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断熱材へのこだわり(その1)

私は、断熱材にこだわりを持って、住まい造りをしています。
また、断熱材は省エネを考える上で最も重要な建築材料でも有ります。

知覚にまじわるは、証則にあらず(意識したものに、本物はない)の言葉にある様に、建物に於ける断熱材の役割は、正しく普段は意識する物ではない存在です。
しかし、断熱材が住いの、住環境や室内気候に果たす役割は大変大きいのです。
寒冷地の寒さ対策は元より、温暖な地域での夏場にも効果を発揮します。
最近は、沖縄地区に外断熱マンションが建設され、その断熱効果が話題を呼んでいると聞いています。
日本に措ける断熱材は、省エネルギーが益々叫ばれる時代背景の割には、まだまだ不足と考えています。
もう少し、断熱材の厚みを増す事の効果を利用すべきです。

そんな断熱材に付いてお話をしましょう。

1. 断熱材の効果は色々

断熱材はその名の通り、熱を遮断する製品で、住まい造りにとって大変重要な建築材料の1つです。
断熱材の効果には、いろいろあります。

写真は、いろいろな部分に使われる断熱材の例(スウェーデンの断熱メーカーより)
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断熱材が、熱を遮断する事で、室内気候は快適になります。
それは、暑さ寒さから、人を守る事に成ります。

無暖房住宅と断熱材(スウェーデンの断熱メーカーより)
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断熱による室内気候の改善は、カビやダニなどの発生を防ぎます。
それは、健康を守る事に成ります。
遮音性が増します。
それは、落ち着きと安眠を作り出し、住い本来の性能と成ります。

断熱材で遮音効果を上げる(スウェーデンの断熱メーカーより)
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建物の寿命(耐用年数)に、大きな関わりを持ちます。
それは、資産価値を高めます。
仕上げ材の汚れ方や、汚れの速さに影響します。
火災に対し、防火にも成ります。(特に繊維系断熱材)

繊維系断熱材の断熱効果と透湿性抵抗の低さを表現(スウェーデンの断熱メーカーより)
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省エネルギーに成り、ランニングコストを下げます。

断熱材の節約効果(スウェーデンの断熱メーカーより)
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エネルギー消費を抑えて、且つ消費量を遅らせる事で、地球環境に貢献出来ます。

以上の様に、断熱材は、私たちの住まいに措いて、重要な役割を果たしています。
その断熱材の材種選択や使用厚みを増す事で、その役割を更に増幅させる事が出来ます。

2. 何をポイントにするか

それでは、断熱材の選定や、厚み(使用量)はどの様に考えたら良いのでしょうか。

断熱材の選定に付いて私は、断熱材の製品製造時から環境に影響の少ない製品、再製可能な製品、経年変化の少ない製品などの要素を持つ断熱材が良いと考えます。
如何に、断熱材の断熱性能が優れていても、別な何かを犠牲にして出来上がった製品では、価値は無いと考えています。
その犠牲とは、特に環境だと考えています。

現在、そしてこれから未来に対して、製造時に環境を破壊する、又は、環境に影響を与える製品は使うべきではないと考えています。
住まい造りや、事業の為の建物造りは、全て将来に向けた投資であり、将来に向けた希望の延長上に成り立つ行動です。
その将来を、無にする様な材料選定や物造りでは、考えと行動が一致しないと考えるからです。

製品のリサイクル性も大切です。
廃棄する時に、環境破壊を起す様では、採用出来ません。
廃棄に苦慮する様な製品では駄目です。

断熱材の、経年変化についてはどうでしょうか。
経年変化を起す製品は、永く使う事が出来ない製品です。
(経年変化とは、断熱性能の低下などを意味します。)
断熱材は、住宅の寿命を左右する材料です。
その材料が、経年変化する様では、住宅の耐用年数は、おぼつかない事に成ります。
では、どの断熱材がそれらの問題に対応出来るのでしょうか。

3. 断熱材の種類と特性

断熱材の種類は、素材から繊維系と発泡系に大別できます。
グラスウール系(GW)、ロックウール系(RW)が繊維系断熱材です。
発泡系には、ビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS)、押出法ポロスチレンフォーム(XPS)、硬質ウレタンフォーム(PUF)、フェノールフォーム(PF)、炭酸カルシウム発泡板(記号なし)、などが有ります。

特長

A.繊維系断熱材

繊維系断熱材は、火に強くリサイクルが可能です。
耐候性が高く経年変化が少ない。
外断熱工法上支持金物などを通しやすく、作業がしやすい。
吸水性があるので、濡らす状況を避ける事が重要。
今問題に成っている、アスベストと違い発ガン性は無い。

