Q値0.80の家には、撒きストーブが取り付けられました。
高気密住宅に、内部燃焼ストーブの設置は、建て主様と私の間で、難しい問題の一つでした。
建て主様の、『私の夢の一つ』との言葉に、同意した私ですが、高気密住宅での内部燃焼機器には、頭を悩ます問題ばかりでした。
特に、外部貫通部の気密・断熱処理は、完璧な状態は難しく、その処理状態に寄っては性能に直結する事ばかりでした。
撒きストーブ用煙突の断熱処理状況。
充填断熱の限界から、ロックブロー方式で断熱と防火処理を行いました。
この後、ロックブローは上まで隙間無く入れます。
煙突の内側は、スレート張り済みです。
屋根裏の断熱煙突貫通部の、気密処理の状況です。
気密試験の際は、この部分からの漏気が確認されました。
2重、3重にしていても、処理のしずらい部分は、完璧な状態には成りずらいものです。
結果をふまえて、気密処理を施し、漏気は無くしました。
気密処理と断熱処理は、外部からの貫通部が一番厄介な箇所です。
気密測定の結果からも、それらの処理が完璧に近かった事が分かります。
この後、下からスレート板でフタをします。
換気関連の外部貫通処理です。
サヤ管方式で、内部管と外部フードを接続します。
管廻りの気密テープも、換気工事会社が材料を探し、柔軟な材質の製品が手に入りました。
しかし、日本国内の製品は、用途に適した製品が少なく、寒冷地住宅への障壁はこんな処にもある事を再認識する事と成りました。
壁貫通部のサヤ管材です。
換気工事会社(㈲)優和冷暖が、特別に製作した気密処理出来る製品です。
日本のダクト材には、スウェーデンの様な、多種な材料が有りません。
その為、オーダーで準備するしか、方策が有りませんでした。
壁貫通穴にダクトサヤ管を取り付けている様子です。
貫通穴もサヤ管外形に合せて、無駄な後処理を無くしています。
取り付け後の、気密シートとの処理状況です。
気密材が管に一体化する工夫が、苦労の後を感じさせます。
ピンク部分は、50㎜の壁内側の付加断熱部分です。
この後に、上部も50㎜の断熱材を入れ、ダクトの貫通穴を開けます。
外壁内側の付加断熱状況です。
窓下の、50㎜内側付加断熱です。
窓下台は、大理石を使用しています。
屋根部の、50㎜内側付加断熱の状況です。
屋根部の、50㎜内側付加断熱の押えは、3㎜のベニヤを使用しています。
内部ボード張り作業が始まりました。
50㎜内側付加断熱の上に、ボートを張ります。
長かった断熱工事が終り、本格的な内装工事に掛ります。
(Q0.80)その14に続く。