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留学生の生の声

先日、お客様であるK・Fさんの経営する、ビール店に行きました。
K・Fさんは、アメリカ人です。
その店は、外国人が多く来る店で、外人バーと呼ばれています。
そこでアルバイトをしている、スウェーデン人の留学生がいました。
その女性は、ヨーテボリ市出身で、北海道や札幌市の感想を聞いてみました。
(彼女は、日本語を学ぶ為に留学中で、片言の日本語しか話せない為、複雑な言葉はK・Fさんが英語で通訳しました。)


日本、札幌の感想は:大変気に入っている。治安が良い、食べ物が豊富で美味しい。刺身が好き。
札幌とヨーテボリ市の気候を比べると:札幌の方が寒い、そしてヨーテボリ市の方が雪が少ない。
現在の住い(アパート)の感想は:大変寒くて、隣からの物音が聞こえ(遮音)最悪。


スウェーデンの治安が悪いとは、意外でした。
犯罪が皆無とは思いませんが、スウェーデンを訪問した際、テレビでは事件の報道は殆んど見ていませんし、滞在中にパトカーのサイレンなども、耳にしていませんでしたので、その様な印象が有りませんでした。


気候に付いても、札幌の方が暖かいとの感想も、意外でした。
私がスウェーデンを訪問した時期(1月~3月)の気温は、札幌よりも高く、市内の桜開花も、札幌よりも1~2週間早い状態だったからです。
気温よりも、積雪の多さによる視覚からの北国イメージと、日本特有の湿度が関係している様に思えました。


ただ一つ、日本の建物に付いては、意見が一致です。
アパートの状況は、日本の建築の質を如実に表しています。
日本は、木と紙の文化とは言いますが、その中でプライバシーと室内温熱環境は最悪です。
スウェーデンのホテルでは、安いホテルでも遮音と室温は確保されています。
これは、建物の用途として兼ね備える必要最低限度の性能です。
それを満足出来ない建物ばかりが存在する日本の現状を、彼女は見ているのです。


スウェーデンの断熱材メーカーカタログには、断熱材の遮音効果に付いての掲載が必ず有ります。
スウェーデンでは、室内の温熱環境と遮音は、同等に重要視されている事が分かります。


私は、留学生が片言の日本語で話してくれた感想に、自分の仕事を重ね、日本の建築業界が抱える大きな問題の根深さを感じました。
それは、私がスウェーデンを訪問するたびに感じている事でも有りました。


日本の建物は、本来兼ね備えていなければ成らない、性能や省エネ性も持たない、上辺を着飾っただけの建物である事実を改めて感じました。
留学生が指摘した建物の問題が、日本の環境や省エネ対策の、障害に成っている事も示しています。

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パッシブハウス・無暖房住宅・外断熱の今川建築設計監理事務所: 2008年05月25日|ページの 先頭へ|