハウスは、赤、青、黄色に外色が特徴です。


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赤色を基調とした1Lハウス。


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1Lハウスの南面。


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青色を基調とした1Lハウス。


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黄色を基調とした1Lハウス。


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1Lハウスの屋根は、日差し避けの為深い庇が特徴です。
また、窓には外付けブラインドが取り付けられています。


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屋根庇の造り。
屋根下地を露出して塗装仕上げとしている。


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窓廻りの様子。
1Lハウスの外壁は、Neopor断熱材300㎜湿式外断熱工法で施工されています。


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窓の外付けブラインド。
ドイツの建物には外付けブラインドが必ず取り付けられています。
高断熱建物の夏場対策は、外部での遮熱対策が重要です。
ブラインド収納部は壁と一体化したディテールの為、断熱処理がポイントに成ると思います。


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共用玄関ドア廻りの様子。
外壁の断熱区分は、この共用玄関内部の階段室壁で行っています。
共用玄関、階段室は、風除室と同じ役目をしています。


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1Lハウスの性能概念図です。
建物構造は、360㎜厚のブロック造で、壁はBASF社が開発した高性能EPS材、Neopor材300㎜の外断熱湿式工法です。
屋根は、Neopor材600㎜で施工しています。
1階と地下階とは、250㎜で断熱区分されています。
窓には、PVCサッシU値0.8W/㎡・kが取り付けられていて、外付けブラインドで遮熱対策を取っています。
換気は、熱交換換気装置で行い、熱回収率は85%です。
暖房は、熱回収された吸気を加熱して供給されています。
浴室にだけ、パネルヒーターが取り付けてあります。
裸になるスペースでは、室温に不足を感じるおそれが有る為に、セットされているそうです。
また、小さな地域暖房を目指し、コージェネレーションシステムを使い、発電で14KW、排熱で26KWを作りだしています。


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B1階のプラン図です。
地下には、車庫が有ります。


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1F階のプラン図です。
見学した部屋は、このプランと逆タイプに成ります。


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2F階のプランです。
浴室は、2Fに有ります。


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共用スペースからの、玄関断熱ドア(室内側から撮影)。


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同じく、玄関断熱ドア(室内側から撮影)。
気密ゴムとドアハンドル。
左側に見えるのは、共用スペース。


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リビングルームを展示スペースにしていますが、そこに置かれていたNeopor断熱材のサンプルです。


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Neopor断熱材と、EPS材であるStyropor断熱材を比較したサンプルです。
EPS材Styroporは、熱伝導率0.040W/mkで20㎝に対し、Neoporは、熱伝導率0.032W/mkで厚さ16㎝で同等で有る事が掲示されています。


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リビングの窓。
PVCサッシで、U値0.8W/㎡・k性能値です。
ドイツの窓では、木製サッシよりも、PVCサッシが多く使われています。


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リビング側から見た、台所と食堂スペース。
このスペースにも掲示物が掲げられていました。


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この掲示は、Zero-heating cost houseと呼ばれる、1Lハウスの上を行く省エネハウスです。


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屋根をはじめ、妻壁にもソーラーパネルを取り付けた建物です。


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このパネル掲示は、1892年(117年前)の建物を、改修した事例紹介です。
各部の断熱改修を始め、窓やドアを取替え最終的には、353kWh/㎡aだった年間消費エネルギー量を、56kWh/㎡aまで改善させたものです。
ドイツでは、建物を解体して新築する事よりも、建物の再生を前提にしています。
先の3Lハウスも、1951年(58年前)築の建物を改修した例でした。


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LUWOGE社では、古い建物を再生させる事にも力をいています。
ドイツ以外の、フランスなどでも建物再生プロジェクトを行っています。


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台所側から見た、右リビングへのドアと、2階への階段です。


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2階への階段です。


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2階には、3室と洗面、浴室が有ります。


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トイレと浴室のスペース。


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2階のトイレ。


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2階のPSに有る、熱交換換気装置です。
機械本体の大きさから察する、熱交換部分の大きさから、熱交換率85%の数値には疑念が有りました。


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PS内の配管保温状況です。
保温の厚さは施工精度は、見習うべき所です。

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