パッシブハウス・無暖房住宅・省エネ環境住宅・RC外断熱、北海道・札幌市・北広島市の今川建築設計監理事務所サイト へようこそ

 
●トップページへ ●初めての方へ ●住まいの相談 ●お問い合わせ ●アクセス ●リンク ●サイトマップ 

不織布の使用

不織布を知っている建築技術者はどれ程いるでしょか。
あなたは、不織布を知っていますか?

土木技術者は、知っている方が多いと思います。

スウェーデンでは、基礎下の砕石地業工事に不織布を使用しています。
どの様に使うのかと言うと、不織布を敷きその上に砕石を載せ、転圧して基礎下の基盤を造るのです。


1571.jpg
砕石手前に見えるのが不織布(スウェーデンの現場)

953.jpg
山積みの砕石の下に有るのが、不織布(スウェーデンの現場)

不織布を使うとどの様な効果あるのでしょか。
不織布無しの砕石地業では、年月が経つと砕石が地盤土に食い込んで行くため、砕石地業の効果が年々落ちてきます。
つまり、地盤土の柔らかい部分や建物上部荷重の大きい部分は、砕石が地盤土に食い込んでしまうのです。


しかし、不織布を砕石の下に敷くと、不織布が砕石の地盤土への食い込みを防ぎます。
この効果の差は、基礎が地盤に荷重を伝える効果に大きく影響します。
特に日本の様に、地盤が軟らかい地層の国では効果絶大です。


スウェーデンの建築現場や土木現場では、基礎下の砕石下には必ず、不織布を敷いています。
スウェーデンは日本と違い岩盤地質の国ですが、地域により粘土質の表土地層もある様で、その様な場所では必ず不織布が使われています。

スウェーデンの様に耐久性を重視する国の仕事では、必要不可欠の材料です。
しかし、日本の建築現場では使用は皆無です。
特に、住宅建設では使用されていません。
世界的にも進んでいるはずの、日本の建築技術なのに、何故不織布が使われないのか不思議です。
常識的に使用されているスウェーデンと使用されていない日本との違いは、単に材料の使用有無以上に、根本的な物事への取り組みが違っているからだと思います。


物造りの基本的な考えの違いが、その使用の差と私は考えています。
スウェーデンの物造りは、形が無くなるまで使い切ると言う考えが有ります。
壊れるまで使うが、基本的に有るのです。


最近の社会情勢により、日本でも使い捨てが見直される傾向に有りますが、スウェーデンから見るとまだまだ、生温いと思います。
例えば、日本では行く先々で見る、道路掘削工事ですが、スウェーデンでは殆んど見かけません。
スウェーデンに行くと、いつもその違いが話題に成ります。
どうして、日本ではこの様に、道路掘削が多いのか私には疑問です。
無駄使いをしている様にしか見えません。
地下配管の耐用年数や、配管の保持問題も工夫や研究で、改善出来るのではないでしょうか。
毎年の様に、道路掘削作業を続けるやり方は、果たして現状に即しているでしょうか。


スウェーデンの視察から、不織布を知りその効果を信じています。
基礎の下は、建物を解体するまで施工した状態です。
ですから、永く使う手立てを施して造らなければ成らないと考えています。
そうした部分に対する施工方法は、自ずとそれだけの施しが必要だと思います。
私も最近の設計からは、不織布を使用しています。

P5270069.jpg
基礎ベース下に使用中の不織布

PICT2590.jpg
土間下に使用中の不織布


確かに、材料費と手間費は掛りますが、お客さまに説明して設計仕様にしています。
長く使う建物にこそ、必要な材料だと考えるからです。
日本の建築では珍しい不織布使用ですが、スウェーデンでは普通の採用基準です。

トップページへ > その他トップへ

パッシブハウス・無暖房住宅・外断熱の今川建築設計監理事務所: 2008年11月06日|ページの 先頭へ|