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電車での疑問

昨日、志を共有出来る友と、新年会を開催した。
北広島から札幌まで、JR千歳線で向かった。

何時も、日本の電車内で気に成るのは、窓が単板である事だ。
スウェーデンの、電車の窓ガラスは複層である。
日本の車両で唯一複層なのは、新幹線の窓だけである。
しかし、その複層もエアー層は、スウェーデンの一般車両の窓ガラスより薄い複層である。


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JR千歳線の、電車の窓ガラスは単板です。


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こちらは、スウェーデン、ストックホルム市の、地下鉄車内の窓は複層ガラスです。


単板と複層ガラスの差は、熱伝導率が違う事である。
単板6㎜で5.8W/m2・K、複層(6-12-6)で2.6W/m2・Kと、大凡2倍の性能差がある。
単純に、車内の熱が、単板と複層では2倍入れ替わる量が違う事に成る。
どちらが省エネルギーかは、直ぐに分かる事である。


工事監理で、北広島と小樽を往復する事が多かった昨年は、JR千歳線を利用した。
午後の時間帯は、小樽に向かう列車の左側は、日差しが入り不快な座席と成る。
単板ガラスを通す日差しは、複層ガラスよりも多くの熱量通し、日除けを下げて対応しても、ガラスを通して全体の70%の熱が車内に入る。
従って、席は右側から埋まる。


冬の帰りは、暖房が恋しい。
単板ガラスの窓際の席は、顔や肩付近が寒い。
座席面からの暖房と、その温度差が異様な窓際と成る。
それが、日本の車内である。


もう一つ、スウェーデンやドイツの車両ドアには、列車が止まると開閉出来るスイッチがある。
下りる車両の人は、そのスイッチを押して下りる。
列車が止まっても、全車両のドアを開けないのである。


また、乗客は車内に乗り込むと、ドアの開閉スイッチで、ドアを閉める。
列車が動き出すまでの間、ドアを操作出来るのである。
冬など寒い日は、ドアを早く閉めたい。
そんな、操作が可能なのである。

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スウェーデンの地下鉄車のドアに付いている、開閉用スイッチ。


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ドイツ、ベルリン地下鉄車のドアに付いている、開閉用スイッチ。


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コペンハーゲンの列車にも、ドアにはスイッチが付いていた。


日本のサービスは、過剰のようである。
下りない車両は、ドアの開閉は不要である。
特に、暖冷房の効いた車内は、ドアの開閉によりその効率は大きく変わる。
無駄なエネルギーロスを招く、お世話は不要としたい。


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JR千歳線の電車。
最近、ドア開閉用スイッチが付いた車両がある。


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この日も、大変寒い夕暮れだったが、乗客の不慣れか開閉スイッチは使用されないで、ドアは開放されたままだった。
また、開閉スイッチが無い車両もあり、出発前までドアは開いたままだ。
省エネの観点からは、開放率の少ない方が、無駄なエネルギー放出が無い。


また、列車内の遮音も違っている。
車体の内部に断熱材が、日本の場合薄いか、入っていないのではないかと思う。
諸外国の列車内の、騒音度合いが違うように感じるのは私だけだろうか。


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スウェーデンの断熱メーカーカタログに載っていた、列車内の断熱。


JR北広島駅で列車から下り、家路に向かう折り、バス停ではバスが乗客を待っていた。
冬の寒空、バスはドアを開けたまま、待っている。
ヒーターを付け、エンジンを掛けたままの状態で。
この風景、異常に見えませんか?
何故、ドアを閉めないのか。
バスの運行規定に、客待ち中はドアを開けておく様な規定が有るのでしょうか?
有れば、時代錯誤、無ければ直ぐに改善の、簡単な省エネではないでしょうか。


日常の中にも、国の政策が反映されるのは当然の事だと思う。
日常のこうした不自然さは、国政が映し出されている。


列車の窓ガラスやドアの開閉方法などで、日常に潜む無駄を無くす事が、省エネや温暖化対策となるのではないか。
地球温暖化問題の温室効果ガス削減や、石油価格高騰の時代背景だからではないが、日本の中にある、根本的な無駄や不要な行為は改善すべきではないかと考える。


今後も続く。

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パッシブハウス・無暖房住宅・外断熱の今川建築設計監理事務所: 2008年01月11日|ページの 先頭へ|