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無暖房住宅視察2006年連鎖する無暖房住宅(7)

連鎖する無暖房住宅(7)
ヨーテボリ市に本社を置くWhite設計事務所の無暖房住宅計画について紹介します。


ヨーテボリ市に本社を置くWhite設計事務所は、スウェーデン最大の設計事務所です。
1951年シドニーホワイト氏により創設され、現在国内8ヶ所に支店を置き、社員360名の総合建築設計事務所です。


ヨーテボリ市にある、White設計事務所の玄関です。
ビルは、古く歴史を感じる他のビルと棟続きの建物でした。

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White設計事務所のアトリュウムスペースです。
設計模型などが展示されていました。
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プレゼンの様子です。
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White設計のアンナグラーフさんとナジアジングさんから、プレゼンして頂きました。
彼女らは、エンジニアで環境問題、エネルギー関連の担当者です。

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1998年にWhite設計は、環境に付いて社内部門を作った。
建築材料製品から建設廃材、最終的には、その建築物が解体処分されるまでの考える部門です。
環境専門職員は、全社で15名います。
スウェーデン全体のエネルギーの内、40%は建築関連で使われています。
製品素材の40%も建築関連です。
また、廃棄物の15%も建築関連から出て来る物です。
最終的には、循環型の環境対策としたいが、現状はそうではない。


完全な循環型は出来ない。
有害物質などもその例です。
塩ビ、PVCは規制が強い物ですが、EU諸国から問題のある建築製品が入ってきます。
ブラックリストに有るだけで、4000種類も有ります。


カビは、室内の空気の品質により発生します。
建築エネルギーの効率だけでなく、エネルギー=品質の考えに成ってきている。
スウェーデンの建築工事は、いままでリレー方式の工事間での引継ぎで行われていた。
しかし現在は、建築物を造る時、そのプロジェクトに係る全員がその取り組みを理解し積極的に参加する様に成ってきた。


アーキテクトの段階から、換気などのスタッフ全員が加わる必要がある。
建物の目的を決め、環境、エネルギーに付いても議論し記録に残していく事が重要です。

そんな方式で出来たのが、ヨーテボリ市コーシュベーゲンにある世界文化ビルです。

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このビルの断熱は、コンクリート間に断熱材を挟んだ、サンドイッチ断熱パネルを使用しました。


またこの建物は、述べ床22000㎡の病院ですが、120Kwh/㎡の消費エネルギーで済んでいます。
病院建築で、120Kwh/㎡は、性能が良い方です。

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更に、サルベンスカ病院では、100Kwh/㎡の目標に対し、75Kwh/㎡まで減らす事が出来ました。

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これは、床コンクリート内に床暖冷房配管をして18~20℃の水を流した方式による効果です。

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White設計事務所のストックホルム支店がこの方式で、暖冷房しています。

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ストックホルム支店では、主として床を冷やして、熱交換機で空気を暖める暖房方式です。
オフイスは、発熱源が多いので暖房よりも冷房が必要です。
冷房には海水を利用しています。

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大きな窓が特徴で、省エネ家電を使っています。
特殊な自動制御するカーテンで太陽熱を遮断し、気密の良い窓枠と3層ガラス(2+1)クリプトンガス入りで、U=1.2の性能です。
建物性能は、80~90Kwh/㎡で、床冷房、快適な換気、熱のリサイクルが特徴で、照明は無人になると自動消灯します。

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スウェーデンの建築物の、今後のエネルギー目標値は、

            2005年         2025年
戸建        90Kwh/㎡      50Kwh/㎡   
集合住宅    120Kwh/㎡      70Kwh/㎡
事務所      120Kwh/㎡      70Kwh/㎡ 

です。


ヨーテボリ市で、2006年の秋着工予定の建物の計画に付いて話します。
この模型が、その建物です。

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この計画は、当初パッシブハウスで、無暖房住宅では有りませんでした。
計画中の昨年暮れに、無暖房住宅に変更と成りました。
その理由は、計画中により性能の良い建物にする意見が出てきたからです。


この無暖房住宅は、述べ床15000㎡で116戸の規模です。
パークハウス部分で、85Kwh/㎡、高層部で50~75Kwh/㎡が目標値です。
一番重要なのは、換気を熱交換する事です。


計画が進んでいたので、熱交換機のダクトスペースを確保する事が難しい問題を抱えています。
また、断熱厚さを厚くしたので、境界線を越境してしまいましたが、入居個数の関係もあり、ヨーテボリ市が特別に許可してくれた経緯もあります。


屋上に熱交換換気装置を置き、太陽熱温水器も設置します。
バルコニーのヒートブリッジを無くし、建物形状も凹凸を少なししました。


断熱厚さは、屋根45+350=395㎜ U=0.107、壁45+170+100=315㎜ U=0.115、地盤上基礎廻りは、RC250㎜の上に100㎜断熱+80㎜の石 U=0.239、地盤下2mまでRC250㎜の上に100断熱 U=0.239です。

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プレゼンテーションは、以上の様な内容でした。
White設計事務所の無暖房住宅計画は、スウェーデンの建築物に対する時代背景が影響した様です。
エネルギーの消費を抑え、更に循環型のリサイクルが当たり前の考えが、スウェーデンの現状です。


無暖房住宅がスウェーデン各都市に建設され、普通の建築物に成りつつある現実を見た私達は、改めて日本の現状との差を感じずにはいられませんでした。

スウェーデンの住宅の断熱厚さの、1/2程度が次世代基準と言っている北海道の断熱では、余りにも先進国として無責任な省エネ基準とは思いませんか。


住宅の耐用年数は、断熱厚さにも大きな原因が有ります。
断熱材を上手く活用して、快適な室内環境を作り長持ちする住宅造りを進めたいものです。


連鎖する無暖房住宅 終り。

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パッシブハウス・無暖房住宅・外断熱の今川建築設計監理事務所: 2007年01月09日|ページの 先頭へ|