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窓とドアに付いて

建物の外郭を造る際、外壁は付加断熱か2重構造付加断熱により、その性能を高める事は可能です。
パッシブハウスや無暖房住宅の様な高性能な建物を造る時には、現状それ以外の方策が有りません。
次に、外郭で重要な部位は窓とドアです。
建物には使用上、窓とドアが必要ですが、その性能を上げる事と取り付け方がポイントに成ります。


窓から考えて見ましょう。
現状、国内で手に入る窓の性能は、北海道の住宅で一般的に使用されている、樹脂サッシ(PVCサッシ)の性能は、K=2.33W/㎡・Kです。
窓は、Low-Eガラス仕様のペア(2層)ガラスです。
最近、シャノン社が、ガラス3層仕様で、K=1.23W/㎡・KのPVCサッシ製品を発売しました。
また、ガデリウス社が輸入販売している、スウェーデンのエリート社製木製サッシは、ガラス3層仕様で、K=1.3W/㎡・Kの性能です。


窓の性能は、ガラス部位のみの性能では無く、窓枠部位の熱伝導や開閉部金物の熱伝導と、開閉部の気密性能も重要に成ります。
特に、気密材は経年変化などで年々性能が落ちてくる為、メーカーの部材ストック期間(保存期間)なども、視野に入れて採用判断しないと、国内メーカーは10年以内位で、その気密材などの部材が無くなる様です。
私の住まいの窓は、シャノン社がPVCサッシを開発販売した当初のモノで、気密ゴム等が劣化して取替えを考えましたが、シャノン社には在庫が無いそうです。
この様な状況は、国内製品全てに言える事で、部材の交換で永く使用する事を好まない、日本の社会体質がそこに存在しています。


また、窓の取り付け方も、国内製品と外国製品では、その姿勢が表れています。
国内製品は将来窓の取替えには、窓の内外の仕上げ材を取り外さなくては成らない様な、取付け方法に成っています。
スウェーデンやノルウェー製の窓は、窓枠から窓下地材に対し、固定する金具が延びて取付ける方式に成っています。

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(Elit Fonster社のカタログから)


取り外す時は、その延びる金具の中で固定用に取付けたビスを外し、その固定金具を縮める事で、窓枠と窓下地の間に10㎜程の空間ができ、取り外せる様に成っています。

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(窓水平断面)


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(窓下回りのおさまり絵)


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(窓枠に付いている取り付け固定金具と調整六角レンチ、金具伸ばし前)


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(取り付け固定金具を伸ばした状態)


スウェーデンの住宅現場で見た窓の取り付け順序を紹介します。
写真は、外装材が貼られた状態で、窓の外寸法よりも10~15mm大きく開口されている処です。


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(スウェーデン、ヨーテボリ市郊外の団地住宅)


写真は、窓の下場側に板金で出来た水切りが付いている処です。
この状態で、内側から窓が取り付けられます。

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(スウェーデン、ヨーテボリ市郊外の団地住宅)


写真は、窓が取り付けられた状態を、内側から写したものです。
窓枠と下地材間には、10㎜程度の隙間が見えます。
その間に、断熱材または気密材を詰め隙間を埋めます。
将来取り外しの際は、この隙間があるので外側の水切りと外壁の一部を外すと、窓は取替える事が可能と成ります。


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(スウェーデン、ヨーテボリ市郊外の団地住宅)


窓の垂直、水平を確認して、先程の窓金具を下地材まで伸ばし固定します。
金具は中空なので、その中からビスで下地に留めます。
また、その窓と下地材間の10mm程の隙間に詰める断熱材が有ります。


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(断熱材製造メーカー、PAROC社のカタログから)


窓と下地材間の隙間に詰める断熱材です。

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(断熱材製造メーカー、PAROC社のカタログから)


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(断熱材製造メーカー、PAROC社の社内展示から)

窓と下地間に詰める断熱材の実物大模型です。


外装材は、窓と外装材間を塞ぐ様に取り付けてあり、その塞ぎ外装材を取り外す事で、窓は外側に移動出来る事に成ります。
窓は、今後益々、性能向上して行くと思います。
その際に、窓が比較的簡単に取り外せる仕組みは、将来に亘り建物全体を維持する上では、必要不可欠な機能です。
多くの部材で成り立っている建物には、取替えられる事も想定されている事が必要です。
日本に措いて、メンテナンスを語る際、この様に取替えの出来る仕組みや機能を考えた製品がどれ程あるでしょうか。


また、スウェーデン製の窓は、開閉部の気密ゴム材の性能も、経年変化が少なく劣化しずらい品質です。
気密測定を実施すると、日本性能の窓とスウェーデン製の窓の、性能が大きく違う事が分かります。
こうした海外の窓の違いを見ると、日本では住い造りを前進させる様な思いを感じ取れない、情けない現状が有ります。


パッシブハウスや無暖房住宅には、ヨーロッパ圏での窓性能AランクであるU=0.9W/㎡・K以上が必要です。
しかし、日本製品にはその様な性能の窓は有りません。
スウェーデン製品輸入会社、ガデリウス社の扱うエリート社製の高性能窓は、U=0.9W/㎡・Kで、パッシブハウスや無暖房住宅で採用する性能です。
仮にこの窓を購入すると、輸入期間が3.5ヶ月、価格は、K=1.3W/㎡・K木製窓製品の1.8倍します。


大まかな価格比較をすると、国内普及PVCサッシK=2.33W/㎡・K ⇒ K=1.23W/㎡・Kは、(その2倍) ⇒ エリート社K=1.3W/㎡・Kは、(更にその3倍) ⇒ エリート社U=0.9W/㎡・Kは、(更にその5.4倍)の価格上昇です。
こうした、価格と輸入期間などを考えると、国内では性能の良い窓を中々採用出来ない事が分かります。
お金と時間が必要に成ります。


木製の断熱ドアは、性能が大変良いので私は採用しています。
玄関ドアに付いても、取り付け方は窓とほぼ同じです。
ドア側枠にある、取り付け用穴からビス止めします。
ドア枠と下地間は、10㎜程の隙間を設け、その間に断熱材を隙間無く詰め、内側からシールして防湿シートと一体化を図ります。


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(木製断熱ドア)
この木製断熱ドアは、ガラス無しドアでK=1.0W/㎡・K以下、小窓付きドアでK=1.16W/㎡・K以下、
サイドガラス付きドアでK=1.7W/㎡・K以下の性能です。


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(ドアの断面)

ドアの断熱材は、インシュレーションボードを採用し、表面材の裏にはアルミ単板0.5㎜厚を使用しています。
こうした事で、ドアの狂いを最小にしています。
木製ドアと聞くと、維持管理を問われる方もいますが、性能の確かさとその必要性をお話して採用して頂いています。
ドアと窓は、建物の外郭では重要な部位です。
そうした中で、取替えの利く窓とドアに付いて、今一度考えてみる必要が有ると思います。

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パッシブハウス・無暖房住宅・外断熱の今川建築設計監理事務所: 2009年01月24日|ページの 先頭へ|