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6-3.リンドースの無暖房住宅(その3)

リンドース無暖房住宅の内部を紹介します。


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リンドース無暖房住宅のリビングです。
南面には、吐き出しタイプの大きな窓が2枚有ります。


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南面の吐き出し窓です。
高性能な窓ガラスには、クリプトンガスが使われ、U値0.80W/㎡・Kの性能です。
北海道の住宅で使用されている窓性能は、U値2.30W/㎡・Kですから、約2.8倍性能が良い窓です。
内壁から窓までの壁厚さは、360㎜位に成ります。
壁の断熱厚さが、写真から良く分かると思います。


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リビング窓側から見た、食堂・台所・玄関側です。
右側には、2階に上がる階段が有ります。


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2階の南側室です。
ベランダに出れる吐き出し窓が有ります。
南面の部屋が2室有ります。


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北側の部屋です。
必要最小の窓が設けられています。


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左は、洗面所とトイレです。
バスタブは有りません。
シャワー設備が有るだけでした。
シャワー室とトイレも兼用で、1、2階の2つ有ります。

右は、屋根のソーラーパネルから送られてくるエネルギーを蓄え、加熱する貯湯タンクです。

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窓に付いてもう少し詳しく載せます。
吐き出し窓です。
先程も書きましたが、U値0.80W/㎡・Kの高性能窓です。
スウェーデンでは、プロジェクト毎に性能を要求して、窓等をメーカーに注文するそうです。
そうした限定的なせいか、窓メーカーのホームページには、リンドースの無暖房住宅に使われた窓の紹介は有りませんでした。


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窓は内開きで、1枚ガラス部(アルミ枠製)と、ペアガラスの(木製枠)2っに分かれる様に開きます。


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窓の詳細図です。
木製とアルミ部を精巧に組み合わせる技術や、気密ゴム、開閉用金具など高度な性能要求を満たす優れた製品です。
ドアと言い、北欧の建具性能は、大変優れています。
日本の住いに措ける、建具性能とは大きく違います。


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庭側から見た、南面の窓です。
太陽エネルギーを取り込む為に、床面まで大きく取っています。
無暖房住宅には、太陽エネルギーが必要です。
夏と冬の太陽エネルギーを、コントロールする事が大変重要に成ります。


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リンドース無暖房住宅の設計者、ハンス・エーク氏は2005年の愛知万博に措いて、『地球温暖化防止とエネルギーの確保』の一つとして、『愛・地球賞』に選出されました。

この『愛・地球賞』の選考理由には、『技術が実現可能なもの』『環境保護に実際に役立つこと』『特定の地域だけでなく、他の国でも応用が利く技術であること』と有ります。

正しく、無暖房住宅は、現実可能、環境保護、何処の国でも地域でも建設可能です。
無暖房住宅の技術や研究は、EU諸国でも行われていて、EU各国では沢山実践されています。

何故、日本の各地で無暖房住宅が、建たないのか不思議です。
本州以南では、少し高断熱化して、性能の良い窓・ドアを付けて、本物の熱交換換気装置(ここが一番問題ですが)を付ければ、無暖房住宅は可能です。

省エネとか、温室効果ガス削減とか言葉のやり取りよりも、実践する事が重要です。
民生部門の省エネ・温室効果ガス削減が一向に進まないのは、性能の悪い住宅やマンション、オフイスビルの乱立が原因です。
日本の建物を見直す時期が来ています。
また、無暖房住宅から見えてくる、北海道の住いは余りにも脆弱な事が分かります。


次回は、7の題『スウェーデンの無暖房住宅の設計のポイント』、8の題『ランツクローナ市自己暖房住宅』を記します。

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パッシブハウス・無暖房住宅・外断熱の今川建築設計監理事務所: 2007年10月17日|ページの 先頭へ|