2005年4月16日(土)~4月22日(金)7日間、無暖房住宅ミニツアーを実施しました。
参加は、(有)イーアイの堀内社長、太田さん、(有)優和冷暖の羽田社長と今川の4名です。
私は、NPO法人EIPC外断熱推進会議が主催した2003年1月のスウェーデン・ドイツ外断熱視察で、無暖房住宅を訪問して以来、北海道に無暖房住宅を合言葉に、その取り組みをしてきました。
そして、2005年2月21日~3月4日無暖房住宅の設計者ハンス・エーク氏が来日し、長野・東京・京都・札幌の4都市で無暖房住宅講演を行う際、全日程に同行しハンス・エーク氏から無暖房住宅の細部について説明を受ける機会を得ました。
それを足掛かりにして、日本での無暖房住宅建設に向け、無暖房住宅の細部確認のため、再度2005年に現地を訪問しました。
その際、熱交換換気システム・ソーラーシステム・高性能サッシ等について製造メーカーや展示施設を視察し、その詳細を確認し日本で実際に使用が可能か、また日本製品との比較確認をしてきました。
2005年4月19日(火)無暖房住宅を視察しました。私にとっては、2003年1月27日以来2回目の視察となります。今回は、細部に亘る無暖房住宅の検証を目的としています。
北海道ではまだ寒い、4月中旬の訪問でしたが、道内よりも暖かく、北海道の5月中旬を思わせる気温に、寒さを想定していた私達は拍子抜けしてしまいました。
2年前とは周りも変わり、団地入り口には新たに門ができていました。
無暖房住宅は、4棟(4戸×2棟、6戸×2棟)20戸のタウンハウス形式の造りで、現在は1戸のみ見学可能、その他は入居済みです。
無暖房住宅は、人気の高さから投資目的になり高額売却され、新しい持ち主になった住居もありました。
無暖房住宅の設計者ハンス・エーク氏が、自らレンタカーを運転してリンドース団地まで案内してくれ、再度詳細説明をしてくてました。 見学したリンドースの無暖房住宅は、1戸のみ実験目的で2005年8月まで公開され、その後、売り出されることになっていました。
今回はミニツアーで視察者が4名と少数のため、時間も十分取れ細部に亘り見学と確認ができました。
また、今回の参加者には北海道の暖冷房設備会社社長が同行し、専門的見地から無暖房住宅の換気設備等を詳細確認しました。
さらに、無暖房住宅の2年間に亘る経年変化の状況も確認でき、別の意味での収穫もありました。
今回の無暖房住宅視察における現地での確認事項
① 断熱ディテールの再確認。
② 天井断熱と屋根勾配のディテールの確認。
③ 窓周り、壁周りの気密処理と気密材の製品確認。
④ 床土間と土間下断熱、床組方法の細部について。
⑤ 風除室の有効性とスペース形成の注意点。
⑥ 風除室は太陽熱の確保を前提にしているのか、その効果は。
⑦ 排水熱の有効利用はどの様にするか。
⑧ 連棟型と戸建型の無暖房住宅建設での注意点は。
⑨ バルコニーの構造支持と熱橋処理について。
⑩ 屋根通気の必要性と棟換気の確認。
⑪ 玄関ドアのメーカー名と性能確認。
⑫ 天窓メーカー名と性能確認。
⑬ 窓メーカー名と性能確認。
⑭ 設計者ハンス・エーク氏が考える色彩計画のポイント。
⑮ 設計者ハンス・エーク氏が考える内装色計画のポイント。
⑯ハンス・エーク氏の次回プロジェクト計画と、スウェーデン無暖房住宅等の進行について。
以上の確認質問事項等を用意し、現地で大きな成果を得てきました。
無暖房住宅視察2005年(その2)へ続く。