スウェーデン国、ルンド市ルンド大学で、建築物理学の権威者アーネ・エルムロート博士のレクチュアを受けました。
その(3)
気密性能の推移を表した図です。50パスカルでの気密測定値で1時間に措ける住居内全体の空気が入れ替わる回数で、気密性能を表す。
外壁の材質変化図、1920年→1970年レンガ、木材、1930年軽量コンクリートの出現でレンガに変わる。
1950、60年コンクリートと軽量コンクリートが約半々と成った。
1960, 70年軽量コンクリートが減った、断熱の関係で木材が増えてきた。
1戸建てはレンガも多い、モルタル塗りの増えている。(断熱材の上に塗るタイプ)
どうして建物の気密化が必要か。
・室内への汚染空気の進入を防ぐ。
・室内への風の進入を防ぐ。
・湿気による建物への障害を防ぐ。
・計画換気をしやすくする。
・騒音を防ぐ。
・室内へ粉塵などの進入を防ぐ。
以上の効果が有り、今後の住宅には気密との関係は重要です。
・室内の気密性向上は~粉塵などの進入を防ぐ。
・外風に対する気密性向上は~断熱材の効果を損なわない。
・水蒸気を遮断する効果~ベーパーバリアの役目。(内側からの遮断)
グリーン色は、計画換気。赤色は、隙間換気(計画外)
気密が悪い家の問題点は、外部から計画外の空気の進入による弊害です。
暖気は小屋裏へ抜ける為(結露のおそれ)計画暖房が出来ない。
床側より冷気が進入してきて、室内で暖められ、天井側より抜けていく。(ザル暖房)
煙突式空気循環。問題点は、下階は良いが上階は空気の循環が良くない。
ドラフトの差による換気で、昔のタイプです。
気密が悪いと計画換気が難しい。(コントロールしずらい)
気密が良いと、ベンチレーションの換気率が減ってくるため、余り気密を良くすると問題もある。
1950年代から現在もある換気方式です。
最上部天井に換気扇を付け、この部分で全ての室内空気を吸い込む方式です。
問題は、各戸の調整が出来ない事です。
最近の換気方式(アパート・集合住宅)
この方式の良さは、個々部屋での換気調整がしやすい点です。
新鮮な空気は、暖房パネルの裏から入れます。
暖房パネルの熱で、冷気が暖められる。簡易型の熱交換をして室内に入れる。
太陽熱の利用もしている。
ルンド大学建築物理学科(4)へ続く