繊維系断熱材の例(スウェーデンの断熱メーカー工場と展示場から)
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B.発泡系断熱材

発泡系断熱材は、リサイクルがむずかしい、又は確立されていない。

B-1:ビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS)は、日本では断熱材としての使用は少ないが、EU諸国やアメリカではポピュラーな断熱材です。
自己消化性があり、透湿性があります。
また、発泡系断熱材の中では、数少ないリサイクル性のある材料です。

EPS断熱材の現場(ドイツの現場写真)
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B-2:押出法ポロスチレンフォーム(XPS)は、現在日本では、大変多く採用されています。吸水性が低く基礎部分や土間下に使用されています。
しかし、透湿性が少なく、自己消化性もありません。
リサイクル不可。

B-3:硬質ウレタンフォーム(PUF)は難燃仕様以外火に弱く、発泡系断熱材の中では、吸水性が高い材料です。
内断熱材の主役で、現場発泡ウレタンフォームと呼ばれて使用されています。
建物建設時に、現場発泡ウレタンとして一番多く使用されています。
リサイクル不可。
           
B-4:フェノールフォーム(PF)は、準不燃材で熱伝導率も小さい材料ですが、硬くてもろいため、あまり採用されていません。
リサイクル不可。

B-5:炭酸カルシウム発泡板(記号なし)は、採用例が少なく現時点での評価はできません。
リサイクル不可。

以上が、各材料の特性です。

4. どの断熱材を使うか

上記の様に材料の特性などから、火に強くリサイクルが可能材料である事。
耐候性が高く経年変化が少ない事。
外断熱工法等を行う上で、支持金物などを通しやすく、作業がしやすい事などの性能を有する点で、繊維系断熱材が最適と私は考えています。

しかし、全ての部位で繊維系断熱材で施工は出来ません。
水の掛る部位には、板状断熱材が必要です。
その場合は、板状発泡系断熱材では自己消化性があり、透湿性がある、ビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS)が良いと考えます。
特に、ビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS)は、板状発泡系断熱材なのに、他の材料と違い透湿性があります。
この透湿性が有る事が大変重要です。
外断熱工法において、室内の湿気が壁内を通り外部に放出される状況を作る必要上、透湿抵抗が少ない材料である事が必要になるからです。

スウェーデン、ドイツでは繊維系断熱材とビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS)が断熱材の主流です。
地盤面を境に、地盤面下にビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS)を使用し、その上は繊維系断熱材のロックウール(RW)が使用されています。

スウエーデンの基礎枠兼用断熱材の施工風景と基礎枠兼用材
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特に、スウェーデンのロックウール(RW)はストーンウールと呼ばれ、現地で取れる溶岩石を材料に生産されています。
ストーンウールは、700℃で溶け出すくらいに火に強い製品です。(グラスウールは400℃で溶け出
す。)

スウェーデンのメーカーカタログから
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日本のロックウール(RW)は、鉄工所で出るスラグを材料に作られ、溶解温度はスウェ
ーデンのロックウールの700℃より低い600℃と聞いています。

スウェーデンの木造住宅現場(ロックウール断熱材の施工と170㎜厚の材料)
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また、ビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS)は1950年ごろドイツで開発され今日に至っています。

ビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS)のカタログにこんな記載がありました。
『発泡プラスチック系断熱材の断熱性能(熱伝導率)は、原料樹脂の種類、密度の他、特に発泡剤の種類によって大きな違いがあります。分子量の大きい気体ほど熱伝導率が小さくなり、熱伝導率の小さいガスを気泡内に含む断熱材ほど熱伝導率は小さくなります。
EPSは、炭化水素を発泡ガスに用いていますが、製造後、短期間で大部分のガスは、空気と置換されます。そのため、断熱性能を気泡ガスに依存しないため、長期にわたって経時変化が、小さい断熱材です。一方、発泡ガスにフロンを用いるXPS、PUFは、断熱性能をフロンに依存しています。フロンは分子量が大きく、初期は熱伝導率が小さいのですが、気泡内のフロンはその後徐々に、空気と置換されていくため長期に渡って初期の断熱性能を、維持することが難しい材料とされています。』

この様に、ビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS)のカタログの説明からも、なぜ断熱先進国のスウェーデン、ドイツでは他の発泡系断熱材が普及しないのかが分かります。
ビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS)以外は、経年変化のおそれが有るのです。
また、ビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS)は、リサイクル性に優れています。
家電製品の梱包材、ビデオカセット、文具、固形燃料(電力用など)、高炉の燃料などに再利用されています。

断熱へのこだわり(その2)に続く

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パッシブハウス・無暖房住宅・外断熱の今川建築設計監理事務所: 2007年01月11日|ページの 先頭へ|