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無暖房住宅視察2006年連鎖する無暖房住宅(6)

連鎖する無暖房住宅(6)
今回は、設計事務所bsv社の無暖房住宅現場編(その3)です。


ヘルシンボリ市の無暖房住宅現場視察、内部紹介の続きです。


ヘルシンボリ市の無暖房住宅の特徴は、鉄筋コンクリートと木による混構造造りです。
先に紹介している無暖房住宅は、全て木造建築でした。

ヘルシンボリ市の無暖房住宅は、コンクリートの蓄熱効果を使い、室温の長期安定と熱のリサイクルのし易さが大きな特徴と成っています。
ただ熱を逃がさない事だけに終始すのではなく、その余剰エネルギーを貯めておく処置です。
その為、コンクリートの蓄熱に有効な厚さに付いても、理論通りのサイズ(250㎜以上)で対応していました。


また、鉄筋コンクリート造の乾燥対する、日本とスウェーデンの差を見ました。
室内の気密化とコンクリート内に含水した余剰水は、入居後に大きな問題を引き起こす事を再認識させられました。
日本の新築マンション等で、入居者に渡される入居のしおりには、入居時の室内湿度が高く成る事が書かれています。
これは、コンクリート内の余剰水が完全に乾燥されていない状態で、建物が入居者に引き渡されている状況があり、日本ではコンクリートを工事中に乾燥させると言う認識が無いのです。


コンクリートが完全に乾燥するには、4~5年位掛るとある講座で聞いた事が有ります。
完全な乾燥では無いにしろ、現在の日本のマンション等の建築で、気密化された室内へその余剰水が影響しないよう対策を施している状況は有りません。

これに対しスウェーデンでは、施工中に乾燥期間を設け処理をして入居に備えています。
(その分工期が長く成り、そのコストアップは消費者が負担する事にも成りますが。)


しかし、この違いが住いの造り方の違いに現れ、最終的には消費者保護への差になっていると思います。
この考え方や造り方の違いは、日本とスウェーデンに措ける、社会資本の元に成る建造物に対する考え方の違いに成っています。(スウェーデンでは、『良い物を造り、長く使う』が基本的考え)


皆さんは、どちらが正しいかお解かり頂けると思います。
しかし、速さとコスト優先の物造りが持て囃される日本の現状は、全てがスウェーデンの逆です。
消費者の立場で、この様な問題点を残したまま、今日も建物が建てられていく現実をお考え下さい。


それでは、内部工事の続きから紹介します。


室内の換気ダクト配管です。
無暖房住宅には、高性能な熱交換換気扇が不可欠です。
各室に1台の、熱交換換気扇が取り付けられます。

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熱交換換気扇と換気ダクトに取り付けられる消音ダクトです。
高断熱、高気密の住いは、内外の遮音性が高い反面、室内で発生する音に対しは注意が必要です。

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四角と丸型の熱交換換気扇用の消音ダクトです。
室内の良い環境を作るための処置が、高いレベルで行われていました。

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室内から見た、後方棟の風除室部分です。
1階の部屋は、左右側面の第一ドアから風除室に入り、第二玄関ドアに通じます。
階段は、2階の風除室への共用ホール(外に開放)に繋がります。
1階中央部は、ソーラーコネクターで暖められた給湯用のお湯を貯めておく、容量1000Lの給湯アキミュレーションタックが置かれるスペースです。

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玄関先の木造部分です。
風除室スペースの他、物置も有る様です。
スウェーデンの住いは、普通風除室は有りません。
無暖房住宅では、玄関ドアの開閉による熱の流失を少なくする目的と、玄関ドアからの熱漏れを防ぐため、必ず風除室が設けられています。

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風除室に付けられた、正規の玄関ドアです。
このプロジェクト用に作られた、高性能なドアと聞きました。

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風除室に付いた、正規の玄関ドアのガラス部分です。
ペアガラスでしたが、性能の違いは見た目には解りません。

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2階の風除室の内外を敷居を境に撮った写真です。
手前が外です。
外は、外部開放のホール的スペースなので、防水が施されています。
内は、現状デッキプレートのままです。
この上に木床組するとの事です。

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同じ2階の階段ホールから、向かいの屋根工事を写した写真です。
屋根の棟近くの黒い部分は、ソーラーコネクターです。
スウェーデンの屋根は、瓦葺きが多いです。
そして必ず雨樋が付いています。
寒冷地の雨樋は、凍結の惧れが有るため、北海道では馴染みが無い光景です。

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外部のバルコニー用の基礎です。
外壁工事はほぼ完了しています。
バルコニーを、本体部分と切り離す事で、断熱欠損と熱橋が防げます。
また、バルコニーは夏場の日差し除けにも成ります。

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妻壁の様子です。
無機質な外装材の上に、木を取り付けています。
スウェーデンの建物は、木を多く用います。

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外観はほぼ完成し、バルコニーを残すだけの3階建て棟です。
この無暖房住宅は、先に見た無暖房住宅(自己暖房住宅)の木造造りではなく、コンクリートの蓄熱を考えた、鉄筋コンクリート+木の混構造の無暖房住宅です。

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他の無暖房住宅を見て、断熱厚さや窓、ドアの性能には色々ありましたが、総合的に室内の熱を逃がさない、熱のリサイクルを行う、冬と夏の日差しの受け入れ方を考慮する、熱交換換気扇の採用は不可欠等は、共通した事でした。


この無暖房住宅に関連した事柄は、省エネルギー住宅から低エネルギー住宅に、そして無暖房住宅にステップアップする為には、大変参考に成る事だと思います。


因みに、月々の家賃は、62㎡タイプで¥81,650円/月、70㎡タイプで¥91,200円/月、105㎡タイプで¥121,600円/月、107㎡タイプで¥124,800円/月です。(1スウェーデンクローナ=16円で計算)
スウェーデンの家屋には、冷蔵庫、冷凍庫がセットされています。


勿論、無暖房住宅に不可欠な熱交換換気装置やソーラーコネクターも家賃に含まれています。
快適な住空間がこの値段です。


続きは、連鎖する無暖房住宅(7)
ヨーテボリ市に本社を置くWhite設計事務所の無暖房住宅計画です。

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パッシブハウス・無暖房住宅・外断熱の今川建築設計監理事務所: 2007年01月06日|ページの 先頭へ|