今回は、夏場対策、日差しを防ぐです。
高断熱・高気密住宅で、夏を涼しく過ごす為の方策
①熱を入れない(断熱)
②日射の遮蔽(窓の日除け)
③熱を逃がす(排熱換気)
④涼しさを取り込む(夜間・高窓換気)
⑤涼しさを保つ(熱容量)
⑥気流感の確保(揺らぎを生む開口)
⑦湿度を除く(除湿涼房)
⑧ちょっと冷やす(低負荷冷房)
⑨建物周りを涼しく(外構計画)
⑩涼しさの演出(音・光・景観・・・・・)
(北海道東海大学芸術工学部 石田秀樹教授資料より)
まずは、庇の出寸法により、夏と冬の太陽入射角度での、対応が基本に成ります。
特に、南面の窓は、この方策が重要です。
全ての、無暖房住宅では、南面の深い庇は共通する、外観デザインです。
この写真は、内付けと外付けブラインドでの、室内取得熱の差を表したものです。
ご覧の様に、内付けブランドでは、34.7℃、40.1℃に対し、外付けブランドでは29.8℃と成っています。
4.9℃から10.3℃もの差が生まれます。
この差は、室内空調やエアコンのエネルギー使用量へと繋がります。
内側ブラインドは、現状の本州建物の実態です。
内側ブラインドでは、省エネには成りません。
この写真は、ドイツの外付けブラインドです。
ドイツでは、外付けブランドを見掛けます。
建築物理学の理論から、外付けブランドの効果を知っている実践例です。
この写真は、スウェーデンのストックホルム市内で見かけた、オーニングです。
スウェーデンでは、個人住宅を始め、ビルにもオーニングが取り付けられています。
オーニングは、手軽な日差し除けの設備です。
スウェーデンの建物は、高断熱で、窓も高性能の為、冬場でも日差しを多く取り入れると、オーバーヒート状態に成ります。
暖房設備が完備されているスウェーデンの建物では、日差しの取り入れよりも、遮蔽で室温の安定を図っています。
同じく、スウェーデンの建物で使用されている、オーニングです。
簡易型の庇の例です。
庇は、日差しを避ける事と、雨などから窓や外壁を守る役目も有ります。
リンドース無暖房住宅の、熱取得と回収の概念図です。
日差しは、深い庇で、夏冬の変化に対応します。
1階は、バルコニーが庇の代わりをします。
日差しは、外部で防ぐが基本計画に有るのです。
オックストリエット無暖房住宅の概念図です。
リンドースと全く同じ理論です。
無暖房住宅では、パッシブ的方策が基本計画に有ります。
夏場の室内熱は、棟近くに設置した、ルーフウインドから排熱します。
無暖房住宅でも、石田秀樹教授の資料通りの事が、実践されています。
次回は、14-6.『日本とスウェーデンでは、物事に対する哲学の違いが有る』と題して記します。