2003年1月31日(金)
ドイツ・ハンブルグ市の、気温は札幌と同じ位、雪は僅かしか有りません。
ハンブルグ市内の、老人用マンション工事現場を視察しました。
この建物の断熱工法は、外断熱で通気層の無い湿式工法です。
ドイツで、古い建物の断熱改修用に開発された湿式外断熱工法は、EPSビーズ法ポリスチレンフォームや繊維系断熱材にメッシュを貼り付け、特殊モルタル状の塗り下地材で、断熱材を覆い表面を保護し、特殊塗料で仕上げる工法です。
通気層工法の様に、断熱材と分離した外装材で断熱材を覆うのではなく、通気性の有る特殊仕上げ材で断熱材を直接覆うのが特徴です。
建物断熱改修には、特にその施工性が生かされます。
工事中の老人用マンション。
進捗は、躯体工事が終り、外部の断熱工事中です。
現場内の掲示板(工事工程と安全掲示)
安全ポスターと工程表掲示
現場事務所内の会議室で、現場責任者から工事概要の説明を受けました。
会議室の様子。
現場の全体配置図
図面上が事務所棟、図面下が老人マンション棟。
全体仮設計画図。
現場事務所の暖房器。
室内はスペースも広く快適な温度で、仮設事務所のイメージでは有りませんでした。
現場事務所の窓。
PVCサッシが取り付けられ、ガラスも複層でした。
【現場の視察】
足場ネット越しに見る施工中の外壁。
白く見えるのが躯体で、黄色く見えるのが断熱材です。
断熱材は、スウェーデンで言うストーンウールの繊維系断熱材です。
断熱材は、プラスチックの台座つきアンカーで、細かく止められています。
この上から、透湿抵抗の少ない仕上げ材料(モルタル系)による、湿式工法で外装とします。
ドイツでは、通気工法と、この湿式工法で、外断熱を行っています。
断熱材を止めている状況プラスチック製の断熱材支持具。
拡大写真。
組積式の外壁躯体。
組積式の外壁躯体。
窓廻りと、腰廻りの防水状況です。
窓下左側は地下室のドライエリヤで、外周は埋め戻しの為、窓下近くまで土が入る様です。
窓廻りの防水処理状況。
外壁の断熱材。
互い違いに200×100㎜の断熱材を貼り付けています。
断熱材の裏に接着材を塗って貼り付けています。
腰廻りのピーズ系断熱材と、ストーンウール系繊維断熱材の取合い状況です。
計測厚さ100㎜が見えます。
ビーズ系断熱材の裏は、先ほどの防水層があります。
同上 黒い部分が防水、白い部分がビーズ系断熱です。
黄色い部分がストーンウール系繊維断熱材です。
同上 窓枠に黄色く見えるのは、接着材で止めている上塗り材の、付着用メッシュ材です。
ピーズ系発泡系断熱材とストーンウール系繊維系断熱材の取合い状況。
窓側面の断熱材取り合い(1)
窓側面の断熱材取り合い(2)
窓の下側から見た、断熱材と防水の関連。
【内部の見学】
内部階段(プレキャストコンクリート製)です。
躯体部と階段部間のエラスタイトゴム。
仕切り前の居室スペース。
床の黒い部分は、暖房用の配管。
窓の様子。
複層ガラスの状況。
暖房パネルと暖房配管。
工事中に、仕上げ用暖房パネルをつけて、室内採暖用に使用するつもりの様です。
工事の進捗度からすると、パネルの取付けが早すぎる感がある、埃と汚れが付いていました。
バルコニーの断熱材納めのメモ。
断熱材を躯体本体とバルコニー間に入れています。
プレキャストバルコニーは、断熱材で熱橋を防いでいます。
自然換気(吸気口)の付いたプラッチックサッシです。
同上(吸気口)
中は迷路の様になっていて、遮音効果を高めているそうです。
共用部分天井の設備配管の様子。
壁内配管の様子。
視察した裏にある事務所棟の建物。
進捗は、外装が完了したところです。
ドイツ・ハンブルグ市の外断熱工事現場 終り