家の相談を受けると、『家の寿命は20年位もてば良いです』と、お話しされる方が居られます。
本音では無いと、信じますが。
仮に、これから先そんな事は許されるでしょうか?
住まいを造り使用する事は、膨大なエネルギーを使う事でもあります。
造られた住まいは、これから数十年間エネルギーを使って、家としての役目を果たす事に成ります。
【築30年前後で解体される公共アパート】
【東京のビル解体現場】
最近の石油の高騰は、エネルギー問題を考える良い機会と成りました。
しかし、過去にもオイルショックと呼ばれた時期を2度も経験しているのに、その体験は生かされていません。
代替エネルギーを考え開発するよりも、現在のエネルギーを節約する事の方が、私達が行える現実的な方策だと思います。
建物を、造る過程と維持していく過程でのエネルギー消費を少なくする事は、政府が言っている、クールビズ、ウォームビズやアイドリングストップよりも、膨大なエネルギー節約に成ります。 各家々における、その取り組みは、日本全体で考えると、大きなエネルギー節約につながります。
ところで、どうすれば家は長持ちするのでしょうか?
それは、見えない所に少しお金を、配分する事です。
つまり、現在建てられている周りの住まいよりも、断熱厚さを増すことと気密工事にお金を掛ける事です。
出来れば、窓ガラスと玄関ドアにもお金を、配分して下さい。
その結果耐用年数が延び、居住空間が飛躍的に向上します。
スウェーデンの住宅は、適切な断熱厚さと気密工事+換気設備が、理論と技術で完成された成果と言えます。
安く性能を持っていない住宅は、結果的に短命です。
20~30年周期で家を建て続ける事に成ります。
その住いは生存期間中、不快でカビや結露との同居を、余儀なくされます。
そして何より、冬寒く、夏暑い住いです。
住居本来の目的を外れた事で、建物を安く購入しても快適な生活は無いのです。
住まい本来の目的を失う様な、見栄や格好良さやブランド志向で決めてはいけませ ん。
外郭だけのデコレーション住居を、評価してはいけません。
安かろう、良かろうの住宅はありません。
安かろう、悪かろうしか無いのです。
慎重に検討して、さらに情報を得て決めて下さい。
家は長く使います。
また、売る場合も、長持ちする性能を持った家でなくては売れません。
これからは、中古住宅も性能で買われる時代がきます。
古くても、性能良く造った家は、高く売れる時代がきます。
自分の財産を賢い選択無しで決めてはいけません。
私達の世代だけが地球を使用する訳ではありません。
無暖房住宅を設計したハンス・エーク博士の言葉を借りると、 『私達の使命は、後世に地球を良い状態で、バトンタッチし て行く事』です。
【無暖房住宅の設計者 :ハンス・エーク博士】
スクラップ&ビルドを無くしてゆかねば、限りある資源をどんどん失う事に成り ます。
『そんな事は誰かが行えば良い』とお考えですか?
【東京都内のビル解体現場日本全国で同じ光景が見られる】
それは、情報を得ていない人達の考えです。 知り得た情報は、あなたの賢い選択と成らねば、子孫の未来は危うく成って行きま す。
一人ひとりが取組み、実行しなければ良い方向には行きません。
理論上正しい取り組みや試みは、結果的に快適で経済的な住まいになるのです。
何よりも貴方が、その様な視点で住まい造りを考えられる事、その素晴らしさをお 考え下さい。
寒い朝、快適な室内から見る冬の景色は、北海道でなければ味わえない、最高の贅 沢と成ります。
そんな、住い造りをお手伝いします。