前回にも触れましたが、日本の気密測定とスウェーデンの気密測定の方式が違う事をご存知でしょうか。
日本の気密測定は、9.8Paの気圧差を作り測定しますが、スウェーデンでは50Paでの測定です。
つまり、スウェーデンでは日本5倍測定が厳しいのです。
また、その気圧差で求められた数値に対し、日本では測定の範囲の床面積で割った数値を測定数としますが、スウェーデンでは、測定範囲の室内体積の総和で割ります。
この点も、日本の方式の方が不自然です。
何故ならば、気密を必要とするのは室内空間であり、平面部分ではないからです。
この気密測定の厳しさの違いは、窓やドアの気密性能にも影響していて、スウェーデンの窓・ドアの製品性能が高い事は、お分かり頂けると思います。
この写真は、別の無暖房住宅で、気密と熱橋測定を行っている処です。
気密シート工事が完了した直後に、測定を実施しています。
直後の測定が重要で、気密不良部分が良く分かり、処理や今後の作業に生かせる結果と成ります。
こうした積み重ねは、理論とは別な角度から、建物の性能を造るデータと成ります。
日本で見られる、仕上げ段階での気密測定は、意味が無いと考えます。
何故ならば、仕上げ材で気密が向上して、本来の気密不良や正しい性能判断が出来ないからです。
気密測定は、パフォーマンスで行うべき事では無いと考えます。
写真は、漏気測定器です。
気密不良箇所を探します。
電気配管からの、漏気も対象範囲です。
この写真は、工事中のものです。
プレキャストコンクリート壁と現場打ちの床コンクリートと、鉄骨の柱が見えます。
界壁と床をコンクリートにしたのは、遮音性を高める事と蓄熱効果もあるそうです。
また、気密向上も設計範囲であり、前回までの他の木造無暖房住宅よりも、高性能です。
写真は、基礎と床、壁の取り合い図です。
土間床下と基礎サイド面の断熱、壁の断熱材多層化が分かります。
基礎工事中の写真です。
左上から、界壁壁の工事、右上:基礎土間工事、左下:1階の界壁が並んでいる状況、右下:基礎土間コンクリート打ち後の各写真です。
壁の防湿シート施工と外部の断熱下地の状況です。
壁の多層化は、断熱厚さと下地の熱橋防止を考える必要が有ります。
壁断熱の図面です。
断熱材が多層化されている状況が良く分かります。
壁断熱の写真です。
左側が室内側です。
防湿気密シートが、開口コーナー部で処理されている様子が分かります。
次回は、9-3の題『オックストリエットの無暖房住宅(その3)』を記します。