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夏の蓄熱を冬に利用するソーラー暖房

夏の太陽熱で暖めた蓄熱エネルギー(夏場に太陽熱により暖めた水を、冬季の需要を満たすための貯蔵)を、冬に利用するソーラー暖房方式が有ります。

太陽熱によって、年間の暖房需要エネルギーを補うには、夏場で得た太陽熱エネルギーを蓄熱しておく事が必要です。

スウェーデン・ストックホルム市近郊の町で、開発されたその新システムは、地中の硬岩に蓄熱する事でそれを実現していました。


その蓄熱式ソーラー暖房を行っているのは、ストックホルム北部町Danderyd 市の、Anneberg団地です。
その設備は、水を熱媒体とした、ソーラー暖房システムです。

夏に取得したエネルギーを地中に蓄熱するには、硬質な花崗岩盤内に蓄熱システムを建設する事が最適との事でした。

Anneberg団地は、36 戸の戸建て住宅、テラスハウス4 棟、サービスホーム・ナーシングホーム等の、合計床面積約9,000㎡の団地です。

団地の配置図
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この団地では、床面積1m2 あたり年間約120kWh の暖房需要が発生します。
このため、年間の暖房需要は述べ床9000㎡を掛けた1,080MWhで、需要のピークには450KW が必要と成ります。

暖房・換気・給湯を合わせた年間熱需要合計は、住宅1 戸あたり推定11,000kWh前後に達するが、そのうち9,000kWh 近くがソーラーシステムにより供給されています。

また、建物にある換気熱回収システムにより、換気による熱損失を50%に抑えています。

計画は、1999 年に建設が始まり、2000年に竣工しました。


2003年1月29日(水)視察。
スウェーデン・ストックホルム・Danderyd 市の、Anneberg団地。
竣工は、2000年5月竣工した団地で、太陽熱を利用して余剰エネルギーを地下に蓄える設備が備えられています。

団地内の様子。

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この団地は、36戸の戸建住宅、テラスハウス4棟、サービスホーム、ナーシングホームの、合計床面積約9,000㎡である。


各家庭の屋根には、ソーラーコレクターが設備されている。
このソーラーコレクターで、各建物の暖房エネルギーの60%をまかなう。
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同上
団地全体でソーラーコレクター面積は2,400㎡に成るという。
これで、お湯を作る。
二棟に分かれている家。

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ソーラーパネルと軒先の様子。
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北面のファサード。
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北面のファサード。
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別な棟。
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北面のアップ。
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集会所で、アンネバリー団地の建設時の説明を聞きました。
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【夏場のエネルギー蓄熱】

水は太陽光で加熱された後、地下の花崗岩盤内に掘削された、ボアホールシステムに貯蔵されます。
ボアホール熱交換器は、直径32mm のU 字型PEM 管2 本からできています。

蓄熱装置は、合計100 のボアホール(深さ65m、直径0.115m、間隔3m)から構成され60,000m3の水を貯蔵できます。

花崗岩岩盤の熱伝導率は、4.1W/mK で、熱容量は0.6kWh/m3K です。

蓄熱設備内の相対的な熱損量は、推定35~45%に成るそうです。

運転当初は、周囲への放熱による熱損が大きく、補助的な加熱が必要と成りましが、徐々に定常運転となり、現在は補助的な加熱が不要と成っています。

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【ソーラー暖房システム】

このシステムの大きな特徴は、低温でも運転可能で、ヒートポンプを必要としない点です。

発電能力年間400kWh/m2の、屋根一体型ソーラーコレクター面積2,400m2 を備え、低温式床暖房により暖房需要に対応しています。

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パンフレット
ボアホール熱交換器の説明書。
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太陽光取得システムのパンフレット。
太陽熱で水を温め、地下にボアホールを通して循環され、花崗岩岩盤に熱を貯蔵します。
お湯の量は、60,000m3になります。
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掲示されたボアホール熱交換器の説明パネル
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団地の一角にある集中監視室内。
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同上 隣の熱回収集中室。
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同上
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監視室外には、デジタル式のエネルギー表示板があります。
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戸建住宅の内部を見学しました。
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住宅内部を見学
玄関ドアは大きなガラス入り。


キッチンの様子
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1階の窓廻り。
1階は、低温の床暖房に成っている。
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2階の寝室
2階は、温風による暖房の様です。(床に噴出し口がある)
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巾木廻り。
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1階の階段上がり口。
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2階の階段降り口。
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天井のおさまり。
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小窓のおさまり。
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洗面、トイレ
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2階寝室
屋根勾配成りの天井。
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クローゼットの内部
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郵便受けは、道路際に設置されています。
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見学先の戸建住宅。
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雨樋は必需品
必ず有る雨樋を寒冷地なのに何故?と考えているとスウェーデンは岩盤地質の為、雨水が地下に浸透
しないので、雨水を一定の場所に集めないと、水の害が起こるおそれがあるからだと思う。
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物置にも雨樋が。
縦樋は、スチール製でした。
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裏玄関。
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裏玄関のドア。
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2階の縦長窓。
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テラス窓。
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住宅の外観。
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団地内の様子。
この地盤の下には、お湯が蓄えられているのです。
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【海外の木造住宅】
2003年1月29日(水)
スウェーデン・ストックホルム北部町Danderyd 市Anneberg団地 終り


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