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無暖房住宅視察2006年連鎖する無暖房住宅(5)

連鎖する無暖房住宅(5)

今回は、設計事務所bsv社の無暖房住宅現場編(その2)です。
無暖房住宅の現場視察、室内の紹介です。
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玄関ドアです。
と言っても、このドアは仮設です。
枠は、実際の物ですが、ドアは仮設なのです。
確りした作りなので、てっきり本設のドアと思い込み盛んに写真を撮っていたら、現場責任者に仮設である事を告げられました。
でも、日本ではこんな事は出来ません。
2005年ヨーテボリ市の建売住宅の視察の際、新築建物の玄関ドアに、仮設のドアが本設ドア枠に取り付けられているのを見ました。
そして、そのドアの右下には、仮設電気の電線が室内に取り込める様に角がカットされていました。
ドアの状況からみると、何度か使用されている様なドアでした。

ヨーテボリ市の工事中の建売住宅のドア(仮設)
ドア右下部分が斜めにカットされその部分から工事用電気のコードを室内に入れている様子。
(2005年視察)

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つまり、ドアのサイズが統一規格寸法であり、仮設のドアも使い回しが可能なのです。
仮設用のドアを作っても転用が利く事に成るので、作る側にもメリットが出てきます。
規格の統一化は、消費者に取っても利点が多く成ります。
日本では、メーカーごとでサイズが異なり、この事例の様な事は出来ません。
ドアだけの確認ですが、日本との違いを感じます。
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本設並みの綺麗な、レバーハンドルと確りした鍵です。
工事中、仮設ドア使用なので傷や破損の心配が有りません。
仮設でも本格的な鍵なので、盗難や防犯にも対応出来ます。
仮設ドアには、気密ゴムまで付いています。
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室内に有った仮設の電気暖房器です。
冬季間の施工のため、温風式の加温機で採暖していました。
内部のコンクリートは、表面乾燥は元より、壁内まで乾燥している様に見受けました。
これだけの事を実施すれば、レクチュア通りコンクリート含水による室内への影響は、少ない様に思えました。
日本の採暖機は、灯油燃料が多く採用されていて、排気処理は内部放出が多く、排気と同時に内部に水蒸気が放出されます。
乾燥を目的とする採暖機から、水分を放出させる事は矛盾した方策ですが、日本では電気採暖機でこれ程の機器が使用されている例は無いでしょう。
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別な棟の、温風式の加温機です。
こちらは、小型ですが室内はかなり熱かったです。
本設のドア設置前と、熱交換換気扇の未可動、そして設備貫通穴の未処理以外は、ほぼ無暖房住宅仕様の状態ですから当然かも知れません。
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ここの、無暖房住宅プロジェクトの為に作られた窓です。
高性能でU=0.85W/㎡Kの窓です。
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窓を開閉した状態です。
南西面に付いているこの窓は、床まである大きな窓です。
完成後は、バルコニーに出る事ができます。
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室内のダクト配管の説明を受けているところです。
室内は外壁、屋根廻り以外は鉄筋コンクリートです。
コンクリート素地に仕上げをする様です。
ここの無暖房住宅は、コンクリートの蓄熱効果を得るのが特徴です。


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見学した室内は、躯体が剥き出しで換気ダクトの配管工事中が殆んどでした。

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3階床スラブのサイズを測りました。
240㎜のサイズでした。
熱交換換気扇のダクト配管100㎜を、このスラブに打ち込んでいます。
そのため、スラブ厚さ240㎜が必要との見方も有りますが、2003年視察の無暖房住宅の設計者ハンス・エーク氏の言葉を思い出しました。
リンドースの無暖房住宅について、床の蓄熱効果はあるのかと質問した際に、コンクリートの蓄熱に必要な厚さは、250㎜以上必要だとの返答がありました。
リンドースの無暖房住宅では、床の厚さが250㎜以下で蓄熱効果は無いとの返答でしたが、この現場では、コンクリートの蓄熱採用のため、コンクリート厚さをその数値に近い厚さににしている事が印象的でした。
因みに、界壁のコンクリート壁厚は、220㎜です。
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3階の工事風景です。
この棟は、3階建てで、1階(70㎡)と2階は別戸です。
2階と3階は同戸で、延床107㎡です。
間仕切り下地は、軽量(LGS)下地で13㎜の石膏ボードが貼られています。
図面でこの場所は、子供室(寝室等)の様です。
屋根勾配成りの天井と、部屋幅、窓の大きさから圧迫感を感じました。
大柄なスウェーデンの人に取っては、狭い感じです。
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3階の部屋を繋ぐホール上のルーフウインドウです。

設計事務所bsv社の無暖房住宅現場編(その2)が
長く成りましたので、続きは次回にします。

次は、連鎖する無暖房住宅(6)
設計事務所bsv社の無暖房住宅現場編(その3)です。
無暖房住宅の内部工事の続きを紹介します。

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パッシブハウス・無暖房住宅・外断熱の今川建築設計監理事務所: 2007年01月04日|ページの 先頭へ|