コペンハーゲン市海沿いの再開発現場
今回の視察目的は、あくまでもスウェーデン・イエテボリ市の無暖房住宅でしたが、どうしてもハブ空港であるコペンハーゲン空港に寄るため、今回は市内で一泊する事にしました。
今日の午後には、デンマークを離れスウェーデンに向かう為、午前中だけ市内観光を行いました。
観光中、幸か不幸か、遠くに有る工事現場が目に入りました。
そうなると、少々遠回りでも立ち寄るのが、技術者達の観光の掟です。
時間も押していましたが、急いで現場を目指しました。
現場は期待に答えて?、外断熱丸出しの状態でした。
日曜日のため、現場には人影が無く、また、日本と違い仮囲いも簡単で、近くで見ることが出来ました。
鉄道をまたぐ橋の上で、工事現場を発見し視察に向かう事に成りました。画面上に現場が見えます。
大きな通りに面している現場です。
右奥に現場のクレーンが見えます。
漸く現場に到着しました。
現場は日曜日のため、人影はありません。
外国で工事中の現場を見る機会は少なく、胸躍る気分で近づきます。
無足場で工事は進められています。
ジブクレーンが2台設置されていました。
工事現場は、海外に向かうフェリー乗り場に近く、付近の建物は真新しく、斬新なデザインの物が多く見受けられました。
付近の近代的な建物
早速工事現場を外周から視察しました。
開口部は、木で落下防止の柵を設置しています。
足場が無い工事現場は、外国ならではです。
PC板による工事の様です。
こちらの面は、外部建具が取り付けられていました。
どの様にして大きな窓を取り付けるのか、見てみたいものです。
コンクリート壁面に付けられた、ステンレス製の外部仕上げレンガを支持する緊結材です。このコンクリート面にロックウール断熱材を張りつけ、その外側にレンガを積んでいきます。
レンガ面の倒れ防止に、このステンレス材をレンガ目地に埋め込みます。
別な壁面の、ステンレス緊結材の様子です。
PC板の継ぎ目は、ウレタン処理しています。
仮囲いは簡単なフェンスのみで、一部は柵も有りません。
日本の工事現場からすると、大変ラフな囲いです。
窓の収まりと、サッシュを止めるファスナー金物です。
同じ部分のアップです。
外断熱工法の為、断熱材の厚み分窓を迫り出させています。
窓の支持金物の様子です。
一部外装仕上げが行われていた部分です。
バルコニーも手摺ガラスが取り付けられています。
同じ部分を正面から見ました。
バルコニーもPC板です。
PC板の精度が余り良くありません。
工事の品質は、やはり日本の方が上です。
至る所に、モルタル補修や不陸調整の跡が有りました。
外壁の所々に、ウレタン材による隙間埋めの跡が有ります。
また、細かな凹凸が多くあり、精度の悪さが見えました。
工事現場事務所です。
NCCはスウェーデンの大手ゼネコンと聞きました。
建物下部の外断熱施工部分です。
ロックウール断熱材の外側に、レンガで外装施工しています。
前の写真に有るステンレス緊結金物で、レンガの力骨にからめて外装レンガの転倒を防止させています。
基礎周りの防水と、ロックウールの雨よけに挟んだフェルト材です。
ロックウールの最上部には、同じフェルト材が雨養生に取り付けてありました。
外断熱の通気口です。
ロックウールとレンガ間は、湿気を排出するための通気層が設けられていて、その通気層に外気が入る為の穴です。
スウェーデンでは、この通気口に虫の侵入を防止する金網が取り付けて有りました。
ロックウールの厚さを測定しました。
厚さは120㎜です。
デンマークでは、スウェーデン程断熱基準が厳しくない様です。
PC階段と本体躯体間の防水施工です。
この部分は、外部面で同じく断熱材が貼られレンガを積みます。
その際、通気層間に入った水を階段裏に入らない様、防水処理されています。
上部階段まで防水処理をしています。
現場内の様子です。
ブロックの積み方がラフでした。
一部の梁もPC化されていました。
現場前に有った窓です。
何故か1台だけ道路際に置いてありました。
ガラスはペアガラスです。
ビル用のため、PVCサッシュも枠が強固に出来ていました。
ビルの完成予定看板です。
空港に向かう時間が迫り、急いで現場を離れました。もう少し時間があれば細部を見学したい気持ちでした。
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パッシブハウス・無暖房住宅・外断熱の今川建築設計監理事務所:
2006年10月17日|ページの
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