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14-2.熱橋(ヒートブリッジ)対策と構造耐力

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今回は、熱橋(ヒートブリッジ)対策と構造耐力に付いて、書きます。


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この図は、建物の熱橋(ヒートブリッジ)部分を示したものです。
ご覧の様に、あらゆる部位が熱橋と成っています。
これらの部位に対し、対策を施さねば成りません。


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この写真は、壁の熱橋部をサーモカメラに収めたものです。
温度分布が良く分かります。
室内の隅々や窓廻りが、熱橋に成り易い部位です。


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この写真は、RC造のバルコニー部の、外断熱と内断熱の状況をサーモ画面にしたものです。
RC部のバルコニーは、外断熱と内断熱では、熱橋の状況が大きく分かれる部位です。
外断熱では、熱橋を防げますが、内断熱では熱橋を防げない事が、ハッキリと表れています。


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この記事は、ドイツのフランフォーファー建築物理研究所の所員である、田中絵梨さんが書いた文献です。
記事の内容は、熱橋を少なくする事は、へたな重装備な省エネ設備を設けるよりも、熱損失を減らす効果ある事が書かれています。
省エネ建物の初歩は、熱橋対策に力を注ぐ事が有効であると結論付けています。
寒冷地の建物にとっては、熱橋を少なくする事が重要なのです。


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この写真は、札幌市内にある賃貸マンション(RC5階建て、外装タイル貼り、築約10年)の内部写真です。
実は、私の両親が賃貸していた部屋ですが、退去するに当り仲介業者が瑕疵部分が無いかチェックにきました。
結露シミなどを見て、原因は住まい方が悪いからだと言って、補修費用を敷金から天引きすると言いました。


RC造の内断熱で、暖房設備はリビングに1台のみ、玄関と共用廊下の取り合いから言っても、鉄製ドアでは、表面結露も防ぐ事が出来ない事は明らかです。
『結露を招いているのは、お宅だけだ』と言う仲介業者言葉に、『証拠を見せるから壁を剥いで見ろ』と私が詰め寄ると、『それだけは、出来ない』と引き気味になる仲介業者。
暫く、壊せ、壊さないと、時間が過ぎましたが、仲介業者が納得の上、自ら壁を剥ぎました。(左下写真)


そうすると、内断熱の厚さは、妻壁でウレタン厚20㎜弱、窓周りは5㎜厚程度です。
結果、ボード裏面は勿論、ウレタン表面や、木下地表面にもカビが付いています。
季節は6月ですから、真冬の時期はカビの状態は現状よりの酷かったでしょう。
こんな、部屋に両親が居たと思うと、怒りが増しました。
起こるべきして起こった状況と判断した仲介業者は、返す言葉も無く、黙り込んでしまいました。


このマンションの住人は、この様な状況下で住まわなければ成りません。
また、退去の時は、同じ様に自分達の責任でもない現象に対し、費用負担を強いられるのでしょう。
この様な事は、日本全国で起きている事です。


内断熱、外断熱を論じる前に、スウェーデンのルンド大学教授、エルム・ロート博士が言った言葉が、思い出されます。
『内断熱でも外断熱でも構わない、室内で結露を誘発しなければ良いのです。しかし、私達は長年の研究の結果から、RC造、S造、組積造には、外断熱が有効である事を結論として持っている。』と言われました。


正しく、結果有り気なのです。
マンションに住む住人建ちは、内断熱でも外断熱でも良いのです。
住む上で、カビが生え、寒さに震え、省エネでないこの様な、住いには住みたく無いのです。
外観上は、何の問題も無い様なこのマンションで、この様な事が起こっています。
熱橋(ヒートブリッジ)は、全ての建物で起こっています。
その対策として、断熱材が有り、活用方法で結果は大きく変わります。


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この図は、2×4枠組み工法に措ける、熱橋部(赤〇部分)を示した図です。
ご覧の様に、熱橋部は沢山あります。


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図は、左:在来工法、中央:枠組み工法、右:合理化工法の壁断面です。
断面からも、外部と通じる熱橋部が沢山ある事が分かります。


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この表は、在来工法、枠組み工法の外壁表面に措ける、木部の面比率を表したモノです。
在来工法で17%、枠組み工法では20%+まぐさ部3%の木部が外部面比率と成ります。
つまり、この部分は軸間断熱にした場合、断熱材の厚さの約30%分しか、熱抵抗が有りません。
付加断熱の必要性が、ここに有るのです。


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この写真は、ある大手ハウスメーカーの枠組み工法建物内で起きた、表面結露の写真です。
軸間断熱では、隅部や交差部では、木の塊に成り、そして熱橋分と成ります。
軸間断熱の限界を表した写真です。


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この図は、左から軸間、外張り、付加の、各断熱方法です。
結論を言うと、今後は付加断熱でなければ、断熱強化は出来ません。
私も、外張り断熱を進めた時期が有りましたが、どうしても外壁材を支持する上で、外側に断熱強化する限界厚さが有りました。


板状で薄くても、断熱性能を上げた断熱材も有りますが、環境問題や経年性能変化、材料再生性能などを考えると、採用出来る製品は現状限られます。
断熱材は、繊維系ではロックウール、グラスウール、板状ではEPS材が上記問題に対応出来得る材です。
しかし、外張り断熱だけで、断熱性能を向上させるには、外装材支持の上で厚さに限界が有るのです。


結論は、図右端の付加断熱工法とし、更に軸間を含めた内外付加断熱を使わなければ、省エネ(現状では超省エネ)や無暖房住宅には成りません。
外側付加断熱材支持に措いて、耐震性、耐風性、壁耐力、雨仕舞いなどの問題解決が必要です。
建築基準法上の、面積算定方法にも、行政機関の見解違い問題も有ります。
また、壁厚による居住面積の不利益性など、建築主の考え方への影響も有ります。
しかし、内外付加断熱による断熱方式しか、熱橋(ヒートブリッジ)を防ぐ方策は有りません。


次回は、14-3.『気密化と貫通部処理、国内基準と国際基準』を記します。

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パッシブハウス・無暖房住宅・外断熱の今川建築設計監理事務所: 2007年12月03日|ページの 先頭へ|