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9-3.オックストリエットの無暖房住宅(その3)

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2006年3月16日視察時の、現場の様子です。
上の段の写真は、南面の写真です。
断熱材の上に、防風層が張られています。


下の段は、妻壁です。
スレート状の外装材が張られていました。
また、その上に木が取り付けられ、外壁の硬いイメージを変えていました。


庇の出が大きく、概念図の様に南面の吐き出し窓の下まで、夏の日差しを遮る役目をします。


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オックストリエットの無暖房住宅は、鉄骨、コンクリート、木造の混構造です。
構造の一部に鉄骨柱、界壁と床はコンクリート、外壁と屋根は木造です。
階段室の床には、デッキプレートが使用され、壁の木軸の上下には軽量間仕切りのランナーが使用されていて、この構造は日本では仕様として使えないと思いました。
地震国とその心配の無い国の違いが、そこに有りました。


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室内の様子です。
左上は、壁際のダクトスペースの様子です。
カメラを構えているのは、地元の新聞社のカメラマンです。
日本人が現場に来ると言う事で、取材に来ていました。


右上は、電気暖房器です。
この機械でコンクリートを乾かしているそうです。
室内は大変熱く、コンクリート表面も絶乾状態に見えました。
高断熱、高気密住宅に措いて、コンクリートの乾燥は大変重要との事でした。
含水率の多いコンクリートの状態で竣工して、結露やカビの被害が出たことが有り、コンクリートの乾燥には特に注意しているそうです。


このコンクリートの乾燥に付いては、物造りのポリシーが日本とは大きく違う事を、再認識させられました。
日本のアパートでは、その様な物造りでは無いと思います。
スウェーデン訪問では、常に日本とは次元の違いを感じます。
そして、その時に感じる心地の良い感動は、私の物造りの原点と共通する為からだと思います。


左下は、2階の床スラブ厚さの測定です。
スラブ厚さは、240㎜有ります。
換気ダクトを埋め込んでいるのですが、遮音効果の確保からも必然との事で、日本のマンションでは考えられない厚さです。
また、リンドースの無暖房住宅の設計者である、ハンス・エーク氏が蓄熱効果の出るコンクリート厚さは、最低250㎜必要と話した事が有ります。
正しく、この床スラブはその厚さです。


右下は、天井に取り付けられた換気ダクトを見ているところです。


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窓の写真です。
この窓は、U値0.94W/㎡Kの熱伝導率です。
トリプルガラスです。


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熱交換換気のダクトです。
熱交換率85%の高性能機器です。
右側の写真は、サイレンサーダクトです。
モーター音を最小にする為、大きなサイレンサーが付きます。


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外部の写真です。
妻面にはスレート系の外装材に、木を取り付けています。
南面には一面に木を張っています。
南面には、この後にバルコニーが出来ます。
外壁と縁を切った取り付け工法で、バルコニーからの熱橋を防ぎます。
バルコニーは、1階窓の日除けの役目もします。


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完成後の外観です。


次回は、10の題『White設計の無暖房住宅』を記します。

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パッシブハウス・無暖房住宅・外断熱の今川建築設計監理事務所: 2007年11月11日|ページの 先頭へ|