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結露相談の電話。

12月20日(木)20:00頃、電話が有りました。
札幌市東区に有る、賃貸マンション(30戸)にお住いの方からでした。

家族構成は、御夫婦と1歳のお子さん、お母さんの4人暮らし。
御夫婦の寝室の窓廻りを始めとした、カビが酷く、管理会社に相談すると、業者を連れてきて壁のボードとクロスの張替えを言い、その費用10万円を請求しされたとの事。
この請求が妥当なものか、その修繕対策で、カビ問題は解決するかとの相談でした。

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スチールドア廻りの、壁部分のカビ状態。
(イメージ写真-1、この写真は両親の元居たマンションのものです。)


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同じく、ドア廻りのカビ状態。
(イメージ写真-2、この写真は両親の元居たマンションのものです。)


私は、カビの発生は必然的で、その根源解決無しにボードやクロスの張替えでは、一時凌ぎである事を伝えました。
また、その代金10万円の支払いはしない事と、その支払い義務も無い事を話しました。
その管理会社は、『カビの発生はお宅だけだ』と言い、過失が御夫婦に有ると主張していると言います。
プロフェショナルが、素人相手に責任転換するのは、世の中の常です。
私は、ご主人に結露のメカニズムと、換気だけでは解決しない理由を説明しました。


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タンス裏の壁面のカビ。
(イメージ写真-3、この写真は両親の元居たマンションのものです。)


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押入れの天井際のカビ。
(イメージ写真-4、この写真は両親の元居たマンションのものです。)


正しく、私の両親が体験した、仲介業者の言い口です。
そのマンション全体の問題も、そのお宅のみの問題とし、結露カビの根本原因である、内断熱や断熱不足、窓の脆弱さ、更に、暖房方式の問題などを隠した、卑劣な主張を住人に押し付けているのです。
そもそも、家賃を取って人に住いを提供する事は、その住環境の保証をする事でも有ると思います。
特殊な住い方をする場合以外は、結露問題などが起こらない様な建物として、供給するのが当たり前と考えいるが自然です。
しかし、日本の場合には、結露やカビ問題は住人の責任に、転換されているのが殆んどなのです。


この様な事例は、札幌市内いや日本全国の、全ての建物で起きています。
日本の鉄筋コンクリート造、鉄骨造の建物は、断熱が内側の内断熱工法であり、その断熱は薄いウレタン断熱が殆んどです。
ですから、熱橋(ヒートブリッジ)対策などは皆無です。
共用部分には、暖房設備は無く、その影響が住居部分に影響します。
バルコニーからも、熱は奪われて行きます。
また、窓は引き違い窓で、ガラスは単板が多く、それを2重にした窓でも、断熱の薄い壁から比べても、更に断熱効果の低い部分です。
その為、入居者は窓に厚いカーテンなどをして寒さ対策としますが、それが結露を誘発する悪循環と成ります。


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窓下のボードを剥いだ状態。
(イメージ写真-5、この写真は両親の元居たマンションのものです。)

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壁下地材の木部にも、カビが有り、壁のウレタン断熱は厚さ15㎜程度だった。
(イメージ写真-6、この写真は両親の元居たマンションのものです。)


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剥ぎ取ったボードの裏は、カビが付着している。
(イメージ写真-7、この写真は両親の元居たマンションのものです。)


この様な、名前だけ高級感のある集合住宅建物では、室内は悲惨な結露カビ問題が尽きないのが、現状です。
私はご主人に、建築指導センターや消費者センター、賃貸建物相談所などに、相談する事を提案しました。
そして、一刻も早く、その賃貸建物から引っ越す事を話しました。
小さなお子さんや一日中建物内に居る、お母さんの体が心配だったからです。


でも何処に、引っ越せば良いのでしょうか。
先程の様に、日本中の建物で起きている、結露カビ問題の無い建物は限りなく0に近いのです。


私はその中で、住宅公団などの地域暖房設備のある、賃貸建物を勧めました。
私の両親も、北広島の公団に居ます。
札幌市内の賃貸マンションでの、結露カビと室内の寒さ問題に懲り懲りだった両親を、公団住宅に引っ越させたのが3年前です。
建物は、築30年近くと古いのですが、そこそこの設備と全室暖房が魅力でした。
案の定、全室暖房は老人に取って快適で有り、室温の安定はなりよりのモノでした。
そして、室温の安定は、結露カビなどの発生を無くし、布団なども湿気を帯びる事は有りません。
住む人は、健康に暮らせます。
この公団の建物は、外断熱の建物では有りませんが、地域暖房のパワーで室内温度を安定させています。
省エネの観点からは、もう少し断熱強化をして欲しいのですが、今年は窓を内窓ペアガラスに改修し、少し省エネにしています。


この様に、寒冷地の建物には、全室温を安定させる様な設備を施している建物は、殆んど有りません。
つまり、結露カビなど健康被害から逃げる手立ては、僅かしか無いのです。
この実態は、本当に嘆かわしい事です。
しかし、この様な現実が現存するのが、日本の建物なのです。


日本の断熱方式を変え、更に断熱基準のレベルアップを即時実行しない限り、相談者の悲痛な声は続く事に成ります。

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パッシブハウス・無暖房住宅・外断熱の今川建築設計監理事務所: 2007年12月21日|ページの 先頭へ|