通訳をして頂いた、友子ハンソンさんがこんな逸話を話してくれました。
友子さんのご長男が幼少の頃、学校から帰りこう話し出しました。 『お母さん、僕は恥ずかしい。だから友達を自宅に呼べない』なぜか?と尋ねると、 『僕の家はトイレットペーパーが白い、友達の家トイレットペーパーは白くない、白いトイレレットペーパーは、漂白していて環境に良くない物だ。そんな商品を使っている事が知れたらとても恥ずかしいい事だから友達を自宅に呼べない』と話したそうです。 スウェーデンでは、子供に民主主義、自己決定、平等、選択の自由、環境問題を学習要綱に入れて教育しているそうです。
環境問題の授業で触れた漂白か、紙の製造か、はたまた友達の家に行った時の話題かは解りませんが、我が子からの鋭い指摘に、友子ハンソンさんは驚き、またそれを見直し改善したそうです。 確かに、スウェーデンのホテルのトイレットペーパーは、白ではなく材質も良くありません。 コーペンハーゲンのホテルも同じでした。 1997年のアメリカ・カナダ視察の際、アメリカから陸路カナダ・バンクーバーへ入る入国管理事務所のトイレトペーパーもその様でした。
日本のトイレットペーパーを使い慣れている私には、感触が悪く決して心地良いものではありませんでした。 しかしその白さや触感の裏にある、環境との関係を私達は考えなければならないと思い直しています。 私達の便利さや機能性の良さなどは、環境に対しかなりの負荷を掛けていると思いました。
2006年札幌で開かれた、日独シンポジウム『環境と人にやさしい持続可能な建築と住まい』で、北海道の職員が、環境省エネに関する教育を子供の時期から行わなければ成らないと発言されました。 現状からの出発では、スウェーデンから見ると大変遅れた動きですが、気が付く事と実行する事がより重要です。
環境への取り組みについて、早くスウェーデンに追いついてほしいと考えます。